第一三共が、開発中のエピジェネテティックス領域の低分子医薬品で、遺伝子の発現を抑制するヒストンメチル化酵素の EZH1とEZH2阻害を阻害する二重阻害剤バレメトスタットの、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)に対する第 2相VALENTINE-PTCL01 試験の有効性および安全性データを第66回米国血液学会(ASH)年次総会で初めて公表した。
バレメトスタットは、EZH1 及び EZH2 を阻害することで、不活性化された腫瘍抑制遺伝子などを再 活性化することにより、癌細胞の増殖が阻害されるとされている。EZH1とEZH2の両方を 阻害する方が、一方のみよりも血液癌の増殖阻害効果が高いことが前臨床で示唆されている。
R/R成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)治療薬として日本で承認されている。今回は、非盲検、単群、グローバル、第2相VALENTINE-PTCL01試験 (DS3201-A-U202; NCT04703192)で、バレメトスタットで治療されたR/R PTCL患者の主要結果の報告である。
2023/12/09
2020/09/01
DNAメチル化阻害薬アザシチジンによる急性骨髄性白血病の治療
09/01 BMY, Epigenetics, AML
U.S. Food and Drug Administration Approves Onureg® (azacitidine tablets), a New Oral Therapy, as Continued Treatment for Adults in First Remission with Acute Myeloid Leukemia
U.S. Food and Drug Administration Approves Onureg® (azacitidine tablets), a New Oral Therapy, as Continued Treatment for Adults in First Remission with Acute Myeloid Leukemia
急性骨髄性白血病(AML)成人患者の初回緩解期に投与する治療薬としてDNAメチル化阻害薬アザシチジンの経口剤Onuregu(オヌレグ?)をFDAが承認した。ブリストルマイヤーズ・スクイブ(BMY)が買収したセルジーンが注射剤として開発し、2004年に骨髄異形成症候群(MDS)治療薬として発売したVidaza(ビダーザ)を錠剤とした。BMYが2019年に計上したビダーザの売上高は前年比2%増6億ドル(650億円)だった。国内では日本新薬がセルジーンに買収される直前のPharmionから導入しており、2020年3月期売上高はほぼ150億円だった。
2020/05/01
エピジェネティクス制御薬CC-486による急性骨髄性白血病の治療
05/01 BMY, Epigenetics, AML
U.S. Food and Drug Administration (FDA) Accepts for Priority Review Bristol Myers Squibb’s Application for CC-486 for Maintenance Treatment of Adult Patients in Remission with Acute Myeloid Leukemia
ブリストルマイヤーズ・スクイブはエピジェネティクス制御薬CC-486を急性骨髄性白血病の寛解期にある成人患者の維持療法として承認申請を提出、FDAはこれを優先審査とした。
2020/01/23
EZH2 阻害剤TAZVERIK(tazemetostat)を類上皮肉腫治療薬としてFDAが加速承認
Epigenetic 治療薬開発に特化しているバイオ医薬品企業Epizyme, Inc. (Epizyme)が開発中の、ヒストンメチルトランスフェラーゼ、EZH2 阻害剤TAZVERIK(一般名:tazemetostat)錠について、FDAは、成人および16歳以上の小児患者の、完全切除が不適な転移性または局所進行類上皮肉腫治療薬として、第2 相臨床試験における奏効率と奏効期間に基づいて加速承認を認可した。NDA 提出は2019 年5 月23 日。
本効能は、奏効率と奏効期間に基づいて加速承認の下で、優先審査並びに希少病薬の指定も受けて承認された。本効能を継続的に維持するには、確認試験での臨床上のベネフィットを検証し、ラベルへの記載(一変申請)が承認条件である。
転移性または局所性進行類上皮肉腫の患者を対象とした、多施設、非盲検、単一群ホート(コホート5) からなるEZH-202 試験(NCT02601950)において、TAZVERIKの投与を受けた合計62 人中、ORR(95%信頼区間)は15%(7%、26%)で、1.6%の患者が完全奏効、13%が部分奏効を達成した。67%が6 カ月それ以上の奏効期間を達成した。
本効能は、奏効率と奏効期間に基づいて加速承認の下で、優先審査並びに希少病薬の指定も受けて承認された。本効能を継続的に維持するには、確認試験での臨床上のベネフィットを検証し、ラベルへの記載(一変申請)が承認条件である。
