2019/02/18

アストラゼネカの次世代RSウイルス予防薬MEDI8897 をFDAがBreakthrough Therapy に指定(2月5日)

 MEDI8897 はRSVウイルスによって引き起こされる下気道感染症(LRTI)の予防薬であり、持続性を高めて半減期を延長させたRS ウイルスF タンパク質に対するモノクローナル抗体(mAb)である。RSウイルスに対する唯一の治療薬として、ハイリスクの乳児に限定して承認されているシナジス(一般名:パリビズマブ)よりも幅広い乳児集団に使用できると期待されている。現行標準療法の毎月1 回投与に対して、MEDI8897はRSウイルス 流行シーズンの5カ月間に1 回の投与で予防効果が期待されている。
 安全性と有効性を評価したフェーズ2b試験の結果を根拠としてBreakthrough Therapyの指定を受けた。この試験では「健常な早産の乳児に投与後150 日の間に、PCR で確認されたRSウイルス 感染により医療処置を受けたLRTI の発生率の統計学的に有意な減少」と定義された主要評価項目が満たされた。
 RSウイルスは世界中の乳児や幼児のLRTI の最も一般的な病因で、90%の子供が生後2 年以内に感染し、40%の子供が最初のLRTI を発症する。米国では、唯一の承認予防薬であるシナジスの効能は、妊娠35 週以下の早産の乳児、慢性肺疾患の小児あるいは血液学的に重度の慢性心疾患の小児への使用に制限されている。

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