ラベル [5d] βアミロイド の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル [5d] βアミロイド の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2023/07/06

Quanterix、患者の アルツハイマー 病の診断用 LucentAD Biomarker 血液検査法を米国で新発売

Quanterix Corporation(Quanterix)が、アルツハイマー病(AD)の診断用の LucentAD Biomarker 血液検査を米国で発売した。この検査法は、ADの初期兆候に一致する認知症状を経験している患者の診断に重要な役割を果たすものであるが、FDA の CDRH による承認は取得していない。
医療従事者が他の診断ツールと組み合わせて利用することにより、臨床医に、患者が AD と診断できるアミロイド の沈着を有するか否か、その可能性を迅速に評価するための簡素化された診断法である。得られた情報は、医療提供者が AD の疑いのある患者に対する適切なフォローアップと治療計画の決定にも役立つ。

2023/03/31

抗amyloidβprotofibril 抗体レカネマブ、第2 相201 試験3 つの追加解析結果NEJMに掲載

エーザイとBiogen Inc,(Biogen)の、抗amyloidβ(Aβ)protofibril 抗体レカネマブ(米国製品名:LEQEMBI)の早期アルツハイマー病(AD)の被験者に対する有効性と安全性を評価した第2b相201試験で、3件の追加解析結果が査読学術誌に掲載された。
201 試験は、早期AD被験者856人を対象に実施された多施設共同、二重盲検、プラセボ対照、第2b 相試験で、コア試験では主要評価項目として12 カ月投与時のADCOMS(Alzheimer’s Disease Composite Score)による臨床症状の変化を評価した。主要副次評価項目として18 カ月投与時のADCOMS、CDR-SB(Clinical Dementia Rating-Sum-of-Boxes)およびADAS-Cog14(Alzheimer Disease Assessment Scale-Cognitive Subscale14)による臨床症状の変化等を評価した。本試験において、レカネマブ の18 カ月投与時の臨床効果を複数の統計モデルを用いて評価した結果、プラセボと比較してADCOMS では29.1~37.4%、CDR-SB では26.5~38.4%、ADAS-Cog では37.4~55.9%の悪化抑制となり、一貫した効果が確認された。

2023/03/22

ロシュ、アルツハイマー病早期診断EAPPを強化するためにイーライリリーとの提携契約を締結と発表

ロシュは、自社のELECSYS Amyloid Plasma Panel (EAPP)の開発をサポートするために イーライリリーと提携契約を締結したと発表した。EAPPは、アルツハイマー病(AD)の早期診断を容易にすることを目的とした革新的な血液検査法である。
FDAは EAPPをBreakthrough Deviceに指定した。ロシュの市販前申請は、FDAが2022 年6月に受理、 同年12 月7日、初期症状段階のADを特定する、ELECSYSβ-Amyloid (1-42) CSF II (Abeta42) および ELECSYS Phospho-Tau (181P) CSF (pTau181)アッセイについて 510(k)の認可を受けた。
EAPP は、ヒト血漿中のリン酸化Tau (pTau) 181タンパク質アッセイおよびapo-lipoprotein (APOE) E4を測定する。pTau181 の上昇はADの初期段階で発生するが、APOE4の存在はADの最も一般的な遺伝的危険因子を構成する。この結果は、他の臨床情報と併せて考慮し、アミロイド陽電子放出断層撮影法 (PET) または脳脊髄液 (CSF) 検査によるさらなる確認検査について助言することを目的としている。EAPPで陰性と判定された患者は、アミロイド陽性である可能性は低く、認知機能低下の他の原因について調査する必要がある。

2023/03/06

AD 治療薬LEQEMBI(レカネマブ)の標準承認に向けたsBLA をFDA が優先審査指定

エーザイとBiogen, Inc.は、LEQEMBI(一般名:レカネマブ)の迅速プログラムの加速承認から従来の標準承認への変更に向けた一変申請(sBLA)が、FDAに受理され、優先審査に指定された上で、PDUFA の審査終了目標日が2023年7月6日に設定されたと発表した。
LEQEMBIは、可溶性(protofibril)および不溶性amyloidβ(Aβ)凝集体に対するヒト化IgG1モノクローナル抗体である。米国において、2023年1月6日にアルツハイマー 病の治療薬として加速承認され、同日、標準承認に向けたsBLA をFDA に提出した。LEQEMBIによる治療は、Aβ病理が確認されたAD による軽度認知障害または軽度認知症の患者において開始する必要がある。
日本において、エーザイは、2023年1月16日に、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に製造販売承認申請を行い、1月26日に厚生労働省より優先審査に指定された。欧州においても、2023年1月9日にEMAに販売承認申請(MAA)を提出し、1月26日に受理された。中国においては、2022年12月に国家薬品監督管理局(NMPA)にBLAのデータ提出を開始し、2023年2月27日に優先審査に指定された。

