株式会社ティムス(TMS Co., Ltd.)(本社:府中市)は、急性期脳梗塞患者を対象とした前期第2 相臨床試験段階にある開発品TMS-007 注射剤の導出について、独占的オプション契約をBiogen と締結したと発表した。
TMS-007 は、糸状菌Stachybotrys microspora IFO30018 株が生産するtriprenyl phenol を基本骨格とする新規化合物群で、頭文字をとってSMTP とも呼ばれる。
低分子化合物で、生体が本来有している血栓除去作用の増強作用と、血栓部位の炎症抑制作用の、2 つの作用を有すると考えられている。TMS-007 の血栓除去作用は、プラスミノーゲン のコンフォメーション(立体構造)の変化に基づくプラスミノーゲンのフィブリン への結合とプラスミン への活性化の促進に基づくとされている。これにより血栓が存在する局所において血栓溶解が促進され、出血リスクの少ない血栓溶解が可能になると期待されている。また、可溶性epoxide hydrolase を阻害することによる抗炎症作用は、虚血再灌流により引き起こされる血管障害を緩和する機能を有すると考えられている。
TMS社は、東京農工大学大学院農学研究院 蓮見惠司教授の研究成果の実用化をミッションとして 2005 年2 月17 日に設立された。これまで新株発行等により約11 億円の資金調達を行い、パイプラインの充実を図ってきた。