2023/02/03
抗Trop-2 ADC TRODELVY のHR 陽性/HER2 陰性転移性乳癌に対する2 次療法をFDAが承認
今回の承認審査は、Project Orbis の下で優先審査により承認された。欧州医薬品庁(EMA)はまた、HR+ / HER2- 転移性乳癌におけるTRODELVY のType II 変更申請を検証し、中央審査方式による審査を開始する。
承認の根拠となったのは、第3 相TROPiCS-02 試験(NCT03901339)の結果である。統計的に有意で臨床的に意味のある無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)の延長が認められた。
2023/02/02
テゼスパイアの新たな充填済みペンによる自己投与をFDAが承認
今回の承認は、第1 相PATH-BRIDGE試験、および第3相PATH-HOME試験結果を含むPATHFINDER臨床試験プログラムの結果に基づいている。医療提供者、患者、および介護者の大部分(92%)は、PATH-HOME 試験を通じて、診療施設と自宅の両方でテゼスパイアを投与することができた。PATH-HOME 試験で観察された テゼスパイアの喘息の制御と安全性プロファイルの改善は、これまでの臨床試験結果と一致していた。テゼスパイア自己投与とテゼスパイア 充填済みペン は、EU でも承認されており、世界中の他のいくつかの国で規制当局の審査を受けている。
2023/01/26
EC からエンハーツのHER2 低発現乳癌に係る一部変更承認取得
2022 年6 月開催の米国臨床腫瘍学会(ASCO 2022)で発表され、化学療法による前治療を受けたHER2 低発現の乳癌患者を対象にしたグローバル第3 相DESTINY-Breast04 試験結果に基づいて、欧州委員会(EC)より承認された。本剤は、欧州において、HER2 低発現の乳癌を対象に承認された初めての抗HER2 療法である。 本試験の主要評価項目のホルモン受容体陽性(HR)のHER2 低発現乳癌患者における無増悪生存期間(PFS)は、選択薬群と比較して、病勢進行又は死亡リスクを49%低下させ、中央値は選択薬群(n=163)の5.4 カ月に対し、本剤群(n=331)は10.1 カ月であった。重要副次評価項目のHR 陽性HER2 低発現乳癌患者の全生存期間(OS)は、本剤群が死亡リスクを36%低下させ、中央値は選択薬群の17.5 カ月に対し、本剤群では23.9 カ月であった。奏効率(ORR)は、選択薬群の16.3%に対し、本剤群は52.6%であった
2023/01/19
FDA、治療歴のあるRAS 野生型/HER2 陽性転移性結腸直腸癌の治療にTUKYSA 加速承認
TUKYSA錠は、HER2 タンパク質のtyrosine kinase 阻害剤の経口薬である。MOUNTAINEER 試験では、TUKYSA とトラスツズマブの併用療法を受けた、年齢の中央値が55.0 歳(範囲: 24~77 歳)の患者(N=84)において、盲検下独立中央審査(BICR)により、38%の奏効率(ORR)(95%CI: 28, 49)を示した。完全奏効(CR)は患者の3.6% (n=3)に観察され、部分奏効(PR)は患者の35% (n=29)に観察された。 BICR 評価の奏効期間(DOR)の中央値は 12.4 カ月(95% CI: 8.5, 20.5)であった。試験登録時に、これらの患者の64%と70%にそれぞれ肝臓または肺への転移が認められていた。TUKYSA の処方情報には、下痢、肝毒性、胚・胎児毒性に関する警告と注意事項が含まれており、その中には重症または致命的なものもある。
2022/09/21
腫瘍の種類を問わず RET 遺伝子融合を有する固形がんの治療
2022/09/21 LLY, RET, Tumor-agnostic
FDA Approves Lilly's Retevmo® (selpercatinib), the First and Only RET Inhibitor for Adults with Advanced or Metastatic Solid Tumors with a RET Gene Fusion, Regardless of Type
FDAは、リリーのRETキナーゼ阻害薬セルペルカチニブ(販売名:レットヴィモ、Retevmo® )に対して、「腫瘍の種類を問わず RET 遺伝子融合を有する固形がん」を追加効能として承認した。
2022/08/16
エンハーツ, HER2 低発現転移性乳癌患者に対する初の抗HER2 療法としてFDA から承認
承認は、最近のエンハーツ に対して優先審査およびBreakthrough Therapy指定を受け、審査にあたってFDA のReal-Time Oncology Review(RTOR)の下で認可された。承認書によればsBLA 受理が5 月26 日、承認は8 月5 日で、優先審査指定が7 月25 日と思われる。