2022/07/06

抗amyloidβprotofibril 抗体lecanemab,早期アルツハイマー病の申請をFDA 受理、優先審査指定

エーザイとBiogen Inc.(Biogen)が開発中の、抗amyloidβ(Aβ) protofibril 抗体lecanemab(BAN2401)について、脳内にアミロイド 病変が確認されたアルツハイマー病(AD)による軽症認知障害(MCI)および軽症AD(総称して早期AD)の治療薬候補として、加速承認制度に基づくBLA がFDA に受理された。本申請は優先審査の指定を受け、PDUFA の審査終了日は2023 年1 月6 日に設定された。
lecanemab(BAN2401)は、スウェーデンのBioArctic AB とエーザイの共同研究から得られた、可溶性amyloidβ(Aβ)凝集体(protofibril)に対するヒト化モノクローナル抗体(mAb)である。lecanemab は、AD を惹起させる因子の一つと考えられている、神経毒性を有するAβprotofibrilに選択的に結合して無毒化し、脳内からこれを除去することでAD の病態進行を抑制する疾患修飾作用が示唆されている。現在、lecanemab は抗Aβ抗体で唯一漸増投与が不要な早期AD 治療薬をめざして開発中である。早期AD を対象にした大規模臨床第2 相201 試験においては、事前に規定したlecanemab10 mg/kg bi-weekly 18 カ月静脈投与における解析結果は、脳内Aβ蓄積量減少(p<0.0001)とADCOMS*による臨床症状の悪化抑制(p<0.05)を示した。なお、12 カ月投与時における主要評価項目**は達成しなかった。
*ADCOMS:AD 複スコアは、早期AD の変化を、高感度の検出を目指し、ADAS-cog、MMSE、CDR の3 種の臨床評価尺度を組み合わせてエーザイが開発した評価指標。
** 投与12 カ月時点でADCOMSによる臨床症状の抑制がプラセボ投与群に比べて25%低下する確率が80%以上とする。

2022/07/05

抗アミロイドβプロトフィブリル抗体による早期アルツハイマー症の治療

07/05, Biogen, Eisai, Alzheimer's

The U.S. FDA Accepts and Grants Priority Review for EISAI’s Biologics License Application of Lecanemab for Early Alzheimer’s Disease Under the Accelerated Approval Pathway

エーザイが開発した早期アルツハイマー病に対する治療薬レカネマブの生物製剤承認申請(BLA)を米国FDAは加速承認制度の下で受理、優先審査指定を賦与し、PDUFA審査期限は2023年1月6日とされた。

2021/11/22

初期Alzheimer 病に対するaducanumab 2 本の第3 相試験, amyloid 関連画像異常が高率発現

11 月22 日、Biogen Inc.とエーザイが共同開発中のAlzheimer 病(AD)治療薬aducanumab の2本の第3 相試験EMERGE 試験およびENGAGE 試験の統合解析で、amyloid 関連画像異常(ARIA)が約40%の高率で発現していた結果がJAMA Neurol.誌に掲載された(JAMA Neurol.Published online November 22, 2021. doi:10.1001/jama neurol. 2021.4161)。

1. 統合解析からの知見

合計3,285 人の被験者を含む2 本の第3 相臨床試験(EMERGE 及びENGAGE)の統合安全性データセットにおいて、aducanumab 10 mg/kg の統合グループ(n =1,029)のうち425 人(41.3%)がARIA を経験した。これらのうち、ARIA 浮腫は362 人の患者(35.2%)に発生し、これらの患者の94 人(26.0%)は関連する症状(例えば、頭痛、錯乱、めまい、及び悪心)を経験した。また、ARIA-微小出血及びARIA-脳表ヘモジデリン沈着症は、それぞれ197 人の患者(19.1%)および151 人の患者(14.7%)に発生した。

2. 背景

aducanumab のEMERGE 及びENGAGE の第3 相無作為化臨床試験は、AD 又は軽度AD 認知症による軽度認知障害患者において、amyloid-β(Aβ)を標的とするmAb のaducanumab による治療で発生する、ARIA を特徴付ける確たるデータセットを提示した。

