エーザイは、Personal Genome Diagnostics Inc.( PGDx)と癌遺伝子パネル検査の共同研究開発に関する契約を締結し、研究を開始した。本共同研究開発では、血液サンプルを使用したLiquid biopsy(非侵襲的な体液サンプルを使用して診断や治療効果予測を行う技術)によって、500 以上の癌遺伝子の変異などについて網羅的な解析が可能となる癌遺伝子パネル検査キットを創出し、創薬への活用を図る。経済条件は開示されていない。
上記研究の主な利点は、腫瘍組織を使用できない臨床試験で包括的なゲノムプロファイリングデータを提供することができる点である。また、試験担当医師は薬物反応のダイナミクスと治療抵抗性の新たなメカニズムの評価にも利用することができると考えられる。
2020/01/29
2019/10/25
治療困難な小児および若年成人の癌治療に関する腫瘍RNA シーケンシング解析の比較研究
10 月25 日発行のJAMA Network Open 誌[2019;2(10):e1913968. doi:10.1001/jamanetworkopen. 2019.13968]にCalifornia 大学Santa Cruz 校(UCSC)の研究者らのグループが、治療困難な小児および若年成人の癌治療における腫瘍RNA シーケンシング解析の比較研究結果を報告した。DNA シーケンシングに比べて個々の小児癌の症例にRNA シーケンスを使用することにより、腫瘍の遺伝子発現に関してより効率的な標的とすることができる可能性を示唆する成績が得られたと結論している。
California 大学Santa Cruz’校のTreehouse 小児癌イニシアチブのConsortium の下で実施された。 2016 年1 月から2017 年3 月までに4 カ所の臨床試験施設で、合計128 人の患者から採取した144 の腫瘍検体の遺伝子発現が検討された。144 の腫瘍検体中、99 検体(68%)にRNA シーケンス解析の比較で有用性が示された。一方、DNA 変異は、74 検体中34 検体(46%)に有用性が認められた。また、腫瘍サンプルの36%に、RNA 解析のみに基づいて、ドラッガブルで過剰発現された遺伝子および/または経路が特定されたが、DNA の評価では見いだされなかった。
多くの場合、癌を引き起こすのはDNA 変異でなく、遺伝子発現の制御方法の変化に起因する発育過程でのエラーであり、この研究は、個別の精密医療の臨床試験での使用可能性を初めて示した。
California 大学Santa Cruz’校のTreehouse 小児癌イニシアチブのConsortium の下で実施された。 2016 年1 月から2017 年3 月までに4 カ所の臨床試験施設で、合計128 人の患者から採取した144 の腫瘍検体の遺伝子発現が検討された。144 の腫瘍検体中、99 検体(68%)にRNA シーケンス解析の比較で有用性が示された。一方、DNA 変異は、74 検体中34 検体(46%)に有用性が認められた。また、腫瘍サンプルの36%に、RNA 解析のみに基づいて、ドラッガブルで過剰発現された遺伝子および/または経路が特定されたが、DNA の評価では見いだされなかった。
多くの場合、癌を引き起こすのはDNA 変異でなく、遺伝子発現の制御方法の変化に起因する発育過程でのエラーであり、この研究は、個別の精密医療の臨床試験での使用可能性を初めて示した。
2017/05/17
希少病の嚢胞性線維症の治療薬KALYDECOの効能拡大をFDAが承認
バーテックス(Vertex)の嚢胞性線維症治療薬KALYDECO(一般名:ivacaftor)を既に承認されている10 の突然変異の治療から33 に拡大する効能拡大である。FDAが追加の新たな臨床データなしでの効能拡大を承認するのは初めてである。今回の承認は検査室のデータに基づいて、疾患のさらなる稀な変異を効能に追加する際の今後の追加承認の手順を示唆するものと考えられる。
嚢胞性繊維症は希少病で、米国の患者数は30,000 人と推定されている。これまでのKALYDECO の承認効能は、臨床データあるいはin vitro 検査データに基づいて、CFTR 遺伝子の1 つ以上に変異の有る2 歳以上の嚢胞性繊維症患者が対象となっていた。今回の効能拡大で嚢胞性繊維症患者の3%、900 人があらたに使用できることになった。
Link » 難病・希少病
嚢胞性繊維症は希少病で、米国の患者数は30,000 人と推定されている。これまでのKALYDECO の承認効能は、臨床データあるいはin vitro 検査データに基づいて、CFTR 遺伝子の1 つ以上に変異の有る2 歳以上の嚢胞性繊維症患者が対象となっていた。今回の効能拡大で嚢胞性繊維症患者の3%、900 人があらたに使用できることになった。
2017/04/06
消費者向けの遺伝子リスク検査キットをFDAが承認
FDAはパーキンソン病、後発性アルツハイマー病、セリアック病など10種の疾病/症状について、個人用ゲノムサービスの遺伝子リスク(Genetic Health Risk、GHR) 検査を認可した。開発した 23andMe 社の社名にある「23」の由来は人の体細胞が23対の染色体からなることによる。
23andMe GHR検査は、被験者の唾液からDNAを抽出して50万の変異を検査し、数週間以内に結果を通知する。ある種の疾病または症状に対する個人の遺伝性素因に関する情報を提供し、個人のライフスタイル選択や医療専門家との相談といった場面で新たな情報を提供できる可能性がある。FDAが遺伝子検査サービス製品の消費者への直接販売を認可するのは初めてである。