第3 相DESTINY-Breast 04 試験において、無増悪生存期間(PFS)の中央値は、化学療法群 5.4 カ月(95% CI: 4.4-7.1)、エンハーツ 群10.1 カ月(95% CI:9.5-11.5)であった。
2022/07/01
海外製薬産業ニュース(2022年6月)
初回承認2件のうち1件は乳幼児向け肺炎球菌ワクチン、もう1件は欧州委員会によるロシュのCD20xCD3二重特異性抗体の承認であり、FDAによる新薬承認はなかった。メルクが開発した乳幼児の侵襲性肺炎球菌感染症予防ワクチン VAXNEUVANCEは肺炎球菌15価コンジュゲートワクチンで従来のか13価ワクチンを上回る有効性が期待される。ロシュの二重特異性抗体 ランスミオ(Lunsmio、一般名モスネツズマブ)は初回承認から市場が大きい濾胞性リンパ腫が適応症となった。米国では7月上旬にFDAが優先審査として申請を受理しており、承認適応症が注目される。
追加承認5件のうち3件は自己免疫疾患であり、アッヴィのIL-23抗体スキリージのクローン病、リリーのJAK阻害薬オルミエントの円形脱毛症、サノフィのIL-13抗体デュピクセントの6カ月から5歳の乳幼児への適応が承認された。他にはグラクソがすでに100か国で販売しているMMRワクチンを米国FDAが承認、抗がん剤の承認は1件だけであった。ブリストルマイヤーズ・スクイブのCAR-T細胞療法ブレヤンジは昨年2月に大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)の3次治療を適応症として承認されていたが、2次治療が追加承認された。
申請用臨床試験では6月初めに米国臨床がん学会(ASCO)が開催されたこともあり、抗がん剤 12件を中心に全体としては 21件のアップデートが発表された。抗がん剤ではヤンセンのエルダフィチニブがFGFR変異陽性の固形がんを対象としたP2試験で腫瘍横断的な有効性を報告した。 第一三共とアストラゼネカが提携する抗 HER2抗体薬物複合体エンハーツが HER2 低発現の乳がん患者を対象とした好成績を示し、HER2変異の程度にかかわらず広く一次治療として承認される可能性が見えてきた。
COVID-19関連ではファイザーがビオンテックと共同するmRNAワクチンの緊急使用許可が拡大され、 6か月から 4歳の乳幼児も対象となった。サノフィ・GSK連合は次世代のアジュバント化ワクチンによるブースター接種がオミクロンを含む変異種に広く有効とするデータを発表した。
2022/06/24
CAR-T細胞療法による大細胞型B細胞リンパ腫の二次治療
U.S. FDA Approves Bristol Myers Squibb’s CAR T Cell Therapy Breyanzi® for Relapsed or Refractory Large B-cell Lymphoma After One Prior Therapy
ブリストル・マイヤーズスクイブのCAR T細胞療法 Breyanziによる再発性または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫に対する二次療法を米国FDAが承認。昨年(2021年)2月の初回承認は三次療法以降の適応だった。
ブレヤンジ(Breyanzi)はこれまでに播種性(Diffuse)の大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)で承認されているイエスカルタ(2017年)、キムリア(2018年)といったCAR-T療法と同じくCD-19を標的としているが、今回の承認により、CAR-T療法として最も幅広いLBCL効能となった。
2022/06/22
FDA, BRAF V600E 変異+切除不能/転移性固形癌のダブラフェニブ+トラメチニブ併用療法を承認
BRF117019 試験とNCI-MATCH 試験では、131 人の成人患者について、合計54 人(41%、95%CI:33, 50)がORR を経験した。この試験では、高悪性度神経膠腫 と低悪性度神経膠腫のさまざまなサブタイプを含む24 の腫瘍タイプの患者が登録された。最も代表的な腫瘍タイプの中で、ORR は、胆管癌で46%(95%CI:31, 61)、高悪性度神経膠腫で33%(95%CI:20, 48)、低悪性度神経膠腫の場合50%(95%CI :23, 77)であった。
2022/06/17
特異的インターロイキン-23(IL-23)抗体による活動性クローン病の治療
SKYRIZI® (risankizumab-rzaa) Receives FDA Approval as the First and Only Specific Interleukin-23 (IL-23) to Treat Moderately to Severely Active Crohn's Disease in Adults
