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2023/02/03

抗Trop-2 ADC TRODELVY のHR 陽性/HER2 陰性転移性乳癌に対する2 次療法をFDAが承認

FDA が、転移状態で内分泌ベースの治療と少なくとも 2 レジメンの追加の全身療法を受けた、切除不能局所進行性または転移性ホルモン受容体 (HR) 陽性で、ヒト上皮成長因子受容体 2 (HER2) 陰性 (IHC 0、IHC 1+又はIHC 2+ /ISH–)乳癌の成人患者の治療に、Gilead Sciences, Inc. (ギリアド)の抗Trop-2 ADC TRODELVY® (sacituzumab govitecan-hziy)を承認した。TRODELVY は現在、癌の臨床診療ガイドライン (NCCN Guidelines®)により、転移性 HR+/HER2- 乳癌の優先治療であるカテゴリー 1 で推奨されている。
今回の承認審査は、Project Orbis の下で優先審査により承認された。欧州医薬品庁(EMA)はまた、HR+ / HER2- 転移性乳癌におけるTRODELVY のType II 変更申請を検証し、中央審査方式による審査を開始する。
承認の根拠となったのは、第3 相TROPiCS-02 試験(NCT03901339)の結果である。統計的に有意で臨床的に意味のある無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)の延長が認められた。

2023/02/02

テゼスパイアの新たな充填済みペンによる自己投与をFDAが承認

FDA は、アムジェンとアストラゼネカのテゼスパイア(一般名:テゼペルマブ)を、12 歳以上の患者向けに充填済みの使い捨てペンによる自己投与として承認した。2021 年12月 FDA が初回承認したテゼスパイアは、表現型(好酸球性、又はアレルギー性等)や承認ラベルにバイオマーカーに制限の無い重症喘息に対して承認された唯一の生物薬品である。
今回の承認は、第1 相PATH-BRIDGE試験、および第3相PATH-HOME試験結果を含むPATHFINDER臨床試験プログラムの結果に基づいている。医療提供者、患者、および介護者の大部分(92%)は、PATH-HOME 試験を通じて、診療施設と自宅の両方でテゼスパイアを投与することができた。PATH-HOME 試験で観察された テゼスパイアの喘息の制御と安全性プロファイルの改善は、これまでの臨床試験結果と一致していた。テゼスパイア自己投与とテゼスパイア 充填済みペン は、EU でも承認されており、世界中の他のいくつかの国で規制当局の審査を受けている。

2023/01/26

EC からエンハーツのHER2 低発現乳癌に係る一部変更承認取得

第一三共の抗HER2 抗体薬物複合体(ADC)であるエンハーツ (一般名:トラスツズマブデルクステカン)について、欧州連合(EU)における「転移再発で化学療法を受けた(周術期化学療法による治療期間中または終了後6 カ月以内に再発した場合を含む)HER2 低発現の手術不能または転移性乳癌」を効能として、一部変更承認を取得した。
2022 年6 月開催の米国臨床腫瘍学会(ASCO 2022)で発表され、化学療法による前治療を受けたHER2 低発現の乳癌患者を対象にしたグローバル第3 相DESTINY-Breast04 試験結果に基づいて、欧州委員会(EC)より承認された。本剤は、欧州において、HER2 低発現の乳癌を対象に承認された初めての抗HER2 療法である。 本試験の主要評価項目のホルモン受容体陽性(HR)のHER2 低発現乳癌患者における無増悪生存期間(PFS)は、選択薬群と比較して、病勢進行又は死亡リスクを49%低下させ、中央値は選択薬群(n=163)の5.4 カ月に対し、本剤群(n=331)は10.1 カ月であった。重要副次評価項目のHR 陽性HER2 低発現乳癌患者の全生存期間(OS)は、本剤群が死亡リスクを36%低下させ、中央値は選択薬群の17.5 カ月に対し、本剤群では23.9 カ月であった。奏効率(ORR)は、選択薬群の16.3%に対し、本剤群は52.6%であった