3. 目的

EMERGE及びENGAGEで発生したARIAのX線写真及び臨床的特徴を説明する。

4. 試験デザイン

20 カ国、348 施設における、2 本の二重盲検、placebo 対照、並行群間、第3 相無作為化臨床試験で、低用量及び高用量のaducanumab の治療をplacebo と比較したEMERGE 及びENGAGE 試験データの二次解析。統合解析は、placebo 対照期間中にplacebo(n= 1,087)又はaducanumab(n = 2,198;合計2,752 人年の曝露)を1 回以上投与された合計3.285 人のAD 患者データである。被験者は、4 週に1 回、高用量又は低用量の静脈内aducanumab 投与またはplacebo 投与のために1:1:1 に無作為に割り付けられた。

5. 結果

合計3,285 人のうち、2,661 人(81%)がAD による軽度の認知障害があり、1,777 人(54%)はAD の対症療法を使用していた。特に記載の無い限り、全て10 mg / kg 投与群の分析結果である。placebo 対照期間中に、1,029 人中425 人(41.3%)がARIA を経験し、14 人(1.4%)に重篤な症例が発生した。ARIA 浮腫(ARIA-E)が最も一般的な有害事象 [1029 件中362 件(35.2%)]であり、aducanumab の最初の8 回投与中に263 件の最初の有害事象(72.7%)が発生した。94 人(26.0%)が症候性であった。症候性ARIA-E 又はARIA-H の103 人に共通する関連症状は、頭痛[48(46.6%)]、錯乱[15(14.6%)]、めまい[11 (10.7%)]及び悪心[8 (7.8%)]であった。ARIAE発生率は、apolipoprotein Eε4 対立遺伝子carriers であるaducanumab 治療群で最も高かった。ARIA-E の殆ど [488 件中479 件(98.2%)]は、X 線写真で診断され、 488 件中404 件(82.8%)が16 週以内に解消した。placebo 群は、1,076 人中29 人(2.7%)がARIA-E を発症 [apolipoprotein Eε4 carriers:742 人中16 人(2.2%)、non-carriers;334 人中13 人(3.9%)]。ARIA-微小出血及びARIA-脳表ヘモジデリン沈着症は、それぞれ197 人(19.1%)及び151 人(14.7%)に発生した。

6. 結論

EMERGE 及びENGAGE の統合安全性データセットは、10 mg / kg 群で最も一般的な有害事象はARIA-E であった。これは、10 mg / kg 群の1,029 人のうち362 人(35.2%)に発生し、ベースライン後のMRI スキャンが少なくとも1 回行われ、94 人(26.0%)が関連する症状を経験した。最も多い関連症状は頭痛であった。(完)

(主な出典:https://jamanetwork.com/journals/jamaneurology/fullarticle/2786606他)

2021/11/12

アデュヘルム 第3 相臨床試験、アルツハイマー病の症状悪化抑制とバイオマーカーとの正の相関示す

Biogen Inc.(Biogen)とエーザイは、アデュヘルム(一般名:アデュカヌマブ)の第3 相試験における1,800 人以上の患者からの約7,000 の血漿サンプルのデータ解析により、アルツハイマー病(AD)における血漿リン酸化Tau の減少と認知機能と日常生活機能の低下抑制の間の統計的に有意な相関、ならびに血漿p-tau 181 の減少とアミロイドβ(Aβ)のプラーク減少の相関について発表した。
今回の解析において、アデュヘルムは、血漿p-tau 181 で定量されるAD の明確な特徴の一つであるTau の病理をプラセボと比較して用量および時間依存的に有意に減少させた。アデュヘルムによる治療を受けた患者において、血漿p-tau 181 の大幅な減少は、認知機能と日常生活機能の低下抑制と統計的に有意な相関を示した。さらに、血漿p-tau181 の変化とAβプラーク の減少の間にも統計的に有意な相関が見られ、AD の2 つの主要な病理学的特徴に対するアデュヘルムの効果が示された。

2021/09/27

早期Alzheimer病に対する抗amyloidβprotofibril抗体lecanemab BLAのRolling申請開始

9月27日、エーザイとBiogen Inc.(Biogen)は、抗amyloid β(Aβ) protofibril抗体lecanemab (BAN2401)について、エーザイがFDAに対し、早期Alzheimer病(早期AD)治療薬として、BLAのRolling 申請のプロセスを開始したと発表した。

1. lecanemab( BAN2401):