スキリージ®(リサンキズマブ)は特異的インターロイキン-23(IL-23)抗体として初めて、成人の中等度から重度の活動性クローン病に関する適応症でのFDA承認を取得した。
2022/06/13
経口 JAK阻害薬による円形脱毛症の治療
FDA Approves Lilly and Incyte's OLUMIANT® (baricitinib) As First and Only Systemic Medicine for Adults with Severe Alopecia Areata
リリーとインサイトオルミエント(バリシチニブ)を重度の円形脱毛症の成人に対する最初で唯一の全身性治療薬としてFDAが承認した。
ファイザーも円形脱毛症の治療薬として新規の JAK阻害薬リトレシチニブ(ritlecitinib)をP3段階で開発中である。
2022/06/07
6ヶ月から 5歳の乳幼児のアトピー性皮膚炎に対する 抗IL-4/IL-13抗体の投与
06/07, SNY, IL-13, Atopic dermatitis
FDA approves Dupixent® (dupilumab) as first biologic medicine for children aged 6 months to 5 years with moderate-to-severe atopic dermatitis
FDAは中等度から重度のアトピー性皮膚炎を有する 6ヶ月から 5歳の乳幼児を対象とする最初の生物学的製剤としてデュピクセント(デュピルマブ)を承認した。
2022/06/06
麻疹、おたふく風邪、風疹(MMR)に対する予防ワクチン
GSK announces US FDA approval of Priorix for the prevention of measles, mumps and rubella in individuals 12 months of age and older
GSKが開発した「麻疹、おたふく風邪、風疹」(MMR)に対する予防ワクチン「プリオリックス」を生後12ヶ月以上の年齢層を対象としてFDAが承認した。すでに 世界 100か国で承認されている。
2022/06/01
海外製薬産業ニュース(2022年5月)
リリーが開発した世界初のGIP/GLP-1受容体デュアル作動薬マウンジャロ(Mounjaro、チルゼパチド注射剤)を成人の2型糖尿病治療薬としてFDAが承認した。申請用臨床試験SURPASS-2では最大の競合品となるノボノルディスクのGLP-1受容体作動薬セマグルチドを対照薬とし、ベースラインからのHbA1cの低下 2.0%(5mg投与群)~2.3%(15mg投与群)と、セマグルチド(1mg)の1.9%を上回る結果を得た。GLP-1作動薬の2021年売上高は最大製品であるリリーのトルリシティ―が28%(15億ドル)増加して64億ドルとなったものの、ノボノルディスクのセマグルチド製品が注射剤オゼンピック(44億ドル)とサキセンダ(抗肥満、9億ドル)の合計で53億ドル、さらに経口剤のライベルサス(37億ドル)を加えると90億ドルを超えてトルリシティ―を大きく上回る状況となった。リリーは今回承認された GIP/GLP-1デュアル受容体アゴニストでセマグルチド製品群に対抗することになる。一方で、ノボノルディスクは本年3月にHbA1cの減少幅 2.1%を実現したオゼンピック 2mg(倍量)製剤のFDA承認を取得、また経口剤ライベルサスは昨年の増加率が100%(倍増)と急成長しており、リリーにとっては厳しい競合となりそうだ。5月の初回承認は他にも欧州で 1品目あり、合計2品目であった。サノフィのASMD(酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症)に対する初めての治療法となるゼンポザイム(オリプダーゼアルファ)の承認を欧州委員会CHMPが推奨した。
追加承認(5件)ではアストラゼネカと第一三共が提携するHER2標的ADC抗体薬エンハーツのHER2陽性転移性乳がん患者に対する二次治療のFDA承認が注目される。2019年の初回承認は2回以上の抗HER2療法を経た転移性乳がん患者に対する三次療法だった。その後、2021年に胃がん効能追加が承認された。本年4月には肺がんの追加申請、さらにHER2低発現の乳がん患者への適応拡大が控えている。ノバルティスのCAR-T細胞療法キムリアは 3番目の適応症として再発性または難治性の濾胞性リンパ腫の成人患者に対する治療が承認された。ブリストルマイヤーズ・スクイブのPD-1阻害薬オプジーボは二つのレジメン(化学療法剤またはCTLA-4阻害薬ヤーボイとの併用)で切除不能な進行性または転移性食道扁平上皮がんの第一選択治療が承認された。サノフィの抗IL-4/13受容体抗体デュピクセントの好酸球性食道炎が承認された。ロシュの脊髄性筋萎縮症(SMA)治療薬Evrysdiの2ヶ月未満乳児への使用が承認された。
