2023/07/25
Merck/MSD、経口 PCSK9 阻害剤候補 MK-0616 の第 3 相臨床試験プログラムを開始
Merck & Co., Inc./MSD(メルク)が、同社の臨床開発中の経口 proprotein 変換酵素subtilisin/kexin type 9(PCSK9) 阻害剤 MK-0616 の、高コレステロール血症の成人患者の治療用として評価する第 3 相臨床試験 program CORALreef を開始した。
PCSK9 は、細胞への cholesterol の取り込みに関与する LDL 受容体のレベルを調節することにより、コレステロールの恒常性において重要な役割を果たしている。PCSK9 を阻害すると、PCSK9 と LDL 受容体との相互作用が防止される。これにより、血液から LDL-C を除去するために細胞表面に LDL 受容体数が増加する。MK-0616 は、現在承認されている注射用 PCSK9 阻害剤と同じ生物学的メカニズムを介して LDL-C を低下させるよう設計された、初の経口 PCSK9 阻害剤である。
第 3 相 program CORALreef試験は、経口 PCSK9 阻害剤の最初の第 3 相臨床 program である。試験 program 全体でグローバルに約 17,000 人の被験者を登録することを目的としている。
2022/04/04
アンチセンスRNA干渉治療薬による高リスク高コレステロール血症患者の治療
04/04, AZN, Cholesterol, PCSK9, RNAi
AZD8233 reduced low-density lipoprotein cholesterol levels by 73% in patients with high-risk hypercholesterolemia in ETESIAN Phase IIb trial- AZD8233は第IIb相試験 ETESIANにおいて高リスクの高コレステロール血症患者の低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール値を73%低下させた。
(参考)自己注射が可能な週一回投与の皮下注製剤として開発中。PCSK9を標的とする抗体医薬は投与間隔は2週間または月1回である。アムジェンのレパーサなど既存のPCSK9抗体薬と比較して週一回投与は不利であるもののRNA干渉薬は自己注射で補える。73%のコレステロール低下は2017年3月に発表されたレパーサのアウトカム試験の成績 27%をはるかに上回る。レパーサはその後、2017年12月に「心臓発作および脳卒中の予防」効能が承認され、2021年売上高は前年比26%増加して11億ドルを超えている。
アストラゼネカは、Ionis Pharmaceuticals(Ionis)と共同開発中のantisense oligonucleotide (ASO)AZD8233(ION449)の第2b 相ETESIAN 試験で、AZD8233 が(50 mg /毎月皮下投与/12週間)で、ベースラインからのLDL-C レベルを73%(95%CI:-77%, -68%)低下させ、主要評価項目を達成したことを米国心臓病学会の第71 回年次総会で報告した。
AZD8233は、次世代PCSK9 阻害剤であり、従来のPCSK9 阻害剤の上流に作用し、核内の遺伝子発現を標的とする唯一のPCSK9 ASO である。LDL-Cの重要な調節因子であるPCSK9 を標的として、高コレステロール血症患者の血中コレステロール値を低下するよう設計されている。
本試験では、副次評価項目であるPCSK9レベル(14 週目)についても89%(95%CI:-91%, -86%)低下させた。PCSK9 レベルの低下は、LDL 受容体レベルの上昇につながり、その結果、血流中のLDL-C レベルが低下し、冠状動脈性心臓病を発症するリスクが低下する。AZD8233 の3 用量レベル(15mg、50mg、90mg)を評価した。すべてのAZD8233 群は、プラセボ群と比較して、12 週目にLDL-C およびPCSK9 レベルを顕著に低下させた。
AZD8233は、次世代PCSK9 阻害剤であり、従来のPCSK9 阻害剤の上流に作用し、核内の遺伝子発現を標的とする唯一のPCSK9 ASO である。LDL-Cの重要な調節因子であるPCSK9 を標的として、高コレステロール血症患者の血中コレステロール値を低下するよう設計されている。
本試験では、副次評価項目であるPCSK9レベル(14 週目)についても89%(95%CI:-91%, -86%)低下させた。PCSK9 レベルの低下は、LDL 受容体レベルの上昇につながり、その結果、血流中のLDL-C レベルが低下し、冠状動脈性心臓病を発症するリスクが低下する。AZD8233 の3 用量レベル(15mg、50mg、90mg)を評価した。すべてのAZD8233 群は、プラセボ群と比較して、12 週目にLDL-C およびPCSK9 レベルを顕著に低下させた。