BioArctic AB(Sweden)とエーザイの共同研究から得られた、可溶性amyloidβ(Aβ)凝集体(protofibril)に対するヒト化mAbである。lecanemabは、ADを惹起させる因子の一つと考えられている、神経毒性を有するAβprotofibrilに選択的に結合して無毒化し、脳内から除去することでADの病態進行を抑制する疾患修飾作用が示唆されている。早期ADを対象にした大規模第2相201試験においては、事前に規定した18カ月投与における解析の結果は、脳内Aβ蓄積量の有意な減少(p<0.0001)とADCOMS*による臨床症状の悪化抑制(p<0.05)を示した。なお、12カ月投与時における主要評価項目は達成しなかった。201試験(コア期間)の後、投与を休止していたギャップ期間(平均24カ月)を経て、lecanemab 10 mg/kg 2週に1回投与(Q2W)の安全性と有効性を評価するOpen-Label Extension試験が進行中。

エーザイは、本抗体について、2007年12月にBioArcticとのライセンス契約により、全世界におけるADを対象とした研究・開発・製造・販売に関する権利を取得している。2014年3月に、エーザイとBiogenはlecanemabに関する共同開発・共同販促に関する契約を締結し、2017年10月に契約内容の一部を変更した。現在、第2相201試験のOpen-Label Extension試験および早期ADを対象に検証用の一本の第3相Clarity AD試験を実施中。また、2020年7月、ADのより早期ステージにあたる脳内Aβ蓄積が境界域レベル及び陽性レベルのプレクリニカルADを対象にした第3相AHEAD 3-45試験を米国のADおよび関連する認知症の学術的臨床試験のための基盤を提供するAlzheimer's Clinical Trials Consortium(ACTC)と共同で開始した。AHEAD 3-45試験はNIH、National Institute of Agingから資金提供を受けている。

2. lecanemab(BAN2401)のBLA提出:主として、Aβの脳内蓄積が確認された早期ADを対象にした第2b相201試験による臨床症状、バイオマーカーおよび安全性データに基づいて、加速承認制度を活用する。本試験結果は、lecanemabの高い脳内Aβ除去作用と複数の臨床評価項目で一貫した臨床症状の悪化抑制を示し、その脳内Aβ除去の程度と臨床評価項目の効果との相関は、Aβが臨床的有用性を予測する代替マーカーになり得ることを示唆している。ADは進行性の深刻な疾患であるが、治療選択肢が限られている。エーザイは、FDAとの協議の結果、加速承認制度を活用し、早期AD当事者とその家族、医療関係者に新たな治療の選択肢の提供をめざす。lecanemabは、2021年6月にBreakthrough Therapyの指定を受けた。

本BLAは、主に、Aβの脳内蓄積が確認されたADによる軽度認知障害(MCI)および軽度AD(総称して早期AD)の被験者856人を対象に、lecanemab投与による脳内Aβ量の減少と臨床症状の進行抑制に対する効果を評価するPOCを目的とした第2b相201コア試験結果に基づいている。本試験結果は2021年4月に査読付き学術誌に発表され、18カ月のlecanemab 10 mg/kg Q2W投与により、PET画像にて測定した脳内Aβ蓄積量( SUVr)をベースライン時の平均1.37 Unitから0.306 Unitに減少させ、被験者の80%以上は読影診断により脳内amyloid陰性化が確認された。(完)

(主な出典:https://www.eisai.co.jp/news/2021/news202177.html他)

2021/09/02

米国下院2 委員長、FDA 長官代理にAlzheimer 治療薬ADUHELMの承認審査の情報を要求

9 月2 日、米国下院エネルギー商業委員会Frank Pallone, Jr 委員長と下院監査政府改革委員会のCarolyn B. Maloney 委員長が、連名でFDA 長官代理Dr. Janet Woodcock 宛てに、BiogenのAlzheimer 病治療薬ADUHELM(aducanumab)の承認審査手順および加速承認の認可に関する情報の提出を求める書簡を9 月1 日付で送付したことを公表した。両委員長は、書簡の中で、ADUHELM の審査に関わるFDA の審査のプロセスに認められる明らかな異常な結論に懸念を抱いている」と述べている。

1. 両委員長の懸念: 

FDA への書簡は、去る7 月のBiogen へのADUHELM の承認情報提出要求の書館に続いて、FDA におけるADUHELM の承認プロセス、販売、および価格設定に関する両委員会が続けている調査の一部である。我々は、ADUHELM の承認審査を取り巻くFDA のプロセスに明らかな異常を懸念している。FDA は、ADUHELM の臨床上のベネフィットと加速承認経路の使用について、FDA のスタッフやFDA の末梢神経系および中枢神経系医薬品諮問委員会(PCNS 諮問委員会)のメンバーを含む専門家によって提起された懸念にもかかわらず、加速承認で認可したことである。また、医薬品の承認プロセス全体を通じて、FDA とBiogen の間で異常な調整が行われていたという報告にも懸念を示している。