2023/01/19

FDA、治療歴のあるRAS 野生型/HER2 陽性転移性結腸直腸癌の治療にTUKYSA 加速承認

FDA が、RAS 野生型HER2 陽性切除不能または転移性の、ㇷルオロピリミジン+オキサリプラチン+イリノテカン、ベースの化学療法による治療後に病勢が進行した結腸直腸癌の成人患者に対して、Seagen Inc. (Seagen)のTUKYSA® (一般名:tucatinib)とトラスツズマブ の併用療法を加速承認した。
TUKYSA錠は、HER2 タンパク質のtyrosine kinase 阻害剤の経口薬である。MOUNTAINEER 試験では、TUKYSA とトラスツズマブの併用療法を受けた、年齢の中央値が55.0 歳(範囲: 24~77 歳)の患者(N=84)において、盲検下独立中央審査(BICR)により、38%の奏効率(ORR)(95%CI: 28, 49)を示した。完全奏効(CR)は患者の3.6% (n=3)に観察され、部分奏効(PR)は患者の35% (n=29)に観察された。 BICR 評価の奏効期間(DOR)の中央値は 12.4 カ月(95% CI: 8.5, 20.5)であった。試験登録時に、これらの患者の64%と70%にそれぞれ肝臓または肺への転移が認められていた。TUKYSA の処方情報には、下痢、肝毒性、胚・胎児毒性に関する警告と注意事項が含まれており、その中には重症または致命的なものもある。

2022/09/21

腫瘍の種類を問わず RET 遺伝子融合を有する固形がんの治療

2022/09/21 LLY, RET, Tumor-agnostic

FDA Approves Lilly's Retevmo® (selpercatinib), the First and Only RET Inhibitor for Adults with Advanced or Metastatic Solid Tumors with a RET Gene Fusion, Regardless of Type

FDAは、リリーのRETキナーゼ阻害薬セルペルカチニブ(販売名:レットヴィモ、Retevmo® )に対して、「腫瘍の種類を問わず RET 遺伝子融合を有する固形がん」を追加効能として承認した。

2022/08/16

エンハーツ, HER2 低発現転移性乳癌患者に対する初の抗HER2 療法としてFDA から承認

第一三共とアストラゼネカのエンハーツ (一般名:トラスツズマブデルクステカン)が、転移性病状で以前に化学療法の治療を受けたか、アジュバント 療法中または完了後 6 カ月以内に疾患の再発を発症した、切除不能または転移性の HER2 低発現(IHC 1+または IHC 2+/ISH-) 乳癌の治療法として承認された。本承認により、第一三共はアストラゼネカ より開発のマイルストンとして2 億US$を受領する。
承認は、最近のエンハーツ に対して優先審査およびBreakthrough Therapy指定を受け、審査にあたってFDA のReal-Time Oncology Review(RTOR)の下で認可された。承認書によればsBLA 受理が5 月26 日、承認は8 月5 日で、優先審査指定が7 月25 日と思われる。
第3 相DESTINY-Breast 04 試験において、無増悪生存期間(PFS)の中央値は、化学療法群 5.4 カ月(95% CI: 4.4-7.1)、エンハーツ 群10.1 カ月(95% CI:9.5-11.5)であった。

2022/07/01

海外製薬産業ニュース(2022年6月)

 初回承認2件のうち1件は乳幼児向け肺炎球菌ワクチン、もう1件は欧州委員会によるロシュのCD20xCD3二重特異性抗体の承認であり、FDAによる新薬承認はなかった。メルクが開発した乳幼児の侵襲性肺炎球菌感染症予防ワクチン VAXNEUVANCEは肺炎球菌15価コンジュゲートワクチンで従来のか13価ワクチンを上回る有効性が期待される。ロシュの二重特異性抗体 ランスミオ(Lunsmio、一般名モスネツズマブ)は初回承認から市場が大きい濾胞性リンパ腫が適応症となった。米国では7月上旬にFDAが優先審査として申請を受理しており、承認適応症が注目される。

 追加承認5件のうち3件は自己免疫疾患であり、アッヴィのIL-23抗体スキリージのクローン病、リリーのJAK阻害薬オルミエントの円形脱毛症、サノフィのIL-13抗体デュピクセントの6カ月から5歳の乳幼児への適応が承認された。他にはグラクソがすでに100か国で販売しているMMRワクチンを米国FDAが承認、抗がん剤の承認は1件だけであった。ブリストルマイヤーズ・スクイブのCAR-T細胞療法ブレヤンジは昨年2月に大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)の3次治療を適応症として承認されていたが、2次治療が追加承認された。

