中外製薬は、遺伝子変異解析プログラム「FoundationOne® CDx 癌ゲノムプロファイル」について、tyrosine kinase 阻害剤(TKI)ビジンプロ®錠(ダコチミニブ水和物)、TKIアルンブリグ®錠(ブリグチニブ)、非小細胞肺癌、ならびにBRAF 阻害剤ビラフトビ®カプセル(エンコラフェニブ)、およびMEK 阻害剤メクトビ®錠(ビニメチニブ)の悪性黒色腫の適応に対するコンパニオン診断(CDx)として、6 月2 日に厚生労働省より承認を取得したと発表した。
今回の承認により、FoundationOne CDx 癌ゲノムプロファイルにて活性型EGFR 遺伝子変異またはALK 融合遺伝子を判定することで、ダコチミニブ水和物およびブリグチニブの非小細胞肺がんに対する各々の薬剤の適応判定補助として利用が可能となる。また、BRAF 遺伝子変異を判定することで、 エンコラフェニブおよびビニメチニブ併用の悪性黒色腫に対する適応判定補助としての利用が可能となる。
2022/06/03
2022/04/15
大塚製薬、阪大とCD98 重鎖を認識する新規抗腫瘍抗体R8H283 の独占的ライセンス契約
国立大学法人大阪大学(大阪大学)と大塚製薬は、大阪大学大学院医学系研究科が同定したCD98 重鎖を認識する新規抗体R8H283 について、大阪大学が大塚製薬に全世界におけるR8H283 を利用した製剤の独占的な実施権を許諾する契約を締結したCD98 重鎖は、様々な組織で発現し、細胞膜上でCD98 軽鎖とヘテロ2量体を形成して、アミノ酸トランスポーターとして機能する。また、CD98 重鎖は複数の癌種において高発現していることが知られている。
R8H283は、大阪大学大学院医学系研究科の保仙直毅教授(血液・腫瘍内科学)らの研究グループで同定された抗CD98 重鎖抗体である。R8H283 は多発性骨髄腫(MM)に特異的な結合を示す。骨髄腫細胞と正常血液細胞に発現するCD98 重鎖の糖鎖修飾の違いがその骨髄腫特異性の原因である可能性を示唆した。さらに、マウスを用いた実験において、R8H283 の投与により、正常細胞が傷害されずに、骨髄腫細胞のみが特異的に排除されることを示した。本年2 月、動物モデルを用いた試験において、R8H283 が顕著な抗腫瘍効果を示したことを発表した。
R8H283は、大阪大学大学院医学系研究科の保仙直毅教授(血液・腫瘍内科学)らの研究グループで同定された抗CD98 重鎖抗体である。R8H283 は多発性骨髄腫(MM)に特異的な結合を示す。骨髄腫細胞と正常血液細胞に発現するCD98 重鎖の糖鎖修飾の違いがその骨髄腫特異性の原因である可能性を示唆した。さらに、マウスを用いた実験において、R8H283 の投与により、正常細胞が傷害されずに、骨髄腫細胞のみが特異的に排除されることを示した。本年2 月、動物モデルを用いた試験において、R8H283 が顕著な抗腫瘍効果を示したことを発表した。
2021/09/06
単回投与のCOVID-19 治療薬mAb sotrovimab の日本における製造販売承認申請をGSKが提出
グラクソスミスクライン(GSK)が、単回投与のモノクローナル抗体(mAb) sotrovimabについて、COVID-19 に対する治療薬として厚生労働省に製造販売承認申請を提出した。今回の承認申請では特例承認(SAE;Special Approval for Emergency)の適用を希望している。点滴静注で、COVID-19 における酸素療法を必要としない軽症~中等症で、かつ重症化リスクが高いと考えられる患者を投与対象にしている。FDA からは2021 年5 月26 日に緊急使用許可を、欧州医薬品庁(EMA)のヒト用医薬品委員会(CHMP)からは12 歳、体重40 kg 以上の個人への条件付使用、さらに、カナダ、イタリア、アラブ首長国連邦、シンガポール等では一時的承認を、またオーストラリアでは承認を取得している。
sotrovimab は、GSK と米国のVir Biotechnology, Inc.(Vir)が研究開発を進めているSARS-CoV-2 に対するmAb である。海外での第2/3 相COMET-ICE 試験では、1,057 例の有効性に関する主要解析において、投与29 日目までに24 時間を超える入院または死亡(死因を問わない)を、プラセボ と比較して79%低減した(p<0.001)。