2. amyloidβプラークの代替エンドポイントとしての適格性: 両委員長は、FDA とBiogenが、キャンセルされた臨床試験の事後解析から、薬剤が脳内のamyloid βプラークを正常に減少させることが示されたという主張に依存していることにも留意している。amyloid βプラークの減少とAlzheimer 病患者の認知機能低下の進行抑制との関連性は十分に確立されておらず、多くの専門家によって疑問視されている。ADUHELM の承認前は、FDA 自体は、amyloid βプラークの減少が臨床上のベネフィットをもたらす可能性のある代替エンドポイントであるとは考えておらず、薬剤の承認プロセスについて新たな追加の疑問を提起している。FDA の2021 年6 月7 日の、ADUHELM の加速承認を認可の発表に続いて、3 人のPCNS諮問委員会メンバーが抗議して辞任したことも注目している。

3. 医療・保険機関の対応:

それ以来、Cleveland Clinic 及びMount Sinai などの主要な医療センターは、ADUHELM を投与しないことを決定した。大規模な健康保険会社は、彼らの患者にADUHELM をカバーすることを拒否し、退役軍人省(VA)も、重大な有害事象のリスクと認知へのポジティブなインパクトの証拠の欠如からVA 米国国民医薬品集への追加収載をしなかった。

4. 将来への影響:

ADUHELM の承認は、Alzheimer 病の患者だけでなく、高齢者、連邦医療プログラム、Alzheimer 病やその他の疾病の治療薬の将来の研究、開発、承認にも広範囲にわたり影響を及ぼすことが懸念される。米国の人々がFDA と承認された薬の安全性と有効性に最大限の信頼を持ち続けることを保証し、将来の法律作成に情報を提供するために、ADUHELM を審査し承認したFDA のプロセスに関する詳細な情報が必要である。

5. Biogen とFDA スタッフとの関係: 

書簡の中で、両委員長は、医薬品の承認プロセス全体にわたるFDA とBiogen の間の非定型的な調整の報告について懸念を表明し、FDA とBiogen の間の相互作用は、医薬品開発中のスポンサーとFDA スタッフの関与に関するFDA独自のガイダンスに反している可能性があることを示している。7 月にFDA は、保健福祉省の監察総監室(HHS OIG)にFDA とBiogen の間の相互作用を調査するよう要求し、8 月にHHS OIG は、FDA と外部組織との相互作用とFDA の加速承認経路の実施方法を検討すると発表した。

6. FDA への要求:

両委員長は、透明性の向上のためのこれらの努力を称賛する一方で、明確な説明が今必要であり、アメリカ人、特にAlzheimer 病患者とその介護者は、OIG レポートが2023 年に完成する予定なので、それまで待つことは到底できないことも強調した。従って、両委員長は、FDA が2021 年9 月16 日までに以下を含む重要な情報を委員会に提出することを要求した。

1) ADUHELM が加速承認の基準を満たしているというFDA の決定を、PCNS 諮問委員会、FDA の生物統計局の内部専門家、および米国最大の医療センターと保険会社の一部の見解とどのように調整するか説明すること。ADUHELM の安全性と有効性に関するデータが不十分である。

2) FDA スタッフが関連する諮問委員会と意見の相違がある場合、および/または関連するFDA の専門家である審査官の間で、内部の意見に相違がある場合に、承認の決定を行うためのFDA のプロセスまたは関連ポリシー(ADUHELM の承認がこのプロセスから逸脱したかどうかに関する情報を含む)。

3) FDA がADUHELM の加速承認経路の使用の可能性について、庁内およびBiogen と最初に話し合った時期と、そのような話し合いへの参加者の詳細。

4) ADUHELM の承認に関係したFDA 職員とBiogen の間の相互作用に関する内部機関による調査または評価に関連する文書。

5) 臨床試験で評価された病期よりも幅広い効能を承認し、承認後にADUHELM のラベルの一変申請で効能の限定を承認するためのFDA の内部協議およびそのプロセスに関わる文書。

6) FDA とBiogen の代表者との間のすべての公式および非公式の会話と会議のリスト、および2018 年1 月以降のそれらの会話に関連するコミュニケーションを含むすべての文書、およびそのような会議がFDA のBest Practices に沿って記載されなかった理由の説明。

