2016/10/31

エーザイのBACE阻害剤E2609が早期アルツハイマー病を対象に第3相試験の症例登録を開始

エーザイは経口βサイト切断酵素(BACE)阻害剤E2609をBiogenと共同開発中、早期アルツハイマー病(AD)を対象とした第3相臨床試験(MISSION AD)の症例登録を米国で開始した。

MISSION AD プログラムの最初の試験となるMISSION AD1(301試験)は、バイオマーカーで早期ADと判定される1,330人を対象としてE2609の有効性と安全性を検証する、多施設、共同、プラセボ対照、二重盲検、並行群間比較試験である。実薬群は1用量のみの設定で、50 mg/日を24ヵ月投与する。主要評価項目は臨床的認知症重症度判定尺度(Clinical Dementia Rating Sum of Boxes:CDR-SB)を用いる。

(参考)
βアミロイド(Aβ)の脳内沈着はアルツハイマー型認知症の病因の1 つと考えられている。BACE阻害薬はアミロイド前駆体タンパク質のβサイト切断酵素(BACE)を阻害することによってβアミロイド(Aβ)を減少させ、病態の進行を抑制する疾患修飾作用が期待されている。開発段階で先行する、メルクのベルベセスタット(MK-8931)の主要P3試験(EPOCH)は今年(2016年)1月に症例登録を完了し、来年(2017年)7月には結果が判明する。さらに、アストラゼネカとリリーが共同開発中のAZD3293は、FDAが今年8月に優先審査に指定した。

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