sotrovimab は、GSK と米国のVir Biotechnology, Inc.(Vir)が研究開発を進めているSARS-CoV-2 に対するmAb である。海外での第2/3 相COMET-ICE 試験では、1,057 例の有効性に関する主要解析において、投与29 日目までに24 時間を超える入院または死亡(死因を問わない)を、プラセボ と比較して79%低減した(p<0.001)。
2021/07/19
抗体カクテル療法ロナプリーブ点滴静注、COVID-19 に対し、世界初の製造販売承認取得
厚生労働省は、中外製薬申請の初の軽度から中等度のCOVID-19 治療薬として、抗SARS-CoV-2 抗体ロナプリーブ(RONAPREVE)点滴静注セット300、同点滴静注セット1332 [カシリミマブ及びイムデビマブ]を特例承認として認可した。
承認は、COVID-19 患者を対象として海外で実施された第3 相REGN-COV 2067 試験成績、および日本人における安全性と忍容性、薬物動態の評価を目的とした国内第1 相臨床試験の成績に基づいている。ロナプリーブの国内供給は、日本政府との合意に基づいて2021 年分は確保されている。
現時点で、ロナプリーブ は日本以外の国では薬事承認されおらず、世界初の承認となった。
承認は、COVID-19 患者を対象として海外で実施された第3 相REGN-COV 2067 試験成績、および日本人における安全性と忍容性、薬物動態の評価を目的とした国内第1 相臨床試験の成績に基づいている。ロナプリーブの国内供給は、日本政府との合意に基づいて2021 年分は確保されている。
現時点で、ロナプリーブ は日本以外の国では薬事承認されおらず、世界初の承認となった。
2021/05/31
FoundationOne Liquid CDx、オラパリブのBRCA 変異陽性前立腺癌に対するCDx の承認取得
中外製薬は、FoundationOne® Liquid CDx 癌ゲノムプロファイルについて、PARP 阻害剤リムパーザ (一般名:オラパリブ) のBRCA 遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC) に対するコンパニオン診断として、厚生労働省より承認を取得した。
FoundationOne® CDx 癌ゲノムプロファイルとともに、組織またはliquid biopsy (血液検体)を用いた2 つの包括的ゲノムプロファイリング検査によりオラパリブの適応判定が可能となる。mCRPC 患者では組織検体の確保が課題となることがあるため、血液検体による検査は患者の治療を検討するための情報を得る検査として重要な選択肢となる。
今回の承認は、FoundationOne Liquid CDx 癌ゲノムプロファイルによりBRCA1/2 遺伝子変異を検出することで、エンザルタミド またはアビラテロン による前治療後に進行したBRCA1/2遺伝子変異陽性mCRPC に対するオラパリブ の使用について、適応判定の補助を可能にすることを目的としている。オラパリブのBRCA1/2 遺伝子変異陽性mCRPC における有効性・安全性は、第3 相PROfound 試験で検討され、2020 年12 月25 日にアストラゼネカが厚生労働省より承認を取得した。オラパリブ はアストラゼネカ およびMSD が共同開発・販売を行っている。
FoundationOne® CDx 癌ゲノムプロファイルとともに、組織またはliquid biopsy (血液検体)を用いた2 つの包括的ゲノムプロファイリング検査によりオラパリブの適応判定が可能となる。mCRPC 患者では組織検体の確保が課題となることがあるため、血液検体による検査は患者の治療を検討するための情報を得る検査として重要な選択肢となる。
今回の承認は、FoundationOne Liquid CDx 癌ゲノムプロファイルによりBRCA1/2 遺伝子変異を検出することで、エンザルタミド またはアビラテロン による前治療後に進行したBRCA1/2遺伝子変異陽性mCRPC に対するオラパリブ の使用について、適応判定の補助を可能にすることを目的としている。オラパリブのBRCA1/2 遺伝子変異陽性mCRPC における有効性・安全性は、第3 相PROfound 試験で検討され、2020 年12 月25 日にアストラゼネカが厚生労働省より承認を取得した。オラパリブ はアストラゼネカ およびMSD が共同開発・販売を行っている。
2021/05/14
エーザイと国立がん研究センター、PDX と癌ゲノムデータによる希少癌の治療薬開発研究