その他の薬事では新薬の初回承認申請が2件あり、エーザイは昨年9月に開始していた抗 Aβプロトフィブリル抗体の早期アルツハイマー症治療薬レカネマブのローリング申請が完了したと発表。もう1件の初回申請はアッヴィの進行性パーキンソン病治療薬で持続性の皮下投与を特徴とするレボドパとカルビドパの合剤 ABBV-951である。追加承認の申請2件はいずれも抗がん剤である。アストラゼネカがPD-1阻害薬イムフィンジと化学療法剤の併用による胆道がん患者の治療、バイエルが前立腺がん治療薬ダロルタミド(販売名:ニュベクオ)とドセタキセルの併用による転移性ホルモン感受性の患者への適応拡大を申請した。現在のダロルタミド適応症はホルモン非感受性(去勢手術不適応)の患者に限定されている。
申請用臨床試験では抗IL-23抗体、S1P受容体作動薬、さらにJAK阻害薬がいずれも潰瘍性大腸炎を標的効能として最終段階の好成績を発表している。リリーは抗IL-23抗体ミリキズマブが申請用第3相試験において患者の50%が1年で臨床的寛解を達成、ファイザーは S1P作動薬エトラシモドが52週間の投与で臨床的寛解率32%を達成しクラス最高のプロファイルを実証したと発表した。アッヴィのJAK阻害薬リンボックはすでに3月に米国で承認されているが欧州承認にむけてす既発表の臨床成績をまとめてランセット誌に掲載した。これまでに、抗TNFα抗体のレミケード(2005年)とヒュミラ(2012年)、抗インテグリン抗体エンティビオ(2014年)、JAK阻害薬ゼルヤンツ(2018年)、抗IL-23抗体ステラーラ(2019年)、S1P受容体作動薬ゼポシア(2021年)が潰瘍性大腸炎の適応症を取得している。
経営事項およびビジネス案件ではファイザーが経口CGRP阻害薬の片頭痛治療薬の開発に成功したバイオヘイブンを一時金116億ドル(ほぼ1兆5000億円)、グラクソが次世代肺炎球菌ワクチンに取り組むバイオテク企業を33億ドル、という企業買収を発表した。ジョンソンエンドジョンソンは大衆薬事業の分離に向けて設立する専業子会社のCEOとCFOを任命した。リリーは本拠地のインディアナ州で21億ドルを投じて新しい製造拠点を建設する計画を発表した。
2022/05/28
CAR-T細胞療法による濾胞性リンパ腫の治療
CAR-T細胞療法キムリア® (ノバルティス)の3番目の適応症として、再発性または難治性の濾胞性リンパ腫の成人患者に対する治療をFDAが承認した。
FDA、キムリアの2 レジメン以上の前治療歴のある再発性/難治性濾胞性リンパ腫を承認
2022/05/05
FDA、抗HER2 剤治療歴の有るHER2 陽性転移性乳癌に対するエンハーツの効能追加承認
本申請は、エンハーツが以前にトラスツズマブ とタキサンの治療を受けたHER2 陽性の切除不能および/または転移性乳癌患者に対して、トラスツズマブエムタンシン (T-DM1)と比較して病勢進行または死亡のリスクを72%減少させることを示したピボタル第3 相DESTINY-Breast03 試験のポジティブな結果に基づいている [ ハザード比(HR)=0.28; 95%CI:0.22-0.37; p <0.0001]。盲検下独立中央レビュー(BICR)によって評価された無増悪生存期間(PFS)の中央値は、T-DM1 の6.8 カ月(95%CI:5.6-8.2)に対して、ENHERTU 群は未達であった(95%CI:18.5-NE)。第3 相DESTINY-Breast03 試験の追加解析結果は、確定診断された奏効率(ORR)がT-DM1 群の36.1%( n = 87; 95%CI:30.0-42.5)に対して、ENHERTU 群は82.7% (n = 205; 95%CI:77.4-87.2)と2 倍以上であることを示した。
HER-2標的抗体薬物複合体(ADC)による乳がん治療
05/05, AZN, HER-2, ADC, Breast cancer
Enhertu approved in the US for patients with HER2-positive metastatic breast cancer treated with a prior anti-HER2-based regimen抗HER2治療薬をベースとするレジメンで治療されたHER2陽性転移性乳がん患者に対するエンハーツによる二次治療が米国で承認された。2019年の初回承認は2回以上の抗HER2療法を経た転移性乳がん患者に対する三次療法だった。その後、2021年に胃がん効能追加が承認された。本年4月には肺がんの追加申請、さらにHER2低発現の乳がん患者への適応拡大が控えている。