 申請用臨床試験では6月初めに米国臨床がん学会(ASCO)が開催されたこともあり、抗がん剤 12件を中心に全体としては 21件のアップデートが発表された。抗がん剤ではヤンセンのエルダフィチニブがFGFR変異陽性の固形がんを対象としたP2試験で腫瘍横断的な有効性を報告した。 第一三共とアストラゼネカが提携する抗 HER2抗体薬物複合体エンハーツが HER2 低発現の乳がん患者を対象とした好成績を示し、HER2変異の程度にかかわらず広く一次治療として承認される可能性が見えてきた。

 COVID-19関連ではファイザーがビオンテックと共同するmRNAワクチンの緊急使用許可が拡大され、 6か月から 4歳の乳幼児も対象となった。サノフィ・GSK連合は次世代のアジュバント化ワクチンによるブースター接種がオミクロンを含む変異種に広く有効とするデータを発表した。

2022/06/24

CAR-T細胞療法による大細胞型B細胞リンパ腫の二次治療

 06/24, BMY , CAR-T , LBCL

U.S. FDA Approves Bristol Myers Squibb’s CAR T Cell Therapy Breyanzi® for Relapsed or Refractory Large B-cell Lymphoma After One Prior Therapy

 ブリストル・マイヤーズスクイブのCAR T細胞療法 Breyanziによる再発性または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫に対する二次療法を米国FDAが承認。昨年(2021年)2月の初回承認は三次療法以降の適応だった。

 ブレヤンジ(Breyanzi)はこれまでに播種性(Diffuse)の大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)で承認されているイエスカルタ(2017年)、キムリア(2018年)といったCAR-T療法と同じくCD-19を標的としているが、今回の承認により、CAR-T療法として最も幅広いLBCL効能となった。

2022/06/22

FDA, BRAF V600E 変異+切除不能/転移性固形癌のダブラフェニブ+トラメチニブ併用療法を承認

FDA は、前の治療後に病勢が進行し、満足のいく代替治療の選択肢の無い、進行BRAF V600E 変異陽性の切除不能または転移性固形癌を有する、6 歳以上の小児および成人の患者の癌種横断的治療法(agnostic)として、ノバルティスが申請したトラメチニブ (メキニスト)とタブラフェニブ (タフィンラー)の併用療法のそれぞれのsNDA に対して、加速承認で認可した。トラメチニブ と併用したタブラフェニブは、BRAF 阻害に固有の耐性があることから、結腸直腸癌の患者には適応されない。また、タブラフェニブは、野生型BRAF 固形癌患者には適応されない。
BRF117019 試験とNCI-MATCH 試験では、131 人の成人患者について、合計54 人(41%、95%CI:33, 50)がORR を経験した。この試験では、高悪性度神経膠腫 と低悪性度神経膠腫のさまざまなサブタイプを含む24 の腫瘍タイプの患者が登録された。最も代表的な腫瘍タイプの中で、ORR は、胆管癌で46%(95%CI:31, 61)、高悪性度神経膠腫で33%(95%CI:20, 48)、低悪性度神経膠腫の場合50%(95%CI :23, 77)であった。

2022/06/17

特異的インターロイキン-23(IL-23)抗体による活動性クローン病の治療

 06/17, ABBV, IL-23, IBD

SKYRIZI® (risankizumab-rzaa) Receives FDA Approval as the First and Only Specific Interleukin-23 (IL-23) to Treat Moderately to Severely Active Crohn's Disease in Adults

スキリージ®(リサンキズマブ)は特異的インターロイキン-23(IL-23)抗体として初めて、成人の中等度から重度の活動性クローン病に関する適応症でのFDA承認を取得した。

2022/06/13

経口 JAK阻害薬による円形脱毛症の治療

 06/13, LLY, JAK, Alopecia

FDA Approves Lilly and Incyte's OLUMIANT® (baricitinib) As First and Only Systemic Medicine for Adults with Severe Alopecia Areata