2018/10/26
ㇾパーサ、腎機能レベルを問わずLDL-C 値及び心血管イベントリスクを一貫して低下(10/26)
アムジェン は、心血管系疾患の既往歴のある患者における抗PCSK9 抗体レパーサ(一般名:エボロクマブ)の治療効果を腎機能レベルに基づいて評価した、レパーサ心血管系アウトカム試験(FOURIER 試験)の新たな解析結果を発表した。本解析結果は、サンディエゴ で開催された米国腎臓学会(ASN2018)の年次集会「Kidney Week 2018」で報告された。
従来のサブグループ解析と同様、今回の解析結果により、軽度から中等度の慢性腎臓病(CKD)患者を含むハイリスクな患者において、低比重リポタンパクコレステロール(LDL-C)値のみならず、心臓発作や脳卒中などの主要心血管系(CV)イベントの相対リスクを低下させるレパーサの有効性が示された。これらの患者(N=4443)では、心血管系死、心臓発作、または脳卒中を含む複合副次評価項目の絶対リスクが減少する傾向が認められた。有害事象はCKD のステージを問わず患者全体で同程度であり、レパーサの既知の安全性プロファイルと一致していた。
従来のサブグループ解析と同様、今回の解析結果により、軽度から中等度の慢性腎臓病(CKD)患者を含むハイリスクな患者において、低比重リポタンパクコレステロール(LDL-C)値のみならず、心臓発作や脳卒中などの主要心血管系(CV)イベントの相対リスクを低下させるレパーサの有効性が示された。これらの患者(N=4443)では、心血管系死、心臓発作、または脳卒中を含む複合副次評価項目の絶対リスクが減少する傾向が認められた。有害事象はCKD のステージを問わず患者全体で同程度であり、レパーサの既知の安全性プロファイルと一致していた。
2018/03/10
プラルエントは心血管イベント発症リスクを減少し、死亡率の低下に寄与
抗PCSK9抗体の高コレステロール血症治療薬プラルエント(一般名:アリロクマブ) は高リスク患者の心血管イベント発症リスクを有意に減少し、死亡率の低下に寄与した。
2018年3月10日 » Sanofi, Cholesterol, Market
2018年3月10日 » Sanofi, Cholesterol, Market
2018/03/09
PCSK9阻害剤の高価格と投与制限について
プラルエント投与における経済的な制約を緩和して重大な疾病リスクとアンメット・ニーズを有する患者を支援する保険をサノフィとリジェネロンが発表
2018年3月10日 » Sanofi, Cholesterol (market), Pricing
支払い機関によってPCSK9阻害剤の投与が制限された重症患者で心血管イベントが発生している状況をアムジェンが提示した
2018年3月9日 » Amgen, Cholesterol, Market
支払い機関によってPCSK9阻害剤の投与が制限された重症患者で心血管イベントが発生している状況をアムジェンが提示した
2018年3月9日 » Amgen, Cholesterol, Market
2017/12/31
抗PCSK9抗体のコレステロール低下薬レパーサが「心臓発作および脳卒中に対する予防効能」を追加(12/1)
アムジェンが開発したレパーサ(一般名:エボロクマブ)のFDAによる初回承認(2015年8月)は「家族性高コレステロール血症」および「動脈硬化性心血管疾患」を適応症としていた。初回の承認申請(BLA)には合計6800症例にのぼる10本のフェーズ3試験のデータが提出された。アムジェンはその後も2016年11月に、IVUS(血管内超音波検査)を用いた「グラゴブ(GLAGOV)試験」で動脈硬化プラークの退縮効果を証明し、本年(2017年)3月には2万7000症例を超える「フーリエ(FOURIER)心血管アウトカム試験」の成功を発表した。「心血管疾患患者における心臓発作および脳卒中の予防効果」が証明され、この効能を添付文書に記載する追加申請(sBLA)を7月に提出し、FDAは優先審査として受理していた。
レパーサのグローバル売上高は2015年10億円、2016年140億円と低迷してきたが、直近3か月間(7-9月期)は90億円へと前年同期(40億円)と比べて倍増している。予防効能の承認を契機として、再来年(2019年)または2020年には1000億円を超えるブロックバスターへと成長する可能性が見えてきた。レパーサより1か月早く、2015年7月に承認されたプラルエント(サノフィ)の売上高は2015年80億円、2016年120億円であった。
