2019/06/07

経口DNA メチル化阻害配合剤ASTX727、骨髄異形成症候群に対する第3相試験に成功


大塚製薬の米子会社Astex Pharmaceuticals, Inc.(Astex)が開発中の骨髄異形成症候群(MDS)を対象とした抗癌剤で、経口DNA メチル化阻害配合剤ASTX727 の第3 相試験でポジティブな結果が得られた。本剤は2014 年にEisai Inc.から権利を取得した。本剤は、DNA メチル化阻害剤DACOGEN(decitabine)に新規代謝酵素阻害剤cedazuridine を加えた世界初の経口DNA メチル化阻害配合剤である。
第3 相試験は、18 歳以上の未治療の中間~高リスクMDS 患者を対象にした、本剤と静注用(IV)decitabine の多施設共同、無作為化、非盲検、クロスオーバー比較試験である。被験者は本剤を1 日1 回(QD)5 日間服用後、23 日間休薬することを1 サイクルとする群と、対照薬であるIV 製剤decitabine 20 mg/m2 QD、5 日間静注後、23 日間休薬することを1 サイクルとする群に1:1 に無作為に割り付けた。1 サイクル終了後に投与薬剤を入れ替え、3 サイクル目以降は両群とも本剤を投与するというデザインで、本剤ならびにIV decitabineの薬物動態および薬力学、安全性、忍容性を比較検討した。
主要評価項目であるASTX727 群とIV decitabine 群の5 日間の有効成分のdecitabine の暴露量を2 サイクル終了後のデータで比較して同等性が証明された。また、副次評価項目の安全性と忍容性ならびに薬力学評価では、IV decitabine 群と同程度であった。現在承認済みのメチル化阻害剤は、静注製剤のため通院治療が必要となるが、経口剤ASTX727 はMDS 患者の負担を減らせることから、新治療の選択肢になると考えられる。