2017/12/31

抗PCSK9抗体のコレステロール低下薬レパーサが「心臓発作および脳卒中に対する予防効能」を追加(12/1)

 アムジェンが開発したレパーサ(一般名:エボロクマブ)のFDAによる初回承認(2015年8月)は「家族性高コレステロール血症」および「動脈硬化性心血管疾患」を適応症としていた。初回の承認申請(BLA)には合計6800症例にのぼる10本のフェーズ3試験のデータが提出された。アムジェンはその後も2016年11月に、IVUS(血管内超音波検査)を用いた「グラゴブ(GLAGOV)試験」で動脈硬化プラークの退縮効果を証明し、本年(2017年)3月には2万7000症例を超える「フーリエ(FOURIER)心血管アウトカム試験」の成功を発表した。「心血管疾患患者における心臓発作および脳卒中の予防効果」が証明され、この効能を添付文書に記載する追加申請(sBLA)を7月に提出し、FDAは優先審査として受理していた。
 レパーサのグローバル売上高は2015年10億円、2016年140億円と低迷してきたが、直近3か月間(7-9月期)は90億円へと前年同期(40億円)と比べて倍増している。予防効能の承認を契機として、再来年(2019年)または2020年には1000億円を超えるブロックバスターへと成長する可能性が見えてきた。レパーサより1か月早く、2015年7月に承認されたプラルエント(サノフィ)の売上高は2015年80億円、2016年120億円であった。