レパーサのグローバル売上高は2015年10億円、2016年140億円と低迷してきたが、直近3か月間(7-9月期)は90億円へと前年同期(40億円)と比べて倍増している。予防効能の承認を契機として、再来年(2019年)または2020年には1000億円を超えるブロックバスターへと成長する可能性が見えてきた。レパーサより1か月早く、2015年7月に承認されたプラルエント(サノフィ)の売上高は2015年80億円、2016年120億円であった。
2017/12/01
抗PCSK9抗体薬レパーサの心臓発作と脳卒中にたいする予防効能をFDAが追加承認
FDA Approves Amgen's Repatha® (evolocumab) To Prevent Heart Attack And Stroke
Dec. 1, 2017
- 家族性高コレステロール血症を適応症として2015年に承認されたアムジェの抗PCSK9抗体薬レパーサについて、FDAが心臓発作と脳卒中にたいする予防効能を追加承認した。
(参考)
アムジェンが開発したレパーサ(一般名:エボロクマブ)のFDAによる初回承認(2015年8月)は「家族性高コレステロール血症」および「動脈硬化性心血管疾患」を適応症としていた。初回の承認申請(BLA)には合計6800症例にのぼる10本のフェーズ3試験のデータが提出された。アムジェンはその後も、2016年11月にIVUS(血管内超音波検査)を用いた「グラゴブ(GLAGOV)試験」で動脈硬化プラークの退縮効果を証明し、本年(2017年)3月には2万7000症例を超える「フーリエ(FOURIER)心血管アウトカム試験」を成功させた。「心血管疾患患者における心臓発作および脳卒中の予防効果」が証明されたとして、添付文書に記載する追加申請(sBLA)を提出、FDAは優先審査として受理していた。
2017/07/27
PCSK9 阻害剤レパーサ(一般名:エボロクマブ)の効能追加申請(sBLA) を優先審査に指定
大規模心血管系アウトカム試験FOURIER のデータに基づいてアムジェンが提出したsBLAが承認されれば、「重大な心血管系イベントのリスク軽減」が添付文書に追加される。FDAの審査期限(PDUFAゴール)は2017 年12 月2 日に設定された。
FOURIER 試験は国際共同、第3 相、二重盲検、プラセボ対照、27,564 人の患者を登録して、レパーサ とスタチン の併用効果を証明した。主要評価項目は、心血管系疾患死、心筋梗塞、脳卒中、不安定狭心症による入院、あるいは冠血行再開術までの時間である。さらに、心血管系疾患死、心筋梗塞または脳卒中までの時間を副次評価項目とした。
スタチン療法にレパーサを上乗せすることにより、最初の心臓発作、脳卒中、または心血管系疾患死発症までの時間を副次複合評価項目で示された厳しい重篤な有害CV イベント(MACE)は、統計学的有意差を以って20%(p<0.001) 軽減された。また、不安定狭心症による入院、冠血行再開術、心臓発作、脳卒中、または心血管系疾患死を含む拡大MACE 複合主要評価項目のリスクを15% 軽減させた。主要評価項目および副次評価項目双方におけるリスク軽減の強さは、時間の経過とともに強くなり、早くて治療開始6 ヵ月で確たるベネフィットを示し、試験の中央値2.2 年まで持続した。副次複合評価項目について、探索的な解析では1 年目に16%、2 年目に1 年目を越える25%を達成した。
FOURIER 試験は国際共同、第3 相、二重盲検、プラセボ対照、27,564 人の患者を登録して、レパーサ とスタチン の併用効果を証明した。主要評価項目は、心血管系疾患死、心筋梗塞、脳卒中、不安定狭心症による入院、あるいは冠血行再開術までの時間である。さらに、心血管系疾患死、心筋梗塞または脳卒中までの時間を副次評価項目とした。
スタチン療法にレパーサを上乗せすることにより、最初の心臓発作、脳卒中、または心血管系疾患死発症までの時間を副次複合評価項目で示された厳しい重篤な有害CV イベント(MACE)は、統計学的有意差を以って20%(p<0.001) 軽減された。また、不安定狭心症による入院、冠血行再開術、心臓発作、脳卒中、または心血管系疾患死を含む拡大MACE 複合主要評価項目のリスクを15% 軽減させた。主要評価項目および副次評価項目双方におけるリスク軽減の強さは、時間の経過とともに強くなり、早くて治療開始6 ヵ月で確たるベネフィットを示し、試験の中央値2.2 年まで持続した。副次複合評価項目について、探索的な解析では1 年目に16%、2 年目に1 年目を越える25%を達成した。
Link »アムジェン、
2017/05/02
レパーサの治療結果にもとづく払い戻し
Amgen And Harvard Pilgrim Agree To First Cardiovascular Outcomes-Based Refund Contract For Repatha® (Evolocumab)
May 2, 2017
- アムジェンは抗PCSK9抗体のコレステロール低下薬レパーサに関して治療結果にもとづく払い戻しをハーバード・ピルグリムとの間で合意した。