リリーとインサイトオルミエント(バリシチニブ)を重度の円形脱毛症の成人に対する最初で唯一の全身性治療薬としてFDAが承認した。

ファイザーも円形脱毛症の治療薬として新規の JAK阻害薬リトレシチニブ(ritlecitinib)をP3段階で開発中である。

2022/06/07

6ヶ月から 5歳の乳幼児のアトピー性皮膚炎に対する 抗IL-4/IL-13抗体の投与

 06/07, SNY, IL-13, Atopic dermatitis

FDA approves Dupixent® (dupilumab) as first biologic medicine for children aged 6 months to 5 years with moderate-to-severe atopic dermatitis

FDAは中等度から重度のアトピー性皮膚炎を有する 6ヶ月から 5歳の乳幼児を対象とする最初の生物学的製剤としてデュピクセント(デュピルマブ)を承認した。

2022/06/06

麻疹、おたふく風邪、風疹(MMR)に対する予防ワクチン

 06/06, GSK, Vaccine

GSK announces US FDA approval of Priorix for the prevention of measles, mumps and rubella in individuals 12 months of age and older

GSKが開発した「麻疹、おたふく風邪、風疹」(MMR)に対する予防ワクチン「プリオリックス」を生後12ヶ月以上の年齢層を対象としてFDAが承認した。すでに 世界 100か国で承認されている。

2022/06/01

海外製薬産業ニュース(2022年5月)

  リリーが開発した世界初のGIP/GLP-1受容体デュアル作動薬マウンジャロ(Mounjaro、チルゼパチド注射剤)を成人の2型糖尿病治療薬としてFDAが承認した。申請用臨床試験SURPASS-2では最大の競合品となるノボノルディスクのGLP-1受容体作動薬セマグルチドを対照薬とし、ベースラインからのHbA1cの低下 2.0%(5mg投与群)~2.3%(15mg投与群)と、セマグルチド(1mg)の1.9%を上回る結果を得た。GLP-1作動薬の2021年売上高は最大製品であるリリーのトルリシティ―が28%(15億ドル)増加して64億ドルとなったものの、ノボノルディスクのセマグルチド製品が注射剤オゼンピック(44億ドル)とサキセンダ(抗肥満、9億ドル)の合計で53億ドル、さらに経口剤のライベルサス(37億ドル)を加えると90億ドルを超えてトルリシティ―を大きく上回る状況となった。リリーは今回承認された GIP/GLP-1デュアル受容体アゴニストでセマグルチド製品群に対抗することになる。一方で、ノボノルディスクは本年3月にHbA1cの減少幅 2.1%を実現したオゼンピック 2mg(倍量)製剤のFDA承認を取得、また経口剤ライベルサスは昨年の増加率が100%(倍増)と急成長しており、リリーにとっては厳しい競合となりそうだ。5月の初回承認は他にも欧州で 1品目あり、合計2品目であった。サノフィのASMD(酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症)に対する初めての治療法となるゼンポザイム(オリプダーゼアルファ)の承認を欧州委員会CHMPが推奨した。

 追加承認(5件)ではアストラゼネカと第一三共が提携するHER2標的ADC抗体薬エンハーツのHER2陽性転移性乳がん患者に対する二次治療のFDA承認が注目される。2019年の初回承認は2回以上の抗HER2療法を経た転移性乳がん患者に対する三次療法だった。その後、2021年に胃がん効能追加が承認された。本年4月には肺がんの追加申請、さらにHER2低発現の乳がん患者への適応拡大が控えている。ノバルティスのCAR-T細胞療法キムリアは 3番目の適応症として再発性または難治性の濾胞性リンパ腫の成人患者に対する治療が承認された。ブリストルマイヤーズ・スクイブのPD-1阻害薬オプジーボは二つのレジメン(化学療法剤またはCTLA-4阻害薬ヤーボイとの併用)で切除不能な進行性または転移性食道扁平上皮がんの第一選択治療が承認された。サノフィの抗IL-4/13受容体抗体デュピクセントの好酸球性食道炎が承認された。ロシュの脊髄性筋萎縮症(SMA)治療薬Evrysdiの2ヶ月未満乳児への使用が承認された。