7) ADUHELM の承認書記載の加速承認の確認試験提出期限の設定について;FDA が最初にADUHELM の市販後第4 相試験についてBiogen と協議をした期日はいつか?市販後試験提出期限とした9 年間(2029 年8 月)のタイムラインはどのようにして合意されたのか、そして、深刻な疾病の治療法開発を目指す迅速プログラムの-医薬品(Subpart E)と生物薬品(Subpart H)に定められたFDA 独自のガイダンスを満たしているか?検証試験の最終プロトコルの提出が2022 年8 月で、迅速プログラムの方針に適合しておらず、臨床上のベネフィットを検証する確認試験を迅速に実施させるか?(完)

(主な出典:Chairs Pallone and Maloney Request Answers from FDA on the Approval Process for Alzheimer’s Drug Aduhelm | Democrats, Energy and Commerce Committee (house.gov)他)

2021/07/29

lecanemab(BAN2401)臨床効果、Alzheimer 病協会国際会議(AAIC)2021 Late Breaking で発表

7 月29 日、エーザイ(株)(エーザイ)とBiogen Inc.(Biogen)は、2021 年7 月26~30 日にバーチャル形式で開催されたAlzheimer 病協会国際会議(Alzheimer's Association International Conference: AAIC)2021 において、FDA からBreakthrough Therapy の指定を受けた抗amyloid β(Aβ)protofibril 抗体lecanemab(開発コード: BAN2401)について、Alzheimer 病(AD)による軽度認知障害(MCI)および軽度認知症(総称して早期AD)を対象にした臨床第2b 相POC 試験後のOpen-Label Extension(OLE:非盲検継続投与)試験で18 カ月投与の臨床効果の予備解析結果を口頭発表した(#57780)。

1. lecanemab:

Sweden のBioArctic AB とエーザイの共同研究から得られた、可溶性Aβ 凝集体(protofibril)に対するヒト化mAb である。lecanemab は、AD を惹起させる因子の一つと考えられている、神経毒性を有するAβ protofibril に選択的に結合して無毒化し、脳内からこれを除去することでAD の病態進行を抑制する疾患修飾作用が示唆されている。lecanemab は、現在、第3 相試験(Clarity AD)が進行中で、2021 年3 月に1,795 人の早期AD 被験者登録を完了、2022 年9 月末迄に主要評価項目の取得を目指している。

2. 第2 相201 試験及びOLE

lecanemab は、可溶性Aβ 凝集体のprotofibril に優先的に結合するヒト化mAb である。早期AD に対する第2b 相POC 試験(201 試験, n=856)の18 カ月投与(コア試験)において、脳内Aβ 量の減少と臨床症状の進行抑制を示した。201 試験のコア試験終了後、9〜59 カ月の無投与期間(ギャップ期間、コア試験におけるlecanemab の最後の投与からOLE の投与開始迄の期間:平均24 カ月)後に、lecanemab 10mg/kg IV、Q2W 投与を評価するOLE が実施された(コア試験参加者から180 人が登録)。lecanemab 治療による臨床効果は、コア試験の主要評価項目のADCOMS の調整後平均変化によって評価された。また、CDR-SB 及びADAS-Cog でも評価された。ADCOMS は0.00~1.97 のスコアで評価され、スコアが高い方がより臨床症状の進行を示す。

3. 疾患修飾効果の可能性

第2 相201 試験OLE の投与開始時に早期AD の被験者は、コア試験におけるlecanemab 投与による用量依存的な臨床効果の差がギャップ期間中も維持され、コア試験でlecanemab 10 mg/kg IV 投与群は、placebo 投与群との臨床症状の差を維持したまま推移した。ギャップ期間(コア試験後追跡調査時とOLE 投与開始時の間)のADCOMS による調整後平均変化は、Q2W 投与で0.11(0.07~0.18)、QM 投与で0.10(0.12~0.22)、placebo 投与で0.09(0.19~0.28)の増加(臨床症状進行)であった。CDR-SB とADAS-Cog においても同様の結果が観察された。ギャップ期間中、コア試験期間におけるすべての投与群で、主要評価項目による臨床症状の進行は同程度で、lecanemab の潜在的な疾患修飾効果を示唆している。

4. 脳内amyloid と治療との関係の可能性

血漿中Aβ 42/40 比の低値は、脳内amyloid の上昇の指標と認識され、201 試験のサブセットとして評価され。血漿中Aβ 42/40 比は、lecanemabの投与群で、コア試験期およびOLE 期間中に増加し、ギャップ期間中に減少することから、血漿中Aβ 42/40 比とlecanemab の治療との関連を示している可能性がある。lecanemab 治療に関連する血漿中Aβ 42/40 比の増加は、コア試験とOLE における治療に関連する脳内amyloid の減少と逆相関した。(完)