エーザイと国立研究開発法人国立がん研究センターは、治療効果予測能が高いPDX と癌ゲノムデータを用いた「希少癌ならびに難治性癌に対する抗癌剤開発を加速させる創薬研究手法に関する研究」を開始したと発表した。
本研究開発プロジェクトを通じて、アンメット・メディカル・ニーズの高い希少癌ならびに難治性癌に対する治療薬の創出に取り組む。本研究開発プロジェクトでは、国立がん研究センターが有する、日本人癌患者由来の腫瘍組織を免疫不全マウスに移植した動物モデルのPDX(Patient-Derived Xenograft)ライブラリーと癌ゲノムデータを用いて、エーザイが保有する新規抗癌剤候補の開発を加速し、薬事承認に繋げ、非臨床研究から臨床研究まで一貫した新規抗癌剤開発の創薬研究システムを確立する。本研究開発プロジェクトは、日本医療研究開発機構(AMED)医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)の支援により実施する。
本研究開発プロジェクトを通じて、アンメット・メディカル・ニーズの高い希少癌ならびに難治性癌に対する治療薬の創出に取り組む。本研究開発プロジェクトでは、国立がん研究センターが有する、日本人癌患者由来の腫瘍組織を免疫不全マウスに移植した動物モデルのPDX(Patient-Derived Xenograft)ライブラリーと癌ゲノムデータを用いて、エーザイが保有する新規抗癌剤候補の開発を加速し、薬事承認に繋げ、非臨床研究から臨床研究まで一貫した新規抗癌剤開発の創薬研究システムを確立する。本研究開発プロジェクトは、日本医療研究開発機構(AMED)医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)の支援により実施する。
2020/06/24
Weber氏の報酬は20億7300万円
本日の武田薬品株主総会において坂根取締役会議長が有価証券報告書に記載しているとして、回答を避けたCEO報酬の金額が明らかになりました。先ほど公開された有価証券報告書の112ページに記載されています。本来は総会前に招集通知書において公開しておくべきです。>2019年度有価証券報告書
考える会としては今日の総会での質問で、シャイアー買収に伴うROE等の業績指標の回復は未了だとの認識を共有していただく糸口を探りました。多少は理解されたと感じましたが、公表されたCEO報酬は考える会が推測したようにファイザーを抜いて、メルクに次いでグローバル医薬品企業の第2位まで来ました。
昨年の総会資料で報酬開示を公約し、事前質問が提出されていたのですから、タケダイズムを尊重するなら総会で回答して欲しかったとの思いは強くあります。また、成果に応じた報酬の供与が原則であるはずです。会社とのギャップがさらに広がった感があります。
社外取締役の報酬も今回はじめて開示されました。全員がほぼ一律4000万円という破格の報酬です。ちなみにファイザーの社外取締役報酬は2000万円から4000万円です。国内の標準1000万円前後を大きく上回る大盤振る舞いのおかげでタケダの社外取締役は全員がウェバーCEO・坂根議長コンビに同調し、コーポレート・ガバナンスが甘くなっているのではないでしょうか?。
2020/06/22
CAR T 細胞療法lisocabtagene maraleucel、r/r DLBCL に係る再生医療製品製造販売承認申請
ブリストルマイヤーズ スクイブ (BMS)のグループ、セルジーンの 抗CD19 自家CAR T 細胞療法lisocabtagene maraleucel(liso-cel 又は JCAR017)について、再発又は難治性大細胞型B細胞リンパ腫(r/rDLBCL)を対象とした再生医療等製品製造販売承認申請が行われた。
今回の承認申請は、再発・難治性B 細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)患者を対象とした海外第1 相臨床試験、及び再発又は難治性攻撃的B 細胞NHL 患者を対象とした国際共同第2相臨床試験における有効性、及び安全性結果に基づいている。治療対象の DLBCL は、NHL に該当し、びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫(DLBCL)などの複数の病型が含まれる。再発又は難治性大細胞型B 細胞リンパ腫に対する標準治療は確立しておらず、新たな治療法の開発が期待されている。