 その他の薬事では新薬の初回承認申請が2件あり、エーザイは昨年9月に開始していた抗 Aβプロトフィブリル抗体の早期アルツハイマー症治療薬レカネマブのローリング申請が完了したと発表。もう1件の初回申請はアッヴィの進行性パーキンソン病治療薬で持続性の皮下投与を特徴とするレボドパとカルビドパの合剤 ABBV-951である。追加承認の申請2件はいずれも抗がん剤である。アストラゼネカがPD-1阻害薬イムフィンジと化学療法剤の併用による胆道がん患者の治療、バイエルが前立腺がん治療薬ダロルタミド(販売名:ニュベクオ)とドセタキセルの併用による転移性ホルモン感受性の患者への適応拡大を申請した。現在のダロルタミド適応症はホルモン非感受性(去勢手術不適応)の患者に限定されている。

 申請用臨床試験では抗IL-23抗体、S1P受容体作動薬、さらにJAK阻害薬がいずれも潰瘍性大腸炎を標的効能として最終段階の好成績を発表している。リリーは抗IL-23抗体ミリキズマブが申請用第3相試験において患者の50%が1年で臨床的寛解を達成、ファイザーは S1P作動薬エトラシモドが52週間の投与で臨床的寛解率32%を達成しクラス最高のプロファイルを実証したと発表した。アッヴィのJAK阻害薬リンボックはすでに3月に米国で承認されているが欧州承認にむけてす既発表の臨床成績をまとめてランセット誌に掲載した。これまでに、抗TNFα抗体のレミケード(2005年)とヒュミラ(2012年)、抗インテグリン抗体エンティビオ(2014年)、JAK阻害薬ゼルヤンツ(2018年)、抗IL-23抗体ステラーラ(2019年)、S1P受容体作動薬ゼポシア(2021年)が潰瘍性大腸炎の適応症を取得している。

 経営事項およびビジネス案件ではファイザーが経口CGRP阻害薬の片頭痛治療薬の開発に成功したバイオヘイブンを一時金116億ドル(ほぼ1兆5000億円)、グラクソが次世代肺炎球菌ワクチンに取り組むバイオテク企業を33億ドル、という企業買収を発表した。ジョンソンエンドジョンソンは大衆薬事業の分離に向けて設立する専業子会社のCEOとCFOを任命した。リリーは本拠地のインディアナ州で21億ドルを投じて新しい製造拠点を建設する計画を発表した。

2022/05/28

CAR-T細胞療法による濾胞性リンパ腫の治療

 05/28NVSCAR-TFL

FDA approves Novartis Kymriah® CAR-T cell therapy for adult patients with relapsed or refractory follicular lymphoma

CAR-T細胞療法キムリア® (ノバルティス)の3番目の適応症として、再発性または難治性の濾胞性リンパ腫の成人患者に対する治療をFDAが承認した。

(参考)カイムリアは2017年8月に世界初のCAR-T細胞療法としてB細胞型急性リンパ性白血病(ALL)の25歳以下の成人および小児に対する治療が承認された。その後、2番目の適応症となる播種性大B細胞2018年5月に大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)が承認されていた。競合するカイト(現、ギリアド)のイエスカルタはカイムリアの承認から3か月遅れて2017年10月にDLBCLを初回効能として承認され、2021年3月に濾胞性リンパ腫(FL)の追加承認を取得している。カイムリアが初回効能とした急性リンパ性白血病(ALL)を含めて白血病に対する適応症は取得していない。しかしながら、2021年売上高はノバルティスのカイムリアが24%増 6億ドルにとどまっているのに対し、ギリアドはイエスカルタが23%増7億ドルと上回り、さらに2020年に承認されたテカルタスが 2億ドル近くに達している。

FDA、キムリアの2 レジメン以上の前治療歴のある再発性/難治性濾胞性リンパ腫を承認

FDA が、2 レジメンあるいはそれ以上の全身療法後の再発又は難治性(r/r)濾胞性リンパ腫(FL)の成人患者の治療に関して、ノバルティスのキムリア(一般名:チサゲンレクルユーセル)を加速承認の下で認可した。加速承認プログラムに従って、この適応症の承認を継続させるには、確認試験において臨床的ベネフィットの検証と説明を承認条件としている。承認申請は、 追跡期間の中央値約17 カ月の時点において、90 人の患者を対象に有効性を評価した、単一群、非盲検、第2 相ELARA 試験のデータに基づいている。キムリアで治療された患者の86%が寛解を経験し、うち68%が完全寛解を達成した。治療における長期にわたる寛解の持続は、最初の寛解から12 カ月後も完全寛解の持続を達成した患者が推定85%存在していたことからも実証された。キムリア は、重度の前治療を受けた患者や難治性疾患、POD24(24 カ月以内に病勢進行)を経験する濾胞性リンパ腫(FL)患者、巨大な癌病変、濾胞性リンパ腫国際予後指数(FLIPI)スコアの高い患者など、リスクの高い患者に有効であることが示された。

