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2022/03/18

FDA, 進行黒色腫に対しLAG-3 阻害抗体配合OPDUALAG(ニボルマブ/relatlimab-rmbw)承認

ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)のニボルマブとrelatlimabを単回点滴静注する、新しいfirst-in-class の固定用量の配合剤OPDUALAG(ニボルマブ/relatlimab-rmbw)が、切除不能または転移性黒色腫の12 歳以上の小児および成人患者の治療薬としてFDAにより承認された。本申請は、FDA のReal-Time Oncology Review(RTOR)パイロット・プログラムの下で承認された。
リンパ球活性化遺伝子3(LAG-3)は、Effector T細胞および制御性T細胞(Treg)の表面に発現する免疫チェックポイント受容体タンパク質であり、T細胞の応答、活性化、増殖を制御する機能を有している。
本承認は、OPDUALAG(n = 355)とニボルマブ 単独(n = 359)を比較した第2/3 相RELATIVITY-047 試験結果に基づいている。主要評価項目の無増悪生存期間(PFS)は、それぞれ10.1 カ月(95%CI:6.4〜15.7) と4.6 カ月(95% CI:3.4~5.6)で、ハザード比(HR)は 0.75[95%CI:0.62〜0.92, P = 0.0055]であった。

世界初のLAG-3-ブロッキング抗体による転移性悪性黒色腫の治療

 03/18, BMY, LAG-3, Skin cancer, Combination

U.S. Food and Drug Administration Approves First LAG-3-Blocking Antibody Combination, Opdualag™ (nivolumab and relatlimab-rmbw), as Treatment for Patients with Unresectable or Metastatic Melanoma

  • 世界初のLAG-3-ブロッキング抗体レラトリマブとニボルマブの組み合わせ抗体医薬オプデュアラグ(Opudualag)を切除不能の転移性悪性黒色腫に対する治療薬として米国FDAが承認した。

2021/05/19

抗LAG-3抗体relatlimab+nivolumab、未治療転移性/切除不能悪性黒色腫に有意なPFS改善

5月19日、Bristol Myers Squibbが、抗LAG-3抗体relatlimab+抗PD-1抗体nivolumabの固定用量併用療法(併用療法)が、OPDIVO単剤療法(単剤療法)と比較して、未治療の転移性または 切除不能な悪性黒色腫患者において有意に無増悪生存期間(PFS)を改善したと発表した。抗LAG-3抗体を評価した第3相臨床試験データの初めての公表である。

この併用療法は、確立された標準療法であるOPDIVOの単剤療法と比較して、統計学的に有意、かつ臨床的に意義のあるベネフィットを示した。データにより、LAG-3とPD-1を併せて阻害することで、患者の予後の改善につながることが示された。今回のデータは、2021年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会にて、口頭発表される。

1. LAG-3:
リンパ球活性化遺伝子3(LAG-3)は、effectorーT細胞および制御性T細胞(Treg)に発現する細胞表面分子であり、T細胞の応答、活性化および増殖を制御する機能を有している。非臨床試験において、LAG-3を阻害することにより、疲弊したT細胞のeffector機能が回復し、抗腫瘍応答を促進する可能性があることが示唆されている。初期の研究では、LAG-3を他の補完的免疫Check pointと併せて標的とすることが、抗腫瘍免疫活性をより効果的に高めるための重要な方策である可能性が示唆されている。

2. RELATIVITY-047(CA224-047)試験:
本試験は、未治療の転移性または切除不能悪性黒色腫患者を対象に、併用療法を単剤療法と比較評価した国際共同、無作為化、二重盲検、第2/3相臨床試験である。本試験の主要評価項目は、盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による無増悪生存期間(PFS)で、副次評価項目は全生存期間(OS)および奏効率(ORR)である。患者714人が、relatlimab 160 mgとnivolumab 480 mgの固定用量配合剤での併用療法群、またはOPDIVO 480 mgの単剤療法を4週間間隔で点滴静注群に無作為に1:1に割り付けられた。副次評価項目であるOSおよびORRの追跡調査は進行中。

3. 有効性:
併用療法は、転移性悪性黒色腫において、統計学的に単剤療法を上回るベネフィットを示した初めてのレジメンである。PFSの中央値は、併用療法群で10.12カ月 (95%CI: 6.37-15.74)、単剤療法群では4.63カ月(95% CI:3.38 - 5.62)で、併用療法群で有意に延長した[ハザード比(HR)=0.75, 95% CI:0.62 - 0.92, p=0.0055]。併用療法群のPFSのベネフィットは、初回スキャン時の早い段階から認められ、追跡調査の期間中、一貫して示された。探索記述的解析において、併用療法は、あらかじめ定義されたサブグループおよび層別化因子にかかわらずPFSを有意に延長した。