転移性または局所性進行類上皮肉腫の患者を対象とした、多施設、非盲検、単一群ホート(コホート5) からなるEZH-202 試験(NCT02601950)において、TAZVERIKの投与を受けた合計62 人中、ORR(95%信頼区間)は15%(7%、26%)で、1.6%の患者が完全奏効、13%が部分奏効を達成した。67%が6 カ月それ以上の奏効期間を達成した。
2019/12/10
遺伝子低メチル化剤CC-486による急性骨髄性白血病の維持療法
- Bristol-Myers Squibb Presents Overall Survival and Safety Data From Pivotal CC-486 Study QUAZAR AML-001 (ブリストルマイヤーズ・スクイブがCC-486の申請用臨床試験から全生存期間と安全性に関するデータを発表した)
- CC-486はエピジェネティック作用を有する遺伝子低メチル化剤である。新たに診断され集中的な導入化学療法により症状が緩和した急性骨髄性白血病(AML)患者の維持療法としてCC-486を一次選択薬として投与した。投与群238例とプラセボ群234例を比較した結果、全生存期間の中央値24.7か月はプラセボ群14.8か月に対してハザード比0.65(95%CI:0.55,0.81) p=0.0001となった。
2019/06/07
経口DNA メチル化阻害配合剤ASTX727、骨髄異形成症候群に対する第3相試験に成功
大塚製薬の米子会社Astex Pharmaceuticals, Inc.(Astex)が開発中の骨髄異形成症候群(MDS)を対象とした抗癌剤で、経口DNA メチル化阻害配合剤ASTX727 の第3 相試験でポジティブな結果が得られた。本剤は2014 年にEisai Inc.から権利を取得した。本剤は、DNA メチル化阻害剤DACOGEN(decitabine)に新規代謝酵素阻害剤cedazuridine を加えた世界初の経口DNA メチル化阻害配合剤である。
第3 相試験は、18 歳以上の未治療の中間~高リスクMDS 患者を対象にした、本剤と静注用(IV)decitabine の多施設共同、無作為化、非盲検、クロスオーバー比較試験である。被験者は本剤を1 日1 回(QD)5 日間服用後、23 日間休薬することを1 サイクルとする群と、対照薬であるIV 製剤decitabine 20 mg/m2 QD、5 日間静注後、23 日間休薬することを1 サイクルとする群に1:1 に無作為に割り付けた。1 サイクル終了後に投与薬剤を入れ替え、3 サイクル目以降は両群とも本剤を投与するというデザインで、本剤ならびにIV decitabineの薬物動態および薬力学、安全性、忍容性を比較検討した。
主要評価項目であるASTX727 群とIV decitabine 群の5 日間の有効成分のdecitabine の暴露量を2 サイクル終了後のデータで比較して同等性が証明された。また、副次評価項目の安全性と忍容性ならびに薬力学評価では、IV decitabine 群と同程度であった。現在承認済みのメチル化阻害剤は、静注製剤のため通院治療が必要となるが、経口剤ASTX727 はMDS 患者の負担を減らせることから、新治療の選択肢になると考えられる。
第3 相試験は、18 歳以上の未治療の中間~高リスクMDS 患者を対象にした、本剤と静注用(IV)decitabine の多施設共同、無作為化、非盲検、クロスオーバー比較試験である。被験者は本剤を1 日1 回(QD)5 日間服用後、23 日間休薬することを1 サイクルとする群と、対照薬であるIV 製剤decitabine 20 mg/m2 QD、5 日間静注後、23 日間休薬することを1 サイクルとする群に1:1 に無作為に割り付けた。1 サイクル終了後に投与薬剤を入れ替え、3 サイクル目以降は両群とも本剤を投与するというデザインで、本剤ならびにIV decitabineの薬物動態および薬力学、安全性、忍容性を比較検討した。
主要評価項目であるASTX727 群とIV decitabine 群の5 日間の有効成分のdecitabine の暴露量を2 サイクル終了後のデータで比較して同等性が証明された。また、副次評価項目の安全性と忍容性ならびに薬力学評価では、IV decitabine 群と同程度であった。現在承認済みのメチル化阻害剤は、静注製剤のため通院治療が必要となるが、経口剤ASTX727 はMDS 患者の負担を減らせることから、新治療の選択肢になると考えられる。
2019/04/09
厚生労働省、エピジェネティック薬valemetostat(DS-3201)を「先駆け審査指定制度」対象品目に指定
第一三共(株)のエピジェネティックEZH1/2 阻害薬valemetostat (DS-3201)が,再発または難治性末梢性T 細胞リンパ腫(PTCL)の治療を対象に、厚生労働省から先駆け審査指定制度の対象品目に指定された。
今回の先駆け審査指定は、再発または難治性PTCLを含む非ホジキンリンパ腫患者を対象に、本剤の安全性と予備的有効性を評価した第1 相臨床試験の中間解析結果に基づいている。本剤は、現在、日本及び米国において、PTCL を含む非ホジキンリンパ腫患者を対象とした第1 相臨床試験を実施中。また、米国において急性骨髄性白血病(AML)及び急性リンパ性白血病(ALL)患者を対象とした第1相臨床試験が進行中。