2022/05/05

FDA、抗HER2 剤治療歴の有るHER2 陽性転移性乳癌に対するエンハーツの効能追加承認

第一三共とアストラゼネカ が共同開発中のHER2 に対する抗体薬物複合体(ADC)のエンハーツ (一般名:トラスツズマブ デルクステカン)について、転移状態にあるか、あるいはネオアジュバント 療法中か、あるいはアジュバント療法および化学療法中、または治療完了後6 カ月以内に再発したいずれかで、以前に抗HER2 ベースのレジメンを受けた、切除不能または転移性HER2 陽性乳癌の成人患者の治療法としてFDA から承認された。今回の承認で第一三共はアストラゼネカから開発マイルストン支払いの1 億$を受領する。
本申請は、エンハーツが以前にトラスツズマブ とタキサンの治療を受けたHER2 陽性の切除不能および/または転移性乳癌患者に対して、トラスツズマブエムタンシン (T-DM1)と比較して病勢進行または死亡のリスクを72%減少させることを示したピボタル第3 相DESTINY-Breast03 試験のポジティブな結果に基づいている [ ハザード比(HR)=0.28; 95%CI:0.22-0.37; p <0.0001]。盲検下独立中央レビュー(BICR)によって評価された無増悪生存期間(PFS)の中央値は、T-DM1 の6.8 カ月(95%CI:5.6-8.2)に対して、ENHERTU 群は未達であった(95%CI:18.5-NE)。第3 相DESTINY-Breast03 試験の追加解析結果は、確定診断された奏効率(ORR)がT-DM1 群の36.1%( n = 87; 95%CI:30.0-42.5)に対して、ENHERTU 群は82.7% (n = 205; 95%CI:77.4-87.2)と2 倍以上であることを示した。

HER-2標的抗体薬物複合体(ADC)による乳がん治療

 05/05AZNHER-2ADCBreast cancer

Enhertu approved in the US for patients with HER2-positive metastatic breast cancer treated with a prior anti-HER2-based regimen

抗HER2治療薬をベースとするレジメンで治療されたHER2陽性転移性乳がん患者に対するエンハーツによる二次治療が米国で承認された。2019年の初回承認は2回以上の抗HER2療法を経た転移性乳がん患者に対する三次療法だった。その後、2021年に胃がん効能追加が承認された。本年4月には肺がんの追加申請、さらにHER2低発現の乳がん患者への適応拡大が控えている。

2022/05/01

海外製薬産業ニュース:2022年4月

 初回承認された新薬4件の適応症は心筋症、片頭痛、濾胞性リンパ腫と過成長スペクトル、さらに追加承認3件も強直性脊椎炎、重症筋無力症と大型B細胞リンパ腫と多岐にわたった。疾患領域としてもオンコロジー 2件、希少病 2件のほか、自己免疫、循環代謝、中枢神経系と様々だった。心筋症はファイザーのビンダケルがトランスサイレチン心筋症で20億ドルを超えており、ブリストルマイヤーズ・スクイブのマバカムテンが取得した肥大型心筋症にはこれを上回る市場性が期待される。
 経口CGRP阻害薬の片頭痛治療薬はすでにアッヴィのQULIPTAが承認されているが、ファイザーによると急性治療と予防効能が同時に承認されるのは初めてとなる。抗CGRP抗体Aimovig(アムジェン/ノバルティス)とEmagality(リリー)の2021年売上高は 6億ドル前後で低迷している。経口剤の登場が市場を拡大すると期待される。
 新規の濾胞性リンパ腫治療薬として承認されたロシュのモスネツズマブは抗CD20抗体リツキサンの後継品となるがCD3も標的とする二重特異性抗体である。ロシュにとっては不発に終わったADCC活性のガザイバ(2021年4億ドル)に代わるライフサイクルマネジメントとして期待が大きい。ノバルティスの過成長スペクトル(PROS)治療薬ビジョイスは乳がん治療薬ピクレイ(PI3K阻害薬)と同成分のアルペリシブを新規の新薬として開発した。

