2022/05/13

FDA、成人 2 型糖尿病治療薬として最初で唯一GIP/GLP-1 受容体作動薬チルゼパチド承認

イーライリリーの新規の週1 回投与GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)およびGLP-1 (グルカゴン 様 ペプチド-1)受容体作動薬MOUNJARO (一般名:チルゼパチド)について、FDAが成人2 型糖尿病治療における血糖管理の改善に向けた食事及び運動療法の補助療法として 承認をした。チルゼパチド は、膵炎の既往患者を対象にした試験を行っておらず、1 型糖尿病患者への使用は適応外になっている。
FDA が承認した最初で唯一のGIP/GLP-1 受容体作動薬で、インクレチン という元来体内に存在するホルモン のGIP およびGLP-1 の体内受容体を活性化する単一分子である。チルゼパチドには6 用量(2.5、5、7.5、10、12.5、& 15 mg)があり、注射針が予め注入器に装着されているため、患者が注射針を見たり触れたりする必要のない、自動注射器(オートインジェクタ)で提供される予定で、今後数週間以内に米国で発売される。チルゼパチドは、欧州、日本、その他の市場において、2 型糖尿病治療薬として承認審査中である。 今回の承認はSURPASS Program に基づくものである。被験者の平均HbA1c 低下率は、チルゼパチド5 mg で1.8%~2.1%、チルゼパチド 10 mg と15 mg で1.7%~2.4%であった。体重減少に対する適応は取得していないが、全SURPASS 試験で、体重変化の平均は重要な副次評価項目に含まれていた。チルゼパチド 投与患者の体重は、平均で5.4 kg(5 mg 投与群)~11.3 kg(15 mg 投与群)減少した。