2014/05/06

重篤な高トリグリセリド血症の治療薬としてアストラゼネカのEPANOVAをFDAが承認

EPANOVA は中性脂肪(TG、トリグリセリド)のレベルが 500 mg/dL以上の成人の重篤な高トリグリセリド血症治療薬として承認された。主成分は遊離脂肪酸omega-3-carboxylic acidsであり、持田製薬のエパデールとほぼ同じ組成。承認はNME でなく、Type 5 のNew formulation またはNew manufacturer に分類されている。用法用量は食事の有無とは関係なく、1 日最低2 カプセルを服用するが、選択肢として2 グラム(2 カプセル)または4 グラム(4 カプセル)服用する。

中性脂肪(TG)は血中に見出される脂質の1 種で体のエネルギー源として重要である。一方で、トリグリの非常に高レベルの患者(重篤な高トリグリ血症)は血中の脂肪が多すぎて重篤な合併症を発症し易い状況にある。米国では約400 万人が重篤なトリグリ血症に罹患しており、肥満や糖尿病のようなそれに伴う発症数が増加している。EPANOVA は、ドラマティックに患者の服用の負担を増すことなく、症状を効果的に管理できる選択肢を医師に提供できる高純度の遊離脂肪酸である。

PAR コレステロール低下剤クレストールはGalaxy試験と呼ばれた大規模な市販後臨床試験を駆使して市場を拡大し、アストラゼネカの最大製品となった。しかし、2013年売上高(56億ドル)は前年比10%減少して60億ドルを割り込み、グローバル製品ランキングは7位から12位へ低下している。これまで、高脂血症治療薬市場で築き上げてきた優位性をEPANOVAでどこまで維持できるか注目される。