今回の承認申請は、再発・難治性B 細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)患者を対象とした海外第1 相臨床試験、及び再発又は難治性攻撃的B 細胞NHL 患者を対象とした国際共同第2相臨床試験における有効性、及び安全性結果に基づいている。治療対象の DLBCL は、NHL に該当し、びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫(DLBCL)などの複数の病型が含まれる。再発又は難治性大細胞型B 細胞リンパ腫に対する標準治療は確立しておらず、新たな治療法の開発が期待されている。
2020/04/27
国内COVID-19 ワクチン開発、BIKEN/アンジェスグループに続き、塩野義が着手を表明
塩野義製薬は、SARS-CoV-2 によるCOVID-19 に対する予防ワクチンの開発を決定したと発表した。塩野義製薬としては、感染症を重点疾患領域に掲げる製薬企業として、公的機関やアカデミア、パートナー企業と連携し、COVID-19 に対する治療薬の創製、ワクチンの開発ならびに抗体検査キットの提供に向けた取り組みを進めていく。
グループ会社のUMN ファーマは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援する研究開発課題である「COVID-19 ワクチン開発に関する研究」に2020 年3 月より参画し、UMN ファーマの有する昆虫細胞などを用いたタンパク発現技術を活用した組換えタンパク抗原の作製を進めている。
グループ会社のUMN ファーマは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援する研究開発課題である「COVID-19 ワクチン開発に関する研究」に2020 年3 月より参画し、UMN ファーマの有する昆虫細胞などを用いたタンパク発現技術を活用した組換えタンパク抗原の作製を進めている。
2020/03/30
CAR-T 細胞療法axicabtagene ciloleucel の国内承認申請
第一三共は、CD19 を標的とするキメラ抗原受容体T 細胞(CAR-T 細胞)療法axicabtagene ciloleucel(Axi-Cel)(KTE-C19;欧米承認名YESCARTA)について、再発又は難治性B 細胞リンパ腫に係る再生医療等製品製造販売承認申請を国内で行った。第一三共は、2017 年8 月にGilead Sciences に買収され、その傘下に入ったKite Pharma, Inc.(Kite)から、2017 年1 月に本品の国内における開発、製造及び販売の独占的権利を取得していた。
本申請は、Kite が実施したグローバル第1/2 相ZUMA-1 試験、および再発又は難治性のB 細胞リンパ腫を対象に第一三共が実施した国内第2 相臨床試験の結果に基づくものである。国内第2 相臨床試験は主要評価項目の奏効率の達成基準を満たしており、試験結果の詳細は今後、学会等にて公表する予定。本品は厚労省より、びまん性大細胞型B 細胞リンパ腫(DLBCL)、原発性縦隔(胸腺)大細胞型B 細胞リンパ腫(PMBCL)、形質転換濾胞性リンパ腫(TFL)および高悪性度B 細胞リンパ腫(HGBL)を対象として希少疾病用再生医療等製品指定を受けている。
本申請は、Kite が実施したグローバル第1/2 相ZUMA-1 試験、および再発又は難治性のB 細胞リンパ腫を対象に第一三共が実施した国内第2 相臨床試験の結果に基づくものである。国内第2 相臨床試験は主要評価項目の奏効率の達成基準を満たしており、試験結果の詳細は今後、学会等にて公表する予定。本品は厚労省より、びまん性大細胞型B 細胞リンパ腫(DLBCL)、原発性縦隔(胸腺)大細胞型B 細胞リンパ腫(PMBCL)、形質転換濾胞性リンパ腫(TFL)および高悪性度B 細胞リンパ腫(HGBL)を対象として希少疾病用再生医療等製品指定を受けている。
2019/11/25
東芝独自のmiRNA 検出技術を使用、血液1 滴から13 種類の癌を精度99%の検出技術を開発
東芝が、血液中のmicroRNA(miRNA)を使った簡便で高精度な癌の検出技術を開発した。同社独自の電気化学的なmiRNA 検出技術を活用することで、膵臓癌、乳癌など13 種類の癌の患者と健常者を2 時間以内に99%の精度で網羅的に識別できることを研究開発レベルで確認した。本成果は、同社と東京医大および国立癌研究センター研究所との共同研究によるものである。今後、早期の社会実装に向けて、2020 年から実証試験を開始する。本成果の詳細を12 月開催の第42 回日本分子生物学会年会で発表する。2~3 年以内の実用化を目指す。
