2015/03/15

アムジェンが開発中のコレステロール低下薬(抗PCSK9抗体)REPATHA(evolocumab)が心血管系イベントを抑制

アムジェンが開発中の抗PCSK9阻害剤の新規LDL-C低下薬Repatha(一般名:evolocumab)の第2相試験(OSLER-1)および第3相試験(OSLER-2)の結果が第64回米国心臓病学会(ACC.15)のLate-breaking sessionで報告され、New Engl J Med誌にも掲載された。

OSLER-1試験とOSLER-2試験は、evolocumab投与の長期的影響を評価するオープンラベル延長試験である。evolocumab(140 mg、2週に1回、あるいは420 mg、1回、1年間投与)と標準療法を併用する群(2,976例)と標準療法群(1,489例)を比較した。死亡、心筋梗塞、入院を要する不安定狭心症、冠動脈血行再建術、入院を要する脳卒中と一過性脳虚血性発作または心不全を含む心血管イベントの発現率は、evolocumab併用群では0.95%で標準療法群の2.18%と比較して低下した。年齢、性別、スタチン使用などのサブグループでも同様であった。また、evolocumab併用群では標準療法群と比較して、LDL-C値の中央値が61%低下した。

(参考)PCSK9阻害剤の開発競争ではアムジェンが先陣を切って昨年(2014年)8月にFDAに申請、ほぼ同時にサノフィを特許侵害で提訴している。サノフィがリジェネロンと共同開発しているPCSK9阻害剤「アリロクマブ」alirocumabのFDA申請は今年(2015年)1月26日付で審査期限6ヶ月の優先審査で受理され、PDUFA期限は7月24日となった。アムジェンのRepathaは通常審査でPDUFA期限8月27日となっており、FDA承認では逆転される可能性が高くなっている。