 追加承認ではアッヴィのJAK阻害薬リンボックが前月に承認された潰瘍性大腸炎に続いて5番目となる強直性脊椎炎の適応症を取得した。発売3年目(2021年)に17億ドルに達した売上高はファイザーが25億ドルを売上げるゼルヤンツを大きく上回ると予想される。申請段階では、日本を含め各国で承認されているGSKの低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(HIF-PHI)阻害薬ダプロデュスタットの米国申請、第一三共とアストラゼネカが共同開発するHER2標的ADC薬エンハーツの非小細胞肺がん効能追加が注目される。エンハーツは2019年に乳がん、2021年に胃がん(いずれもHER2陽性)に承認されている。

最終臨床段階では糖尿病市場で競合するノボノルディスクとリリーが異なるアプローチの新規治療薬で最終臨床段階に達している。ノボの週1回投与インスリン・アイコデックは第 3a 相試験 において一日一回投与のランタスよりも優れたHbA1c 減少を示した。GIP/GLP-1デュアル受容体作動薬としてリリーが開発中のチルゼパチドは肥満症成人を対象とした臨床試験において最大22.5%の体重減少を確認した。

その他の研究開発では先述したロシュのモスネツズマブと同様のCD3xCD20二重特異抗体を開発中のアッヴィが大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)患者を対象とした第1/2相試験で全奏効率(ORR)63%、奏功期間(DOR)中央値12か月との結果を発表した。アストラゼネカの核酸医薬AZD8233はP2b段階で高リスクの高コレステロール血症患者のLDLコレステロール値を73%低下させた。バイエルのファクターXIa(eleven a)阻害薬アサンデキシアンの心房細動における第2b相試験の安全性データを発表した。骨髄異形成症候群(MDS)と急性リンパ性白血病(AML)を対象とするギリアドの抗CD47抗体マグロリマブに対するFDAの臨床試験保留措置(Clinical Hold)が解除された。アッヴィの新規 BCL-2阻害薬ナビトクラクスは第2相試験で良好な抗線維症活性を示した。アムジェンのKRAS阻害薬ルマケラス(ソトラシブ)はKRAS g12c変異を有する進行性非小細胞肺がん患者において 2年全生存率 32.5%を達成した。リリーはRET阻害薬レテブモ(セルペルカチニブ)の進行性 RET融合陽性非小細胞肺がん(NSCLC)におけるに関する最新データを2欧州肺がん会議で発表した。

ビジネス案件および経営事項:ファイザーはライム病ワクチン候補 VLA15 の第2相小児データ、RSウイルス治療薬を開発中のリバイラルの買収統合、およびALK陽性進行肺がん第一選択治療でローブレナが無増悪生存期間を延長した3年間追跡データを発表した。ノバルティスは成長加速、またパイプライン強化、生産性向上を目的とする組織改革、およびノースカロライナ州でのゾルゲンスマ製造能力拡大を発表した。アストラゼネカはマサチューセッツ州ケンブリッジに戦略的研究開発センターとアレキシオン本社を建設する計画、抗体医薬エブシェルの 6カ月以上にわたる症候性COVID-19予防効果を発表した。バイエルはオンコロジー戦略事業部の開発部門トップに、米国メルクとGSKでオンコロジー開発リーダーを務めたフランクル女史を任命した。GSKは臨床段階のバイオベンチャー企業シエラ・オンコロジーを19億ドルで買収する契約を発表した。ギリアドのCAR-T細胞療法専門企業カイトの最新製造施設をFDAが承認した。バイオジェンは合弁企業の持ち分をサムスンに売却してバイオシミラーから撤退する。ベーリンガーインゲルハイムは馬のステム細胞療法を商業化した。

2022/04/30

SGLT-2阻害薬による慢性腎不全の治療

 04/30, AZN, SGLT-2, CKD

Farxiga approved in the US for the treatment of chronic kidney disease in patients at risk of progression with and without type-2 diabetes
ファシーガは糖尿病の有無にかかわらず悪化リスクがある慢性腎不全患者に対する治療薬として承認された。