KEYTRUDA(キートルーダ、一般名ペンブロリズマブ)はMSD(米国メルク)が開発した、完全ヒト型モノクローナル抗体のPD-1阻害剤である。悪性黒色腫の治療薬としてFDAのブレークスルー指定を受け、本年1月よりローリング申請を開始していた(➜ par news)。
抗PD-1抗体はT細胞の細胞死に関与するPD(Programmed Death)-1受容体を遮断して、がん細胞に対する免疫攻撃を回復する。開発段階で現在もっとも注目される免疫療法による抗がん剤である。 ブリストルマイヤーズ・スクイブ(BMS)/小野薬品のグループとメルクがfirst-in-classを競ってきたが米国ではメルク、日本では小野薬品が最初の承認を取得することとなった(➜会社発表)。なお、小野薬品は提携するBMSと協働してメルクに対する特許侵害訴訟を起こしたことが報道されている(➜ウォールストリートジャーナル 9/7/2014)。
キートルーダの承認効能:
切除不能または転移性メラノーマで、イピリミマブ(製品名: YERVOY、BMS)治療後、およびBRAF V600変位陽性の場合はBRAF阻害薬治療後に病勢が進行した症例が対象。2mg/kg(30分かけて点滴静注)を3週間ごとに病勢の進行あるいは副作用の発現まで投与する。
承認条件:
今回の効能は加速承認制度の下で奏効率と奏効期間の評価を基に承認されており、生存率や病状改善などについては引き続き確認試験を実施し、臨床データを取得することが承認条件となっている。