2015/03/15

サノフィの抗PCSK9抗体アリロクマブのODYSSEY LONG TERM試験がNEJM誌に掲載

サノフィとRegeneronが共同開発中の抗PCSK9抗体のアリロクマブalirocumab(商品名:PRALUENT)のODYSSEY LONG TERM試験の結果が3月22日発行のNEJM誌に掲載された(➔ par news)。

ODYSSEY LONG TERM試験は、心血管系イベントリスクの高い高コレステロール血症患者2,341例を対象として、アリロクマブ150mgを2週ごとに投与する群とプラセボ群を18ヵ月間(78週)にわたり比較する試験である。
アリロクマブ群(1,553例)は、プラセボ群(788例)と比較して、主要評価項目である24週時点のLDL-Cを62%低下させ(p<0.0001)、この作用は78週にわたり持続した。78週時点のLDL-Cの低下率は56%であった(p<0.0001)。

心血管系イベントの評価はODYSSEY LONG TERM試験の目的ではないが、主要心血管系イベント(死亡、心筋梗塞、脳卒中、入院を要する不安定狭心症)の発現は、アリロクマブ群1,550例中27例(1.7%)、プラセボ群788例中26例(3.3%)であった(HR:0.52、95%CI:0.31-0.90、p<0.01)。約18,000例を対象としてアリロクマブの循環器弛緩に対する有用性を5年間にわたり評価するODYSSEY OUTCOMES試験が現在、継続して行われている。

(参考)
FDAへの承認申請は今年(2015年)1月26日付で審査期限6ヶ月の優先審査で受理され、PDUFA期限は7月24日となった。「優先審査」は小児の希少病治療薬開発に関してFDAがバイオマリン社に賦与した「バウチャー(証票)」を買い取って権利を得ていた。競合するアムジェンの「エボロクマブ」のFDA申請は昨年8月に提出していたが受理されたのは3カ月後の11月10日だった。通常審査とされ、PDUFA期限は8月27日となっている。