2017/03/17
アムジェンがPCSK9 阻害剤evolocumab(商品名レパーサ)の心血管系疾患患者に対する臨床アウトカム成績を発表
アムジェンの抗PCSK9 抗体evolocumab の心血管系疾患患者に対する臨床効果を検証したFOURIER 試験の結果がN Engl J Med誌上に掲載された。FOURIER試験は、スタチン療法中のアテローム性動脈硬化症患者27,564 人を登録した、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験である。患者はLDL-C が70 mg/dL以上で、evolocumab群[140 mg Q2W、または420 mg QM]、またはプラセボ群 の何れかに無作為に割付けられた。主要評価項目は心血管死、心筋梗塞、または脳卒中の複合評価であった。フォローアップ中央値は2.2 年。
48 週の時点で、プラセボと比較して、最小二乗平均のLDL-C 低下のパーセンテージが ベースラインの中央値92 mg/dLから30 mg/dLと59%の低下を達成した(P<0.001)。 プラセボ に比べてevolocumabは有意に主要評価項目のリスクを軽減した[1,344 人(9.8%) vs. 1,563 人(11.3%)、ハザード比(HR)=0.85; 95%CI; 0.79, 0.92;p<0.001]。重要な副次評価項目 [816 人(5.9%) vs. 1,013 人(7.4%); HR=0.80; 95%CI; 0.73, 0.88; p<0.001]も達成された。また、LDL-C レベルのベースライン [中央値;74 mg/dL] の最低の4 分位の患者のサブグループを含め、重要なサブグループを通じて同様の効果を示した。
(参考)
アムジェンの株価は米国心臓病学会(ACC)におけるFOURIER試験の成績発表直後に6%下落した。好成績ではあるが高薬価を正当化できるほどの素晴らしい成績ではない、という評価となった模様。
48 週の時点で、プラセボと比較して、最小二乗平均のLDL-C 低下のパーセンテージが ベースラインの中央値92 mg/dLから30 mg/dLと59%の低下を達成した(P<0.001)。 プラセボ に比べてevolocumabは有意に主要評価項目のリスクを軽減した[1,344 人(9.8%) vs. 1,563 人(11.3%)、ハザード比(HR)=0.85; 95%CI; 0.79, 0.92;p<0.001]。重要な副次評価項目 [816 人(5.9%) vs. 1,013 人(7.4%); HR=0.80; 95%CI; 0.73, 0.88; p<0.001]も達成された。また、LDL-C レベルのベースライン [中央値;74 mg/dL] の最低の4 分位の患者のサブグループを含め、重要なサブグループを通じて同様の効果を示した。
(参考)
アムジェンの株価は米国心臓病学会(ACC)におけるFOURIER試験の成績発表直後に6%下落した。好成績ではあるが高薬価を正当化できるほどの素晴らしい成績ではない、という評価となった模様。
2016/07/05
高コレステロール血症治療薬プラルエント(アリロクマブ)が日本でも製造販売承認を取得
サノフィとRegeneron Pharmaceuticals, Inc.(Regeneron)の高コレステロール血症治療剤プラルエント® (一般名:アリロクマブ)(遺伝子組換え)が厚生労働省より製造販売承認を取得した。プラルエントは、PCSK9を標的とする完全ヒト型モノクローナル抗体である。適応症は「家族性高コレステロール血症(FH)、高コレステロール血症」、ただし「心血管イベントの発現リスクが高く、HMG-CoA 還元酵素阻害剤で効果不十分な場合に限る」。同じくPCSK9阻害剤で本年1月に承認されているレパーサ(アムジェン/アステラス製薬、一般名:エボロクマブ)と同一の表現となっている。
最大耐用量のスタチン療法を含む標準療法にプラルエントを上乗せ投与したグローバル第3 相ODYSSEY 試験において、プラセボに比べて強力かつ一貫したLDL-C 低下効果を示した。国内第3 相ODYSSEY JAPAN 試験では原発性高コレステロール血症の日本人患者を対象に、プラルエント皮下注を2週間に1回、開始用量を75 mg(効果不十分な場合は150 mg に増量)として投与した。
組み込まれた患者は全てスタチン療法(スタチン以外の脂質低下療法との併用は不問)を受けており、ベースラインにおける平均LDL-C 値はプラルエント群で141 mg/dL(3.6 mmol/L)、プラセボ群では142 mg/dL(3.7 mmol/L)であった。プラルエント群で LDL-C が事前に規定した目標値に到達しなかった患者については、12 週時点からプラルエント150 mg Q2W に切り替えられた(12 週以降も投与を継続した140 例中2 例)。