2019/05/27
NEC、AI を活用した個別化癌免疫療法創薬事業に本格参入、2025 年事業価値3000 億円目標(5月27日)
NEC は、ヘルスケア事業強化の一環として、最先端人工知能(AI)技術群「NEC the WISE」を活用した癌等の先進的免疫療法に特化した創薬事業に本格参入すると発表した。
NEC は20 年間に渡り創薬領域におけるソリューションの開発を行ってきており、ネオアンチゲン予測システムを、公開されているデータベースと独自の実験データセットの両方によって開発してきた。この予測システムは、既に人での別の癌種の抗原の同定に利用されている。NEC は2018 年10 月に仏Transgene S.A.と固形癌の治療を目的とする、ネオアンチゲン による個別化免疫療法においてNEC のAI 予測技術と、Transgene のmyvac™ウイルスベクター技術基盤の治療能力を組み合わせて臨床評価を実施することに合意した。両社は、卵巣癌およびHPV 陰性頭頸部癌の臨床試験を含む個別化癌免疫療法の初期ステージを共同開発し、2019 年に個別化ネオアンチゲン ワクチンTG4050 の臨床試験の開始を予定している。Transgene は2019 年5 月13 日にFDA からTG4050 の卵巣癌に対するIND の許可を取得済みである。
癌患者自身が持つ潜在的な抗腫瘍能力の賦活化に関して、アミノ酸置換を伴う体細胞変異が高度になればなるほど、免疫チェックポイント阻害剤の抗PD-1 抗体あるいは抗CTLA-4 抗体による治療効果が高まるとの報告が増えている。このような遺伝子変異から生じたアミノ酸置換を有するネオアンチゲン がT 細胞の免疫応答に関与しやすい可能性を示唆する研究が増加しつつあることは注目される。
NEC は20 年間に渡り創薬領域におけるソリューションの開発を行ってきており、ネオアンチゲン予測システムを、公開されているデータベースと独自の実験データセットの両方によって開発してきた。この予測システムは、既に人での別の癌種の抗原の同定に利用されている。NEC は2018 年10 月に仏Transgene S.A.と固形癌の治療を目的とする、ネオアンチゲン による個別化免疫療法においてNEC のAI 予測技術と、Transgene のmyvac™ウイルスベクター技術基盤の治療能力を組み合わせて臨床評価を実施することに合意した。両社は、卵巣癌およびHPV 陰性頭頸部癌の臨床試験を含む個別化癌免疫療法の初期ステージを共同開発し、2019 年に個別化ネオアンチゲン ワクチンTG4050 の臨床試験の開始を予定している。Transgene は2019 年5 月13 日にFDA からTG4050 の卵巣癌に対するIND の許可を取得済みである。
癌患者自身が持つ潜在的な抗腫瘍能力の賦活化に関して、アミノ酸置換を伴う体細胞変異が高度になればなるほど、免疫チェックポイント阻害剤の抗PD-1 抗体あるいは抗CTLA-4 抗体による治療効果が高まるとの報告が増えている。このような遺伝子変異から生じたアミノ酸置換を有するネオアンチゲン がT 細胞の免疫応答に関与しやすい可能性を示唆する研究が増加しつつあることは注目される。
2018/04/09
タカラバイオ、大塚製薬とNY-ESO-1・siTCR 及びCD19・CAR 遺伝子治療の提携契約締結
タカラバイオ(タカラ)は、大塚製薬(大塚)とNY-ESO-1・siTCRTM 遺伝子治療薬(開発コード番号:TBI-1301、TBI-1301-A)及びCD19・CAR 遺伝子治療薬(開発コード番号:TBI-1501)の、日本国内における共同開発・独占販売に関する契約を締結した。
NY-ESO-1・siTCRTM 遺伝子治療は、 癌患者から採取したリンパ球(T 細胞)に癌細胞を特異的に認識するTCR 遺伝子を体外で導入し、培養によって増殖させた後に治療薬として患者に輸注する治療法である。TCR 遺伝子が導入されたリンパ球が、癌細胞を特異的に認識して攻撃し、消滅させる効果が期待される。現在、日本国内においては、滑膜肉腫を対象とした第1/2 相試験を実施中である。また本治療薬は2018 年3 月27 日に厚労省の『先駆け審査指定制度』の対象品目に指定されている。
