2021/04/12

ロシュの皮下注抗体カクテル療法が第3 相予防試験で症候性COVID-19 感染リスク81%減少

 4 月12 日、Roche は、SARS-CoV-2 感染者の家庭内接触者のCOVID-19 の感染リスクと疾患の負担を軽減するために、臨床開発中の抗体カクテル療法casirivimab+imdevimab の治療効果を評価する第3 相REGN-COV2069 試験における肯定的な結果を確認したと発表した。

1. 発表概要:

国立衛生研究所(NIH)傘下の国立アレルギー感染症研究所(NIAID)と共同で実施されたこの臨床試験は、主要評価項目および重要な副次評価項目をそれぞれ達成した。asirivimab+mdevimab の皮下注投与により、試験への参加時に感染していなかった人の症候性感染のリスクが81%減少したことが示された。さらに、また症候性感染症に罹患し、casirivimab+imdevimab で治療された個人は、placebo 投与での3 週間に比較して、平均して1 週間以内に症状が解消した。新規、または重大な安全シグナルは観察されなかった。

2. 第3 相臨床試験: 

二重盲検、placebo 対照試験で、SARS-CoV-2 抗体またはCOVID-19症状のない個人で、過去4 日以内にSARS-CoV-2 に陽性と判定された個人と同じ世帯に居住する個人に対するcasirivimab+imdevimab の効果を評価した臨床試験である。本試験には、ベースラインでSARS-CoV-2 に未感染で、皮下注射によりimdevimab(1,200 mg)を含むcasirivimab、またはplacebo のいずれかを1 回投与された1,505 人が登録された。さらに、マルチパート試験では、casirivimab+imdevimab の1 回投与(1,200 mg の皮下投与)、またはplacebo のいずれかを投与されるように無作為化された、最近感染した無症候性患者204 人のコホートで抗体カクテル療法を評価した。このコホートでは、casirivimab+imdevimabにより、治療効果として症候性COVID-19 に進展する総合的なリスクが31%減少した。

3. 有害事象(AE):

REGEN-COV 群参加者の20%(n = 265 / 1,311)、およびplacebo 参加者の29%(n = 379 / 1,306)に発生し、重篤なAE はREGEN-COV 群参加者の1%(n = 10)、 placebo 群参加者の1%(n = 15)にそれぞれ発現した。29 日間の有効性評価期間中にCOVID-19 により入院または緊急治療室に搬送されたREGEN-COV 群の参加者は0 人、placebo 群参加者で4 人であった。これらは全てグレード1〜2 で、REGEN-COV 群参加者の4%(n = 55)、およびplacebo群参加者の2%(n = 19)に発生した。何れのグループの個人もAE のために試験から離脱せず、試験での死亡(2 例REGEN-COV、2 例 placebo)はCOVID-19 または被験薬に起因するものでは無いと判定された。