本試験では、日本動脈硬化学会の動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2012 年版によるリスク区分別脂質管理目標値に則り、LDL-C の管理目標値を設定した。プラルエント 群は投与後24 週時に LDL-C を63%低下させたのに対して、プラセボ 群では2%上昇した(p<0.0001, ITT 解析)。プラルエント群の強力な LDL-C 低下効果は試験終了まで持続し、投与後52 週時の平均 LDL-C 値は、プラルエント 群 53.4 mg/dL(1.38 mmol/L)、プラセボ 群 135.6 mg/dL(3.51 mmol/L)であった(ITT)。
最大耐用量のスタチン療法を含む標準療法にプラルエントを上乗せ投与したグローバル第3 相ODYSSEY 試験において、プラセボに比べて強力かつ一貫したLDL-C 低下効果を示した。国内第3 相ODYSSEY JAPAN 試験では原発性高コレステロール血症の日本人患者を対象に、プラルエント皮下注を2週間に1回、開始用量を75 mg(効果不十分な場合は150 mg に増量)として投与した。
組み込まれた患者は全てスタチン療法(スタチン以外の脂質低下療法との併用は不問)を受けており、ベースラインにおける平均LDL-C 値はプラルエント群で141 mg/dL(3.6 mmol/L)、プラセボ群では142 mg/dL(3.7 mmol/L)であった。プラルエント群で LDL-C が事前に規定した目標値に到達しなかった患者については、12 週時点からプラルエント150 mg Q2W に切り替えられた(12 週以降も投与を継続した140 例中2 例)。
本試験では、日本動脈硬化学会の動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2012 年版によるリスク区分別脂質管理目標値に則り、LDL-C の管理目標値を設定した。プラルエント 群は投与後24 週時に LDL-C を63%低下させたのに対して、プラセボ 群では2%上昇した(p<0.0001, ITT 解析)。プラルエント群の強力な LDL-C 低下効果は試験終了まで持続し、投与後52 週時の平均 LDL-C 値は、プラルエント 群 53.4 mg/dL(1.38 mmol/L)、プラセボ 群 135.6 mg/dL(3.51 mmol/L)であった(ITT)。
2015/08/27
アムジェンのPCSK9阻害薬レパサをFDAが承認
FDAは、アムジェンのPCSK9阻害薬エボロクマブevolocumab(商品名:レパサRepatha)を予定通り承認した。PCSK9は、LDL受容体を標的として分解させるタンパク質で、LDL-Cを血中から取り除く肝臓の働きを低下させる。レパサはPCSK9と結合してPCSK9が肝細胞表面のLDL受容体に結合することを阻害する。
承認されたレパサの効能・効果は、「さらにLDL-Cの低下が必要な成人ヘテロ接合型家族性高コレステロール血症(HeFH)、または臨床的に動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)患者における、食事療法とスタチン最大耐量への補助療法」としての使用、ならびに「さらにLDL-Cの低下が必要なホモ接合型家族性高コレステロール血症(HoFH)患者における、食事療法とその他のLDL-C低下療法の補助療法」としての使用である。レパサの心血管系疾患の罹患率および死亡率への影響に関してはまだ確認されていない。レパサは、140mgを2週毎、あるいは420mgを毎月、自己注射する。
第3相試験において、ASCVDまたはHeFH患者の場合、レパサはプラセボに比べてLDL-Cレベルを54~77%低下させた。また、ASCVD患者の90%がLDL-Cレベル70mg/mL以下を達成した。HoFH患者では、プラセボと比較してLDL-Cレベルを約30%低下させた。
米国では、HeFHあるいはHoFH患者の総数は100万人と推定されている。
承認されたレパサの効能・効果は、「さらにLDL-Cの低下が必要な成人ヘテロ接合型家族性高コレステロール血症(HeFH)、または臨床的に動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)患者における、食事療法とスタチン最大耐量への補助療法」としての使用、ならびに「さらにLDL-Cの低下が必要なホモ接合型家族性高コレステロール血症(HoFH)患者における、食事療法とその他のLDL-C低下療法の補助療法」としての使用である。レパサの心血管系疾患の罹患率および死亡率への影響に関してはまだ確認されていない。レパサは、140mgを2週毎、あるいは420mgを毎月、自己注射する。
