2014/09/10

糖尿病治療薬ランタスに対する初めてのバイオシミラー製品を欧州委員会が承認

持効型インスリン製剤ランタス(Lantus、一般名:インスリン グラルギン)に対する初めてのバイオシミラー製品ABASRIAを欧州委員会(EC)が承認した。インスリン グラルギンは、BOT11回の時効型インスリンと経口薬を組み合わせる)療法を可能にし(➜ サノフィ資料)、外来でのインスリン導入を簡単にした画期的な薬剤である。ランタスの2013年売上高は57億ユーロ(ほぼ8000億円)へと前年比26%増加し、グローバル製品ランキングは6位から5位へと上昇していた(➔ 【業界動向】)。サノフィにとっては医薬品売上の21%を占める最大製品である(➔ 【経営分析】)。

今回承認されたABASRIAは2011年から糖尿病領域でグローバル提携を結んでいる米国のリリーとドイツのベーリンガーインゲルハイムが共同開発した。先行品のランタスと全く同じアミノ酸配列を有し、承認効能も先行品と同様、1型・2型糖尿病の治療である。薬物動態(PK)、薬動力学(PD)試験、1型・2型糖尿病患者を対象としたP3試験によりランタスとの同等性が検証された。20137月に欧州医薬品委員会(EMA)に承認申請を提出、CHMP定例会議(20146月)で承認を勧告されていた。(➜ 会社発表

(参考)
米国ではFDAが仮承認としている。製品名BASAGLARとして20148月にNDA申請されたが、サノフィの特許侵害申し立てにより、30ヵ月の待機が必要とされた。インスリン グラルギン製剤のバイオシミラー製品は他にも、メルク(MSD)/Samsung Bioepis、マイラン/Biocon(インド)、といった企業がアライアンスを組んで開発中。