4. 安全性:
併用療法の安全性プロファイルは管理可能であり、relatlimabとnivolumabでこれまでに報告されたものと一貫していた。同併用療法に関して単剤療法と比較して、新たな安全性シグナル、または臨床的に重要な新たな事象は認められなかった。グレード3~4の薬剤関連の有害事象が、併用療法群の18.9%、単剤療法群の9.7%に発現した。投与の中止につながる薬剤関連有害事象が、併用療法群の14.6%、単剤療法群の6.7%に発現した。

5. BMSのCheck point阻害剤:
本併用療法は、第3相試験で患者に対するベネフィットを示した初めての抗LAG-3抗体である。BMSにとって、3つ目のCheck point阻害薬(抗PD-1および抗CTLA-4と併せて)になる。(完)

(主な出典:https://news.bms.com/news/corporate-financial/2021/Bristol-Myers-Squibb-Announces-LAG-3-Blocking-Antibody-Relatlimab-and-Nivolumab-Fixed-Dose-Combination-Significantly-Improves-Progression-Free-Survival-vs.-Opdivo-nivolumab-in-Patients-with-Previously-Untreated-Metastatic-or-Unresectable-Melanoma/default.aspx

2021/03/25

BMS の 3 番目 checkpoint 阻害薬抗 LAG-3 抗体 Relatlimab

3 月 25 日、Bristol Myers Squibb(BMS)は、未治療の転移性または切除不能悪性黒色腫 患者を対象にした抗 LAG-3 抗体 Relatlimab と OPDIVO(nivolumab)の固定用量配合剤による 併用療法を OPDIVO の単剤療法と比較評価した第 2/3 相 RELATIVITY-047(CA224-047)試験 の主要結果を発表した。

LAG-3:

リンパ球活性化遺伝子 3 (LAG-3)は、エフェクターT 細胞および制 御性 T 細胞(Treg)に発現する細胞表面分子 で、T 細胞の応答、活性化および増殖を制 御する機能を有している。非臨床試験にお いて、LAG-3 経路を阻害することにより、 疲弊した T 細胞のエフェクター機能が回 復し、抗腫瘍応答を促進する可能性が示唆 されている。初期の研究で、LAG-3 を他の 補完的免疫経路と併せて標的とすること が、抗腫瘍免疫活性をより効果的に高める ための重要な方策である可能性が示唆さ れている。BMS は、多様な癌腫を対象に した臨床試験で、抗 LAG-3 抗体 relatlimab と他の薬剤の併用療法を評価している。

 第 2/3 相 RELATIVITY-047(CA224-047)試験:

本試験で、合計 714 人の患者が 1:1 に無 作為化され、病勢の再発、許容できない毒性、または同意撤回まで、4 週間毎に静脈内注入 により relatlimab 160 mg+OPDIVO 480 mg の配合比固定の併用療法、または OPDIVO 480 mg の単剤療法が投与された。主要評価項目の盲検下独立審査委員会(BICR)による無増悪生存期 間(PFS)について、relatlimab と OPDIVO の併用療法は、統計学有意差を以って達成した。副 次評価項目の全生存期間(OS)と奏効率(ORR)の追跡調査が進行中である。固定用量の併用療 法の忍容性は良好で、併用療法群および OPDIVO 単剤療法群とも新たな安全性シグナルは報 告されなかった。これらは、抗 LAG-3 抗体を評価した試験で報告された初めての第 3 相試 験データである。relatlimab は、BMS にとって、3 番目の免疫 checkpoint 阻害薬(抗 PD-1、抗 CTLA-4、および抗 LAG-3)である。

悪性黒色腫

皮膚にある色素産生細胞(melanocytes)の無秩序な増殖を特徴とする皮膚 癌の一種である。転移性悪性黒色腫は、この疾患の中でも最も致死性が高く、癌が皮膚表面 だけでなく、他の臓器にも広がったときに起こる。悪性黒色腫の発生率は、過去 30 年間にわ たり徐々に上昇している。米国では、2021 年に 106,110 人が新たに悪性黒色腫と診断され、 関連死亡者数は約 7,180 人に上ると推定されている。WHO は、2035 年までに全世界におけ る悪性黒色腫の発症者数が 424,102 人に達し、関連死亡者数は 94,308 人に上ると推定して いる。悪性黒色腫は、非常に早期の段階に治療されれば大部分が治癒可能であるが、所属リ ンパ節転移がある場合、生存率は大幅に低下する。