第3相試験において、ASCVDまたはHeFH患者の場合、レパサはプラセボに比べてLDL-Cレベルを54~77%低下させた。また、ASCVD患者の90%がLDL-Cレベル70mg/mL以下を達成した。HoFH患者では、プラセボと比較してLDL-Cレベルを約30%低下させた。
米国では、HeFHあるいはHoFH患者の総数は100万人と推定されている。
2015/07/24
サノフィの高LDL-C治療薬プラルエントがPCSK9阻害剤として初のFDA承認を取得
サノフィと共同開発パートナーRegeneron Pharmaceuticals, Inc.(リジェネロン)が開発中の新しいクラスのPCSK9阻害剤プラルエントPRALUENT (一般名:アリロクマブalirocumab)をFDAが承認した。このクラスの薬剤としては、米国における最初の承認である。同日にEUでもEMAのCHMPが承認勧告採択したため、遅くとも3ヵ月後にはEUでも上市されるものと期待される。
今回、さらにLDL-Cを下げる必要のあるヘテロ家族性高コレステロール血症患者、アテローム性動脈硬化症(ASCVD)の成人患者に対し、食事療法とスタチンの最大耐量の補助療法としても承認された。
承認の根拠となったのは、第3相ODYSSEY試験プログラムの結果である。最大耐量のスタチンを含む標準治療にプラルエント(150mg、2週毎)を追加したところ、24週の時点でプラセボと比較してLDL-Cをさらに58%低下させた。また、75mg、2週毎投与によりプラセボと比較して、LDL-Cを12週目で45%、24週目で44%低下させた。
(参考)開発段階で激しく競合してきたAmgenのPCSK9阻害剤エボロクマブのFDA審査ゴールは2015年8月27日に設定されている。申請ではAmgenに先を越されたSanofiはFDAのバウチャー制度を活用して逆転に成功した。
今回、さらにLDL-Cを下げる必要のあるヘテロ家族性高コレステロール血症患者、アテローム性動脈硬化症(ASCVD)の成人患者に対し、食事療法とスタチンの最大耐量の補助療法としても承認された。
承認の根拠となったのは、第3相ODYSSEY試験プログラムの結果である。最大耐量のスタチンを含む標準治療にプラルエント(150mg、2週毎)を追加したところ、24週の時点でプラセボと比較してLDL-Cをさらに58%低下させた。また、75mg、2週毎投与によりプラセボと比較して、LDL-Cを12週目で45%、24週目で44%低下させた。
(参考)開発段階で激しく競合してきたAmgenのPCSK9阻害剤エボロクマブのFDA審査ゴールは2015年8月27日に設定されている。申請ではAmgenに先を越されたSanofiはFDAのバウチャー制度を活用して逆転に成功した。
2015/07/21
アムジェンのPCSK阻害薬レパサがEC承認を取得
欧州委員会(EC)がLDL-Cのさらなる低下を要するコレステロールコントロール不良患者を対象として、PCSK阻害薬としては世界で初めてアムジェンのエボロクマブevolocumab(商品名:レパサRepatha)を承認した。
米国では、エボロクマブと熾烈な開発競争を繰り広げてきたサノフィのPCSK9阻害剤プラルエントPRALUENT (一般名:アリロクマブalirocumab)がエボロクマブ(Amgen)よりも先に承認されている。一方、エボロクマブのFDA審査ゴールは2015年8月27日に設定されており、AmgenとSanofiの承認取得競争は欧州と米国で逆転する結果となった。
米国では、エボロクマブと熾烈な開発競争を繰り広げてきたサノフィのPCSK9阻害剤プラルエントPRALUENT (一般名:アリロクマブalirocumab)がエボロクマブ(Amgen)よりも先に承認されている。一方、エボロクマブのFDA審査ゴールは2015年8月27日に設定されており、AmgenとSanofiの承認取得競争は欧州と米国で逆転する結果となった。
リンク] 経営分析 ➜Amgen リンク 新薬開発➜コレステロール、中性脂肪、肥満 リンク 市場分析➜コレステロール低下剤
2015/06/10
アムジェンのPCSK9阻害剤レパサのBLAをFDA諮問委員会が承認勧告
FDAの内分泌・代謝用薬諮問委員会(EMDAC)はアムジェンのエボロクマブ(商品名:レパサ)のBLAを審議し、ホモ接合体家族性高コレステロール血症の治療薬としての承認を満場一致で採択した。その他の高コレステロール血症関連の効能については、賛成11票、反対4票で承認を採択した。FDAはエボロクマブの審査ゴールを2015年8月27日に設定している。
BLAの根拠:約6,800例の患者データに基づいている。第3相試験では、高コレステロール血症でスタチン療法中の患者、スタチン療法不耐患者、ヘテロ接合(HeFH)家族性高コレステロール血症患者、HoFH患者を対象に有効性と安全性を評価した。
BLAの根拠:約6,800例の患者データに基づいている。第3相試験では、高コレステロール血症でスタチン療法中の患者、スタチン療法不耐患者、ヘテロ接合(HeFH)家族性高コレステロール血症患者、HoFH患者を対象に有効性と安全性を評価した。
