1. TRODELVY(sacituzumab govitecan-hziy)の初回承認:
2018 年5 月申請、2019 年1 月CRL受領、2019 年12 月再申請、2020 年4 月に 加速承認の下で承認された。承認条件として、臨床上のベネフィットの確認試験の終了2020 年4 月、最終報告提出期限が2020 年10 月に設定されていた。今回のsBLA は、2020 年11 月23 日に提出し、本日4 月7 日に臨床上のベネフィットとして全生存期間の改善の証明が認められ、標準承認への移行が認められた。
2. 確認試験の第3 相ASCENT 試験:
2. 確認試験の第3 相ASCENT 試験:
非盲検、実薬対照、無作為化、比較試験で、2 回以上の全身療法(taxane を含む)を受け、少なくとも1 回の転移病巣への治療歴の有る、再発/難治性、転移性TNBC の500 人以上の患者が登録された。患者は、TRODELVY または臨床試験担当医によって選択された化学療法のいずれかを受けるように無作為化された。主要有効性評価項目は、ベースライン時点で脳転移の無い患者の無増悪生存期間(PFS)であり、基準としてRECISTv1.1 を使用した盲検下独立中央審査によって測定された。追加の有効性の判定には、全患者集団(脳転移のある患者と無い全の患者)のPFS と全生存期間(OS)が含まれていた。
3. 今回の一変承認の根拠:
3. 今回の一変承認の根拠:
この承認は、TRODELVY が確認試験で統計的に有意に臨床的に意義のある病勢悪化または死亡のリスク [無増悪生存期間(PFS)]を57%低下させた。TRODELVY 治療群のPFS の中央値を対照の化学療法1.7 カ月から4.8 カ月に延長した第3 相ASCENT 試験データで裏付けられている(HR:0.43; 95%CI:0.35-0.54; p <0.0001)。TRODELVYはまた、全生存期間(OS)の中央値を、化学療法の6.9 か月に対して11.8 カ月に延長し(HR:0.51; 95%CI:0.41-0.62; p <0.0001)、死亡のリスクを49%減少させた。
4. TRODELVY:
4. TRODELVY:
本品は、TNBC を含む複数のタイプの上皮性腫瘍で頻繁に発現しているタンパク質のTrop-2 受容体を対象にしており、この受容体の高発現は、生存率の低下と再発に関連している。TRODELVY がFDA 承認される前は、それまでに治療を受けてきた転移性TNBC 患者は、この高いアンメットニーズの設定では治療の選択肢がほとんど存在しなかったことから新たな治療の選択肢の出現が切望されたいた。FDA は、第1/2 相試験における奏効率と奏効期間に基づいて、上記のように2020 年4 月にTRODELVY を加速承認で認可した。本日の承認により、これまでのTRODELVY の効能を拡大し、2 回以上の全身療法を受け、うち少なくとも1 回の転移性疾患に対する治療歴の有る、切除不能、局所進行、または転移性TNBC の成人患者の治療が継続されることになった。
5. TNBC:
5. TNBC:
攻撃的なタイプの乳癌で、全ての乳癌の約15%を占めている。この疾患は、若くて閉経前の女性により頻繁に診断され、アフリカ系アメリカ人とヒスパニック系の女性により多く認められる。 TNBC 細胞は、estrogen およびprogesteron 受容体を有さず、HER 2 発現も制限されている。したがって、これらの受容体を標的とする治療薬は、通常、TNBC の治療に効果的ではない。