2016/10/04

中外製薬のALK阻害剤アレセンサの「ALK 陽性非小細胞肺癌の一次療法」をFDAがBT指定

 中外製薬が創製したアレセンサ(一般名:アレクチニブ)がALK陽性非小細胞肺癌(NSCLC)の一次療法としてFDAからブレークスルー治療指定(BTD)を受けた。今回のBTDはアレセンサとしては2回目、中外製薬として4回目の指定となる。中外製薬が実施したJ-ALEX 試験が指定の根拠となった。
 J-ALEX試験は「ALK阻害剤未投与で化学療法未施行もしくは化学療法が1レジメン施行されたALK融合遺伝子陽性進行・再発非小細胞肺癌」の患者207名が登録され、アレセンサ単独投与群で無増悪生存期間(PFS)の統計学的に有意な延長が示された(99.6826%信頼区間:0.17-0.70、層別log-rank検定、p<0.0001)。クリゾチニブ群に対してPFSのハザード比(HR)で0.34という圧倒的な差をつけた。

(参考)
 中外製薬は続いて5回目となるBTD指定を取得した。リウマチを含む自己免疫疾患に承認されている抗IL-6受容体抗体アクテムラが、巨細胞性動脈炎(giant cell arteritis:GCA)に対してFDAより画期的治療薬(Breakthrough Therapy)に指定された。現時点で複数のBTDを取得している唯一の国内企業となっている。
 アレセンサは、国内では2014年7月に「ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」を効能・効果として世界に先駆けて承認され、米国においては2015年12月に「クリゾチニブに不応または不耐容のALK陽性の転移性非小細胞肺がん」を効能・効果とする二次療法として承認されている。

Link  企業分析中外製薬 Roche 新薬開発➜肺がん 画期的治療薬指定BTD