2015/06/09
サノフィのPCSK9阻害薬プラルエントをFDA諮問委員会が承認勧告
FDA内分泌・代謝用薬諮問委員会(ENDAC)がサノフィとRegeneronが共同開発中のアリロクマブ(商品名:プラルエント)のBLAを審議し、賛成13票、反対3票で承認勧告を採択した。本BLAはBioMarinから購入した優先審査バウチャーを使用して審査されている。審査のゴールは、先に申請したアムジェンのエボロクマブを1ヵ月追い越し、2015年7月24日に設定された。
BLAの根拠:10件の第3相試験の結果(対象5,000名以上)に基づいている。ODYSSEYプログラムで得られた臨床データは、アリロクマブの一貫した良好なLDL-C低下作用を示している。
BLAの根拠:10件の第3相試験の結果(対象5,000名以上)に基づいている。ODYSSEYプログラムで得られた臨床データは、アリロクマブの一貫した良好なLDL-C低下作用を示している。
2015/06/02
腫瘍免疫治療薬として注目を集めるPD-1阻害剤のニボルマブとペンブロリズマブ、他にも抗PCSK9抗体のコレステロール低下剤エボルマブなどの承認をCHMPが勧告
欧州医薬品庁(EMA)の医薬品評価委員会(CHMP)は5月の定例会議で新薬6品目、ジェネリック薬2品目、効能追加6件の承認勧告を採択した。癌免疫療法薬では、メルクのキートルーダ(一般名:ペンブロリズマブ)、ブリストルマイヤーズ・スクイブ(BMS)のオプジーボ(一般名:ニボルマブ)、United Therapeutics EuropeのUnituxin(一般名:dinutuximab)の3剤が含まれている。今回の承認勧告の効能は、キートルーダがメラノーマ、ニボルマブが非小細胞肺癌、Unituxinが小児神経芽細胞腫である。
このほか、アムジェンの抗PCSK9抗体薬RAPATHA(一般名:エボルクマブ)が、成人の原発性高コレステロール血症または混合型脂質異常症の効能でfirst-in-classの承認勧告を受けた。抗PCSK9抗体薬として競合するサノフィのアリロクマブは2015年1月に審査が開始されている。
[リンク] 経営分析 ➜Merck(MSD) ➜Bristol Myers ➜Sanofi [リンク] 新薬開発 ➜肺がん ➜皮膚がん
このほか、アムジェンの抗PCSK9抗体薬RAPATHA(一般名:エボルクマブ)が、成人の原発性高コレステロール血症または混合型脂質異常症の効能でfirst-in-classの承認勧告を受けた。抗PCSK9抗体薬として競合するサノフィのアリロクマブは2015年1月に審査が開始されている。
[リンク] 経営分析 ➜Merck(MSD) ➜Bristol Myers ➜Sanofi [リンク] 新薬開発 ➜肺がん ➜皮膚がん
2015/03/15
サノフィの抗PCSK9抗体アリロクマブのODYSSEY LONG TERM試験がNEJM誌に掲載
サノフィとRegeneronが共同開発中の抗PCSK9抗体のアリロクマブalirocumab(商品名:PRALUENT)のODYSSEY LONG TERM試験の結果が3月22日発行のNEJM誌に掲載された(➔ par news)。
ODYSSEY LONG TERM試験は、心血管系イベントリスクの高い高コレステロール血症患者2,341例を対象として、アリロクマブ150mgを2週ごとに投与する群とプラセボ群を18ヵ月間(78週)にわたり比較する試験である。
アリロクマブ群(1,553例)は、プラセボ群(788例)と比較して、主要評価項目である24週時点のLDL-Cを62%低下させ(p<0.0001)、この作用は78週にわたり持続した。78週時点のLDL-Cの低下率は56%であった(p<0.0001)。
心血管系イベントの評価はODYSSEY LONG TERM試験の目的ではないが、主要心血管系イベント(死亡、心筋梗塞、脳卒中、入院を要する不安定狭心症)の発現は、アリロクマブ群1,550例中27例(1.7%)、プラセボ群788例中26例(3.3%)であった(HR:0.52、95%CI:0.31-0.90、p<0.01)。約18,000例を対象としてアリロクマブの循環器弛緩に対する有用性を5年間にわたり評価するODYSSEY OUTCOMES試験が現在、継続して行われている。
(参考)
FDAへの承認申請は今年(2015年)1月26日付で審査期限6ヶ月の優先審査で受理され、PDUFA期限は7月24日となった。「優先審査」は小児の希少病治療薬開発に関してFDAがバイオマリン社に賦与した「バウチャー(証票)」を買い取って権利を得ていた。競合するアムジェンの「エボロクマブ」のFDA申請は昨年8月に提出していたが受理されたのは3カ月後の11月10日だった。通常審査とされ、PDUFA期限は8月27日となっている。