今回の先駆け審査指定は、再発または難治性PTCLを含む非ホジキンリンパ腫患者を対象に、本剤の安全性と予備的有効性を評価した第1 相臨床試験の中間解析結果に基づいている。本剤は、現在、日本及び米国において、PTCL を含む非ホジキンリンパ腫患者を対象とした第1 相臨床試験を実施中。また、米国において急性骨髄性白血病(AML)及び急性リンパ性白血病(ALL)患者を対象とした第1相臨床試験が進行中。
2016/03/22
国立がん研究センター、東京大学、第一三共による共同開発で悪性リンパ腫第1相試験開始
国立がん研究センターと東京大学、第一三共は、血液がんに対する新規分子標的薬としてエピジェネティックな ヒストンメチル化酵素EZH1 とEZH2 の二重阻害剤(DS-3201b)を共同開発し、成人T 細胞白血病リンパ腫(ATL)を含む悪性リンパ腫患者に対し、世界初の人に投与するfirst-in-human試験として第1 相試験を開始した。
国立がん研究センター研究所の造血器腫瘍研究分野 北林一生研究分野長のグループは、癌幹細胞の維持に必須な酵素としてEZH1/2を発見し、2 つの酵素をともに阻害することで、癌幹細胞を根絶、治療抵抗性を打破し、再発を抑制することを示唆する研究成果を得ている。これまでの非臨床試験で急性骨髄性白血病や非ホジキンリンパ腫に有効であることが示唆されている。
東京大学大学院新領域創成科学研究科の渡邉俊樹教授、山岸誠特任助教のグループが、ATL の発症と進展にEZH1/2 に依存的なエピゲノム異常があることを発見した。さらに、正常細胞に比べ、ATL 細胞はEZH1/2 によるエピゲノム変化に強く依存した細胞であるため、EZH1/2 の二重阻害は非常に高感度かつ特異的にATL 細胞の生存能を低下させることが判明した。また、ATL の原因となるヒトT 細胞白血病ウイルスI 型(HTLV-1)キャリアの血液細胞にこの阻害剤を処理することにより、感染細胞が選択的に除去されることを見出している。
国立がん研究センター研究所の造血器腫瘍研究分野 北林一生研究分野長のグループは、癌幹細胞の維持に必須な酵素としてEZH1/2を発見し、2 つの酵素をともに阻害することで、癌幹細胞を根絶、治療抵抗性を打破し、再発を抑制することを示唆する研究成果を得ている。これまでの非臨床試験で急性骨髄性白血病や非ホジキンリンパ腫に有効であることが示唆されている。
東京大学大学院新領域創成科学研究科の渡邉俊樹教授、山岸誠特任助教のグループが、ATL の発症と進展にEZH1/2 に依存的なエピゲノム異常があることを発見した。さらに、正常細胞に比べ、ATL 細胞はEZH1/2 によるエピゲノム変化に強く依存した細胞であるため、EZH1/2 の二重阻害は非常に高感度かつ特異的にATL 細胞の生存能を低下させることが判明した。また、ATL の原因となるヒトT 細胞白血病ウイルスI 型(HTLV-1)キャリアの血液細胞にこの阻害剤を処理することにより、感染細胞が選択的に除去されることを見出している。
2015/08/28
ノバルティスのファリーダックをECが承認
ECは、ノバルティスのヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤ファリーダックFARYDAKカプセル(一般名:パノビノスタットpanobinostat: LBH589)を「ボルテゾミブおよび免疫調節剤(IMiD)など2種類以上の治療歴のある再発または難治性多発性骨髄腫患者に対して、ボルテゾミブとデキサメタゾンその併用療法」として承認した。HDAC阻害剤では、多発性骨髄腫に対するはじめての承認である。
承認の根拠となった第3相無作為化試験(PANORAMA試験)では、ボルテゾミブおよびIMiDを含む2種類以上の治療歴のある再発・難治性多発性骨髄腫患者147例のサブグループ解析において、無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)などで良好な結果が示されている。
ファリーダックは、本年2月にFDAにより承認された。また、日本では7月3日に承認され、8月31日に発売された。
承認の根拠となった第3相無作為化試験(PANORAMA試験)では、ボルテゾミブおよびIMiDを含む2種類以上の治療歴のある再発・難治性多発性骨髄腫患者147例のサブグループ解析において、無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)などで良好な結果が示されている。
ファリーダックは、本年2月にFDAにより承認された。また、日本では7月3日に承認され、8月31日に発売された。
2015/06/26
欧州医薬品委員会CHMP、6月定例会議でノバルティスのHDAC阻害薬パノビノスタットの承認勧告を採択
EMA医薬品委員会(CHMP)は、6月定例会議でノバルティスのエピジェネティックHDAC阻害薬パノビノスタット(商品名:FARYDAK)、ヘッジホッグシグナル伝達阻害薬のsonidegib(商品名:ODOMZO)を含む5件の新薬の承認勧告を採択した。パノビノスタットはボルテゾミブおよび免疫調節剤を含む前治療歴のある再発・難治性多発性骨髄腫に対して、sonidegibは根治手術または放射線治療が不適な成人の局所進行基底細胞癌の治療である。3件の酵素補充療法の承認勧告が採択された。肝生細胞を先端医療とする申請は非承認の勧告となった。
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