CD19・CAR 遺伝子治療は、 急性リンパ芽球性白血病(ALL)を含む多くのB 細胞性リンパ腫およびB 細胞の表面に発現しているCD19 タンパク(抗原)を特異的に認識するCAR(キメラ抗原受容体)の遺伝子を、患者由来のリンパ球に導入し、再び輸注する治療法である。現在、日本国内においては、成人のALL に対する第1/2 相試験を実施中である。
NY-ESO-1・siTCRTM 遺伝子治療は、 癌患者から採取したリンパ球(T 細胞)に癌細胞を特異的に認識するTCR 遺伝子を体外で導入し、培養によって増殖させた後に治療薬として患者に輸注する治療法である。TCR 遺伝子が導入されたリンパ球が、癌細胞を特異的に認識して攻撃し、消滅させる効果が期待される。現在、日本国内においては、滑膜肉腫を対象とした第1/2 相試験を実施中である。また本治療薬は2018 年3 月27 日に厚労省の『先駆け審査指定制度』の対象品目に指定されている。
CD19・CAR 遺伝子治療は、 急性リンパ芽球性白血病(ALL)を含む多くのB 細胞性リンパ腫およびB 細胞の表面に発現しているCD19 タンパク(抗原)を特異的に認識するCAR(キメラ抗原受容体)の遺伝子を、患者由来のリンパ球に導入し、再び輸注する治療法である。現在、日本国内においては、成人のALL に対する第1/2 相試験を実施中である。
2016/03/22
国立がん研究センター、東京大学、第一三共による共同開発で悪性リンパ腫第1相試験開始
国立がん研究センターと東京大学、第一三共は、血液がんに対する新規分子標的薬としてエピジェネティックな ヒストンメチル化酵素EZH1 とEZH2 の二重阻害剤(DS-3201b)を共同開発し、成人T 細胞白血病リンパ腫(ATL)を含む悪性リンパ腫患者に対し、世界初の人に投与するfirst-in-human試験として第1 相試験を開始した。
国立がん研究センター研究所の造血器腫瘍研究分野 北林一生研究分野長のグループは、癌幹細胞の維持に必須な酵素としてEZH1/2を発見し、2 つの酵素をともに阻害することで、癌幹細胞を根絶、治療抵抗性を打破し、再発を抑制することを示唆する研究成果を得ている。これまでの非臨床試験で急性骨髄性白血病や非ホジキンリンパ腫に有効であることが示唆されている。
東京大学大学院新領域創成科学研究科の渡邉俊樹教授、山岸誠特任助教のグループが、ATL の発症と進展にEZH1/2 に依存的なエピゲノム異常があることを発見した。さらに、正常細胞に比べ、ATL 細胞はEZH1/2 によるエピゲノム変化に強く依存した細胞であるため、EZH1/2 の二重阻害は非常に高感度かつ特異的にATL 細胞の生存能を低下させることが判明した。また、ATL の原因となるヒトT 細胞白血病ウイルスI 型(HTLV-1)キャリアの血液細胞にこの阻害剤を処理することにより、感染細胞が選択的に除去されることを見出している。
国立がん研究センター研究所の造血器腫瘍研究分野 北林一生研究分野長のグループは、癌幹細胞の維持に必須な酵素としてEZH1/2を発見し、2 つの酵素をともに阻害することで、癌幹細胞を根絶、治療抵抗性を打破し、再発を抑制することを示唆する研究成果を得ている。これまでの非臨床試験で急性骨髄性白血病や非ホジキンリンパ腫に有効であることが示唆されている。
東京大学大学院新領域創成科学研究科の渡邉俊樹教授、山岸誠特任助教のグループが、ATL の発症と進展にEZH1/2 に依存的なエピゲノム異常があることを発見した。さらに、正常細胞に比べ、ATL 細胞はEZH1/2 によるエピゲノム変化に強く依存した細胞であるため、EZH1/2 の二重阻害は非常に高感度かつ特異的にATL 細胞の生存能を低下させることが判明した。また、ATL の原因となるヒトT 細胞白血病ウイルスI 型(HTLV-1)キャリアの血液細胞にこの阻害剤を処理することにより、感染細胞が選択的に除去されることを見出している。
2015/09/04
厚生労働省が医薬品産業の強化総合戦略を発表
「医薬品産業強化総合戦略~グローバル展開を見据えた創薬~」を策定しました
この度、厚生労働省において、「医薬品産業強化総合戦略~グローバル展開を見据えた創薬~」を策定しましたので、公表します。
「経済財政運営と改革の基本方針2015(以下「骨太の方針2015」という)」には、「臨床上の必要性が高く将来にわたり継続的に製造販売されることが求められる基礎的な医薬品の安定供給、成長戦略に資する創薬に係るイノベーションの推進、真に有効な新薬の適正な評価等を通じた医薬品産業の国際競争力強化に向けた必要な措置を検討する。」と盛り込まれました。