(主な出典:https://investors.biogen.com/news-releases/news-release-details/late-breaking-aaic-presentation-explores-potential-clinical他)

2021/06/07

抗アミロイドβ抗体によるアルツハイマー病の治療

 06/07, Eisai, Biogen, Alzheimer's, Anti-amyloid beta mAb

FDA grants accelerated approval for ADUHELM™ as the first and only Alzheimer’s disease treatment to address a defining pathology of the disease
  • FDAはアデュヘルム(ADUHELM)を、決定的な病因を標的とする最初で唯一のアルツハイマー病治療薬として加速承認した。

FDA、aducanumab をアルツハイマー病の病理に作用する最初て唯一の治療薬として加速承認

FDA がBiogen とエーザイのADUHELM™(一般名:aducanumab)について、脳内のアミロイドβプラークを減少させることにより、アルツハイマー病(AD)の病理に作用する最初で唯一のAD 治療薬として加速承認した。2020 年11 月開催のFDA 末梢・中枢神経系薬物諮問委員会(PCNSDAC)での本品のBLA 審議では、圧倒的多数で承認勧告を否決した。加速承認は、臨床的有用性(臨床症状の悪化抑制)の予測可能性が高いバイオマーカーであるアミロイドβプラークの減少に対するADUHELM の効果を実証した臨床試験データに基づいている。なお、加速承認の要件として、今後検証試験による臨床的有用性の確認が必要となる。承認書によれば、確認試験のプロトコル提出;10/2021、最終プロトコル提出;08/2022、確認試験終了;08/2029、最終報告書提出;02/2030 となっており、臨床上のベネフィットが未確認のまま、少なくとも10 年近く市場にあることになる。

2021/04/20

lecanemab(BAN2401)の早期アルツハイマー病に対する18 カ月の第2b 相臨床試験結果を公表

エーザイとBiogenが開発中の抗Amyloidβ(Aβ)protofibril抗体lecanemab(BAN2401)による早期アルツハイマー病(早期AD)に対する無作為化二重盲検POC 第2b相201 試験の結果がAlzheimer’s Research and Therapy 誌に掲載された。
本論文では、lecanemab の最高用量は、複数の臨床症状を評価する評価項目ならびにバイオマーカー指標において一貫した進行抑制を示したと結論付けている。現在、この結果の確認を目的とした臨床第3 相試験(Clarity AD)が進行中である。

ファーマセットLIBRARY> Alzheimer's, Amyloid beta

2020/08/07

FDA、バイオジェンのアルツハイマー病治療薬aducanumabのBLAを優先審査で受領

バイオジェンとエーザイが、アルツハイマー病(AD)治療薬候補aducanumabについて、バイオジェン提出のBLAがFDAに受理されたと発表した。本申請は、優先審査の指定を受け、PDUFA(Prescription Drugs User Fee Act)による審査終了目標日を2021年3月7日に設定されたが、FDAは、優先審査のもと、可能であれば本申請について、早期に審査を完了する予定であると伝えられていることも明らかにした。承認された場合、aducanumabはADの臨床症状の悪化を抑制する初めての治療法となり、かつ脳内amyloidβ(Aβ)の除去が臨床結果の改善をもたらすことを初めて実証した薬剤となる。
aducanumab (開発コード:BIIB037)は、ADの治療薬候補として開発された抗凝集amyloidβモノクローナル抗体である。軽度認知障害および軽度のAD患者の臨床試験データに基づき、疾患の原因となる病態生理に作用し、認知機能の低下(悪化)を抑制し、金銭管理、家事(掃除、買い物、洗濯など)や単独での外出などの日常生活動作におけるベネフィットが得られると期待される。

2018/08/29

Biogenとエーザイが開発中のAlzheimer 病治療薬aducanumab の第Ib 相長期継続投与(LTE)試験データを報告(8月29日)

Biogenとエーザイは、両社が共同開発中のアルツハイマー病(AD)に起因する軽度認知障害(MCI;mild cognitive impairment)および軽度AD 治療薬候補のaducanumab の第Ib 相臨床試験の長期継続投与(LTE)試験について、最近実施したデータ解析結果を発表した。
aducanumab(BIIB037)は、早期AD の治療薬候補として臨床試験中の化合物。aducanumabはヒト遺伝子組み換えmAb で、認知障害の兆候のない健康な高齢者集団または認知機能に障害がみられた高齢者で認知機能低下が非常に緩慢な人からリバース・トランスレーショナル・メディシン(Reverse Translational Medicine: RTM)と呼ばれるNeurimmune 社の技術基盤を活用して収集されたB 細胞の匿名化されたライブラリーに由来する。2017 年10 月22 日より、Biogen とエーザイの両社は、グローバルなaducanumab の開発ならびに製品化を共同で実施している。
LTE試験において、positron 放出断層撮影法(PET)により測定されたアミロイドプラークの値は、36 カ月の漸増用量群および48 カ月の固定用量群の患者において用量依存的・時間依存的に継続的に減少した。