ODYSSEY LONG TERM試験は、心血管系イベントリスクの高い高コレステロール血症患者2,341例を対象として、アリロクマブ150mgを2週ごとに投与する群とプラセボ群を18ヵ月間(78週)にわたり比較する試験である。
アリロクマブ群(1,553例)は、プラセボ群(788例)と比較して、主要評価項目である24週時点のLDL-Cを62%低下させ(p<0.0001)、この作用は78週にわたり持続した。78週時点のLDL-Cの低下率は56%であった(p<0.0001)。
心血管系イベントの評価はODYSSEY LONG TERM試験の目的ではないが、主要心血管系イベント(死亡、心筋梗塞、脳卒中、入院を要する不安定狭心症)の発現は、アリロクマブ群1,550例中27例(1.7%)、プラセボ群788例中26例(3.3%)であった(HR:0.52、95%CI:0.31-0.90、p<0.01)。約18,000例を対象としてアリロクマブの循環器弛緩に対する有用性を5年間にわたり評価するODYSSEY OUTCOMES試験が現在、継続して行われている。
(参考)
FDAへの承認申請は今年(2015年)1月26日付で審査期限6ヶ月の優先審査で受理され、PDUFA期限は7月24日となった。「優先審査」は小児の希少病治療薬開発に関してFDAがバイオマリン社に賦与した「バウチャー(証票)」を買い取って権利を得ていた。競合するアムジェンの「エボロクマブ」のFDA申請は昨年8月に提出していたが受理されたのは3カ月後の11月10日だった。通常審査とされ、PDUFA期限は8月27日となっている。
アムジェンが開発中のコレステロール低下薬(抗PCSK9抗体)REPATHA(evolocumab)が心血管系イベントを抑制
アムジェンが開発中の抗PCSK9阻害剤の新規LDL-C低下薬Repatha(一般名:evolocumab)の第2相試験(OSLER-1)および第3相試験(OSLER-2)の結果が第64回米国心臓病学会(ACC.15)のLate-breaking sessionで報告され、New Engl J Med誌にも掲載された。
OSLER-1試験とOSLER-2試験は、evolocumab投与の長期的影響を評価するオープンラベル延長試験である。evolocumab(140 mg、2週に1回、あるいは420 mg、1回、1年間投与)と標準療法を併用する群(2,976例)と標準療法群(1,489例)を比較した。死亡、心筋梗塞、入院を要する不安定狭心症、冠動脈血行再建術、入院を要する脳卒中と一過性脳虚血性発作または心不全を含む心血管イベントの発現率は、evolocumab併用群では0.95%で標準療法群の2.18%と比較して低下した。年齢、性別、スタチン使用などのサブグループでも同様であった。また、evolocumab併用群では標準療法群と比較して、LDL-C値の中央値が61%低下した。
(参考)PCSK9阻害剤の開発競争ではアムジェンが先陣を切って昨年(2014年)8月にFDAに申請、ほぼ同時にサノフィを特許侵害で提訴している。サノフィがリジェネロンと共同開発しているPCSK9阻害剤「アリロクマブ」alirocumabのFDA申請は今年(2015年)1月26日付で審査期限6ヶ月の優先審査で受理され、PDUFA期限は7月24日となった。アムジェンのRepathaは通常審査でPDUFA期限8月27日となっており、FDA承認では逆転される可能性が高くなっている。
OSLER-1試験とOSLER-2試験は、evolocumab投与の長期的影響を評価するオープンラベル延長試験である。evolocumab(140 mg、2週に1回、あるいは420 mg、1回、1年間投与)と標準療法を併用する群(2,976例)と標準療法群(1,489例)を比較した。死亡、心筋梗塞、入院を要する不安定狭心症、冠動脈血行再建術、入院を要する脳卒中と一過性脳虚血性発作または心不全を含む心血管イベントの発現率は、evolocumab併用群では0.95%で標準療法群の2.18%と比較して低下した。年齢、性別、スタチン使用などのサブグループでも同様であった。また、evolocumab併用群では標準療法群と比較して、LDL-C値の中央値が61%低下した。
(参考)PCSK9阻害剤の開発競争ではアムジェンが先陣を切って昨年(2014年)8月にFDAに申請、ほぼ同時にサノフィを特許侵害で提訴している。サノフィがリジェネロンと共同開発しているPCSK9阻害剤「アリロクマブ」alirocumabのFDA申請は今年(2015年)1月26日付で審査期限6ヶ月の優先審査で受理され、PDUFA期限は7月24日となった。アムジェンのRepathaは通常審査でPDUFA期限8月27日となっており、FDA承認では逆転される可能性が高くなっている。
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