この総合戦略は、骨太の方針2015も踏まえ、「後発医薬品80%時代」において、「国民への良質な医薬品の安定供給」・「医療費の効率化」・「産業の競争力強化」を三位一体で実現するための医薬品産業の競争力強化に向けた緊急的・集中実施的な戦略であり、「革新的医薬品・医療機器創出のための官民対話」等での関係者の意見も踏まえて策定するものです。
「後発医薬品80%時代」においても、「国民への良質な医薬品の安定供給」・「医療費の効率化」・「産業の競争力強化」を三位一体で実現するため、医薬品産業の競争力強化に向けた緊急的・集中実施的な総合戦略を策定する。
.Link. PARライブラリー ➔業界動向
「後発医薬品80%時代」においても、「国民への良質な医薬品の安定供給」・「医療費の効率化」・「産業の競争力強化」を三位一体で実現するため、医薬品産業の競争力強化に向けた緊急的・集中実施的な総合戦略を策定する。
.Link. PARライブラリー ➔業界動向
2014/07/04
抗PD-1抗体の悪性黒色腫治療薬nivolumabが世界に先駆けて日本で初承認を取得
抗PD-1抗体nivolumabは小野薬品が開発し、導出先のブリストル・マイヤーズ(BMS)が日本などを除く全世界の開発・販売権を取得して悪性黒色腫、腎細胞がん、さらに非小細胞肺がんへと対象を拡大しながらP3段階に達している。
小野薬品は製品名を「オプジーボ」(OPDIVO)として点滴静注20mg、100 mgの剤形で2013 年12 月に国内申請、厚労省は「根治切除不能な悪性黒色腫」の治療薬として申請から8カ月で承認した。
➔小野薬品リリース 「PD-1 は、リンパ球の表面にある受容体の一種で、生体において活性化したリンパ球を抑制するシステム(負のシグナル)に関与しています。がん細胞は、このシステムを利用して免疫反応から逃れているという研究成績が報告されています。オプジーボは、リンパ球を抑制するPD-1 の働き(PD-1 と結合するPD-L1 およびPD-L2 との相互作用)を抑制することで、がん細胞を異物と認識してこれを排除する免疫反応を亢進することにより有効性が期待されている薬剤です。なお、オプジーボはPD-1を標的とする治療薬としては、世界で初めて製造販売承認を取得した薬剤となります。」
PAR PD-1 免疫チェックポイント阻害薬nivolumab はブリストル・マイヤーズ(BMS)が小野薬品からライセンス導入して日本などを除く全世界の開発・販売権を取得。非小細胞肺がん、腎細胞がん、悪性黒色腫を対象にP3段階に達している。2014年中には、扁平上皮性非小細胞性肺癌の治療薬としてローリング申請を開始する予定。
競合品となるメルク(MSD)の抗PD-1抗体MK-3475は2013年4月に進行性悪性黒色腫でFDAのBT指定を受け、2014年1月に「ローリング申請」を開始している。
小野薬品は製品名を「オプジーボ」(OPDIVO)として点滴静注20mg、100 mgの剤形で2013 年12 月に国内申請、厚労省は「根治切除不能な悪性黒色腫」の治療薬として申請から8カ月で承認した。
➔小野薬品リリース 「PD-1 は、リンパ球の表面にある受容体の一種で、生体において活性化したリンパ球を抑制するシステム(負のシグナル)に関与しています。がん細胞は、このシステムを利用して免疫反応から逃れているという研究成績が報告されています。オプジーボは、リンパ球を抑制するPD-1 の働き(PD-1 と結合するPD-L1 およびPD-L2 との相互作用)を抑制することで、がん細胞を異物と認識してこれを排除する免疫反応を亢進することにより有効性が期待されている薬剤です。なお、オプジーボはPD-1を標的とする治療薬としては、世界で初めて製造販売承認を取得した薬剤となります。」
PAR PD-1 免疫チェックポイント阻害薬nivolumab はブリストル・マイヤーズ(BMS)が小野薬品からライセンス導入して日本などを除く全世界の開発・販売権を取得。非小細胞肺がん、腎細胞がん、悪性黒色腫を対象にP3段階に達している。2014年中には、扁平上皮性非小細胞性肺癌の治療薬としてローリング申請を開始する予定。
競合品となるメルク(MSD)の抗PD-1抗体MK-3475は2013年4月に進行性悪性黒色腫でFDAのBT指定を受け、2014年1月に「ローリング申請」を開始している。
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