2018/07/19

エーザイの抗アミロイドβ抗体BAN2401が早期アルツハイマー病患者の脳内amyloidβの蓄積を有意に減少(7月9日)


 エーザイとバイオジェンが共同開発中の抗amyloidβ(Aβ) protofibril 抗体BAN2401 の早期アルツハイマー病(AD)患者856 人に対する第2 相201 試験において、事前に設定した重要な評価項目を達成する最新結果(TLR)が得られた。 
201試験( NCT01767311)は、amyloid の脳内蓄積が確認されている、AD あるいは軽度のAD 型認知症による軽度の認知障害(MCI)(総称して早期AD)患者856 人を対象にした、placebo 対照、二重盲検、並行群間比較、無作為化、第2 相臨床試験である。今回の発表では、18 カ月の時点における有効性評価項目として、臨床症状の改善指標ADCOMS(Alzheimer’s Disease Composite Score)による進行抑制効果とamyloid-PETによる脳内amyloid 蓄積量の減少を統計学的有意差をもって達成した。 
欧米の大手製薬企業が認知症薬の研究開発から相次ぎ撤退しているなか、この製品が唯一開発を継続している。

リンク» アルツハイマー病

2018/01/08

抗アミロイドβプロトフィブリル抗体BAN2401 は早期アルツハイマー病第2相試験を継続する(12/21)

 エーザイとバイオジェンが共同開発中の抗アミロイドβプロトフィブリル抗体BAN2401の 第2相201試験は中間解析でベイジアン解析に基づく成功基準である主要評価項目を達成できなかった。事前に規定した12 ヵ月投与時点の早期終了条件は満たさなかったが、プロトコール通りに最終の18ヵ月時点まで投与を継続して包括的な解析を行う。最終解析結果は2018 年後半に得られる予定。
 BAN2401はアミロイドβ(Aβ)の中間体Aβプロトフィブリルを選択的に認識・除去するヒト化モノクローナル抗体である。Aβプロトフィブリルは神経変性過程を誘発・促進すると示唆されている。201試験はAβの脳内蓄積がバイオマーカーで確認済された早期アルツハイマー病患者を対象とした、placebo 対照、二重盲検、並行群間比較試験である。12 ヵ月時点の中間解析はエーザイが開発した評価指標「ADCOMS」(Alzheimer's Disease Composite Score)を用いて行われた。ベイジアン解析を用いて、最終時点でplacebo 群と比較して病勢悪化を25%以上抑制する確率が80%以上になるか否かを判定した。
 18 ヵ月時点の最終解析は、ADCOMSに加えて各種の臨床評価指標、さらにアミロイド PETで測定した脳のアミロイド蓄積量やMRIで測定した総海馬体積等の変化など、より包括的に評価される。

Link » エーザイ,  Biogen

2017/11/02

開発中のアルツハイマー病治療薬アヅカヌマブが3年間の長期投与で効果の持続を確認(11/2)

 バイオジェンとエーザイが共同開発中の抗アミロイドβ抗体である。P1b試験の終了後3年間にわたって継続した長期延長投与で効果の持続を確認し、現在進行中のP3試験を継続する。抗アミロイドβ抗体は、これまでにワイス(現ファイザー)のパピオネズマブ、リリーのソラネズマブ、ロシュのガンテネルマブが失敗しており、アヅカヌマブが唯一の開発品目となっている。アミロイド仮説に基づくアルツハイマー病治療薬の開発はAβ抗体だけでなく、BACE阻害剤でも失敗が相次いでいる。本年(2017年)2月にはメルクがフェーズ3段階まで進めて有望としていたベルベセスタットの開発を中止した。一方で、エーザイがバイオジェンと共同開発中のE2609は2016年10月に第3相臨床試験の症例登録を開始している。

アヅカヌマブがP1b試験終了後3年間の長期延長投与で効果持続を確認

Biogen Presents New Data from Long-Term Extension of Phase 1b Study of Investigational Alzheimer’s Disease Treatment Aducanumab 
November 2, 2017
  • バイオジェンとエーザイが共同開発中の抗アミロイドβ抗体アヅカヌマブがP1b試験終了後3年間の長期延長投与で効果持続を確認。P3試験を継続する。