2021/08/23

二重特異性抗体bintrafusp alfa(M7824)、胆管癌の第2 相1 次療法、2 次療法に続いて失敗

8 月23 日、Merck KgaA(Merck)はGlaxoSmithKline と共同開発中の癌免疫療法で抗PD-L1×TGF-β二重特異性抗体bintrafusp alfa (M7824)について、局所進行または転移性胆管癌(BTC)患者に対して、gemcitabine+cisplatinとの併用1 次療法を評価する第2 相INTR@PID BTC 055試験について、独立データ監視委員会により実施されたデータの審査で、主要評価項目の全生存期間(OS)の達成の可能性は極めて低いとの結論に基づいて、中止を決定したと発表した。尚、新たな安全性のシグナルは見いだされなかった。保健当局と試験責任医師には今回の決定について通知しており、現在臨床試験でbintrafusp alfa を投与されている患者には試験責任医師から次のステップについて通知される手筈になっている。BTC については、2021 年3 月に2 次療法で失敗していて、5 カ月の間に2 度目の挫折となった。

1. BTC 2L 試験の中止

2021 年3 月16 日、Merck KGaA は、白金製剤ベースの1 次化学療法に失敗、または不耐の局所進行性または転移性BTC 患者を対象に二重特異性抗体bintrafusp alfa (M7824)の単剤療法による2 次療法を評価する第2 相INTR @ PID BTC047 試験の最新解析結果を発表した。159 人の患者を対象にした第2 相臨床試験で、bintrafusp alfa は、9 カ月以上のフォローアップ後、管理可能な安全性プロファイルを示すと共に単剤としての有効性と持続性を示し、独立審査委員会(IRC)により、RECIST1.1 に準拠して確定された奏効率(ORR)は10.1%(95%CI:5.9%〜15.8%)を示した。単剤療法の有効性は観察されたが、しかし、この試験では、2 次療法の設定でBTC 治療薬としての当局への承認申請の提出を可能にするよう事前に規定された閾値を満たしておらず、試験目的の達成に失敗した。


2. Merck KGaA とGlaxoSmithKline との共同開発契約

2019 年2 月5 日、Merck KGaA とGlaxoSmithKline は、Merck KgaA が開発した癌免疫療法で抗PD-L1×TGF-β二重特異性抗体bintrafusp alfa (M7824)について、非小細胞肺癌および胆道癌の試験を含め、進行中または今後開始予定の優先度の高い癌免疫療法の臨床開発試験の提携契約を締結した。Merck KGaA は、3 億€ (2 億6000 万£)の一時金を受領し、今後の開発に関連して肺癌プログラムでは最大5 億€(4 億4000 万£)の潜在的な支払いと、それにプラスすること将来の許認可、商業化から最大29 億€(25 億£)のマイルストン、全体では、最大37 億€(32 億£)の潜在的な取引が、契約条件になっている。(完)

(主な出典:https://www.merckgroup.com/en/news/bintrafusp-alfa-update-23-08-2021.html 他)