ロシュの株価は今年1月に15%急落した後、緩やかな上昇基調に転じ、5月末になってようやく年初の水準まで回復した。その間の医薬品セクターは全体として堅調に推移し、株価指数は年初から5%上昇している。ロシュだけに特異な株価の下落要因として思い当たるのは、昨年秋からバイオシミラー製品の承認が加速されてきた、大きな状況変化である。
欧州では昨年9月に、持効型インスリン製剤ランタス(サノフィ)に対する初めてのバイオシミラー製品ABASRIA(リリー/ベーリンガー)が承認され、大型バイオ医薬品に対するジェネリックの脅威が現実のものとなった。ランタスは世界3位となる80億ドル(9600億円)の売上げを誇り、サノフィにとっては医薬品売上げの23%を占める最大製品である。
米国では、ノバルティスの子会社サンドが開発したG-CSF製剤ZARXIOが今年3月に「米国で初めてのバイオシミラー製品」として承認された。また、欧州で昨年承認されたバイオシミラーの時効型インスリン製剤ABASRIAも、米国名BASAGLARとして仮承認されている。
バイオ医薬品の最大メーカーであるロシュは抗体医薬が医療用医薬品売上げの66%を占めている。そのうちリツキサン(2014年売上げ76億ドル)、アバスチン(71億ドル)、ハーセプチン(69億ドル)の三大製品は欧州など、部分的ながらも特許満了となっている地域もある。いつジェネリック製品が承認されてもおかしくない状況であり、株価の反応もうなずける。
今年の米国臨床腫瘍学会(ASCO2015)は5月29日に開催されたが、抗がん剤最大手であるロシュの株価も直前まで上昇してきた。ASCO終了とともに今年の後半にかけては、バイオシミラーの話題が株価に与える影響は一段と強まりそうだ。
欧州では昨年9月に、持効型インスリン製剤ランタス(サノフィ)に対する初めてのバイオシミラー製品ABASRIA(リリー/ベーリンガー)が承認され、大型バイオ医薬品に対するジェネリックの脅威が現実のものとなった。ランタスは世界3位となる80億ドル(9600億円)の売上げを誇り、サノフィにとっては医薬品売上げの23%を占める最大製品である。
米国では、ノバルティスの子会社サンドが開発したG-CSF製剤ZARXIOが今年3月に「米国で初めてのバイオシミラー製品」として承認された。また、欧州で昨年承認されたバイオシミラーの時効型インスリン製剤ABASRIAも、米国名BASAGLARとして仮承認されている。
バイオ医薬品の最大メーカーであるロシュは抗体医薬が医療用医薬品売上げの66%を占めている。そのうちリツキサン(2014年売上げ76億ドル)、アバスチン(71億ドル)、ハーセプチン(69億ドル)の三大製品は欧州など、部分的ながらも特許満了となっている地域もある。いつジェネリック製品が承認されてもおかしくない状況であり、株価の反応もうなずける。
今年の米国臨床腫瘍学会(ASCO2015)は5月29日に開催されたが、抗がん剤最大手であるロシュの株価も直前まで上昇してきた。ASCO終了とともに今年の後半にかけては、バイオシミラーの話題が株価に与える影響は一段と強まりそうだ。