23andMe GHR検査は、被験者の唾液からDNAを抽出して50万の変異を検査し、数週間以内に結果を通知する。ある種の疾病または症状に対する個人の遺伝性素因に関する情報を提供し、個人のライフスタイル選択や医療専門家との相談といった場面で新たな情報を提供できる可能性がある。FDAが遺伝子検査サービス製品の消費者への直接販売を認可するのは初めてである。
2016/04/15
オシメルチニブ(製品名タグリッソ) の効果が期待できる進行非小細胞肺癌患者の選択に有効なctDNA 遺伝子型検査
2016 年欧州肺癌学会(ELCC:European Lung Cancer Conference)で、EGFR T790M変異陽性非小細胞肺癌に有効なAstraZenecaアストラゼネカ のタグリッソ(一般名:オシメルチニブ)について、最も効果が期待できそうな患者の選択に、血漿中循環腫瘍(ct)DNA(ctDNA)の検査が有用であることを示す臨床試験結果が報告された。
タグリッソの第1 相AURA 試験において、血漿DNAの遺伝子型がタグリッソ のベネフィットを得られるか否かを判定するために血漿が採取され収集された。
血漿および腫瘍遺伝子型の両データのある216 名の患者において、T790M が一致した患者の割合は70%であった。血漿中に検出されたsens 変異陽性の137 例に限定すると、一致率は80%に向上した。腫瘍のT790M 陽性患者179例では、ORR;62%、mPFS;9.7 ヵ月、血漿中のctDNA のT790M 陽性患者167例では、ORR;63%、mPFS;9.7 ヵ月であった。一方、腫瘍のT790M 陰性患者58例のORR;26%、mPFS;3.4 カ月に比べて、血漿T790M 陰性患者104例についてはORR;46%, mPFS;8.2 ヵ月であったが、血漿T790M陰性例のうちT790M-/ sens+ではORR;38%、mPFS;4.4 ヵ月、T790M-/sens-ではORR;64%、mPFS;15.2 ヵ月であった。
タグリッソの第1 相AURA 試験において、血漿DNAの遺伝子型がタグリッソ のベネフィットを得られるか否かを判定するために血漿が採取され収集された。
血漿および腫瘍遺伝子型の両データのある216 名の患者において、T790M が一致した患者の割合は70%であった。血漿中に検出されたsens 変異陽性の137 例に限定すると、一致率は80%に向上した。腫瘍のT790M 陽性患者179例では、ORR;62%、mPFS;9.7 ヵ月、血漿中のctDNA のT790M 陽性患者167例では、ORR;63%、mPFS;9.7 ヵ月であった。一方、腫瘍のT790M 陰性患者58例のORR;26%、mPFS;3.4 カ月に比べて、血漿T790M 陰性患者104例についてはORR;46%, mPFS;8.2 ヵ月であったが、血漿T790M陰性例のうちT790M-/ sens+ではORR;38%、mPFS;4.4 ヵ月、T790M-/sens-ではORR;64%、mPFS;15.2 ヵ月であった。
2015/02/20
メルクセローノ、初のリキッド・バイオプシー検査センターを開設
独メルクの医薬品部門メルクセローノとSysmex Inostics(ドイツ、ハンブルグ)は、初のリキッド・バイオプシーによるRASバイオマーカー検査センターを開設した。両社は、2014年6月に(転移性)結腸・直腸癌の血液バイオマーカー RAS変異診断法の開発および商品化に関する契約を締結している。リキッド・バイオプシーのRASバイオマーカー検査は、結腸・直腸癌の個別化治療の推進に寄与するものと期待されている。
今回、リキッド・バイオプシー検査センターが開設されたのは、スペイン、バルセロナのVall d’Hebron癌研究所内である。今後数ヵ月以内に、リキッド・バイオプシーによるRASバイオマーカー検査のECにおける承認(CE mark)が実現されると予測されており、そうなれば、2015年中にはオーストリア、フランス、ドイツ、イタリア、英国など、多くの臨床検査施設で使用されるようになる。
[参考]
リキッド・バイオプシーとは、手術による組織の摘出や、生検(バイオプシー)を行わずに、循環血液中に存在する癌細胞由来のDNAや、癌細胞を検査する方法で、侵襲性が低く簡便なことが利点である。検査結果が得られるまでの期間は2~3日に短縮されると期待される。
K-ras遺伝子変異陰性(野生型)の大腸がんに対する治療薬としてEGFR阻害剤Erbituxを販売するブリストルマイヤーズは米国を中心に2014年に7億ドル(800億円)を売上げた。独メルクは米国外で販売しており、2013年の売上高は9億ユーロ(1200億円)だった。
今回、リキッド・バイオプシー検査センターが開設されたのは、スペイン、バルセロナのVall d’Hebron癌研究所内である。今後数ヵ月以内に、リキッド・バイオプシーによるRASバイオマーカー検査のECにおける承認(CE mark)が実現されると予測されており、そうなれば、2015年中にはオーストリア、フランス、ドイツ、イタリア、英国など、多くの臨床検査施設で使用されるようになる。
[参考]
リキッド・バイオプシーとは、手術による組織の摘出や、生検(バイオプシー)を行わずに、循環血液中に存在する癌細胞由来のDNAや、癌細胞を検査する方法で、侵襲性が低く簡便なことが利点である。検査結果が得られるまでの期間は2~3日に短縮されると期待される。
K-ras遺伝子変異陰性(野生型)の大腸がんに対する治療薬としてEGFR阻害剤Erbituxを販売するブリストルマイヤーズは米国を中心に2014年に7億ドル(800億円)を売上げた。独メルクは米国外で販売しており、2013年の売上高は9億ユーロ(1200億円)だった。
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