2014/10/10

C 型肝炎治療薬ハーボニ(HARVONI)をFDAが優先審査で承認


ギリアド・サイエンシズ(Gilead Sciences)のC型肝炎治療薬「ハーボニ」(HARVONI)が承認された。ギリアドが昨年発売した「ソバルディ」に、NS5Aプロテアーゼ阻害薬レジパスビル(一般名)を加えた配合剤である。FDAは昨年(2013年)12月にブレークスルー指定(BTD)しており、加速承認制度の下で迅速な審査が行われた。

ウイルス遺伝子1型(HCV1)の感染者約1,500 人を対象として行われた3本の第3 相臨床試験(ION-1、ION-2、ION-3 試験)が承認の根拠となった。リバビリン非併用の患者863例のうち94~99%がSVR12(投与終了後12週目の持続性ウイルス学的著効)を達成し、完全治癒とみなされた。

ギリアドが計上した2014年第1四半期(3ヶ月間)のソバルディの売上高は22億ドル(2,300億円)を超え、発売初年度から8000億円を超えて史上最大の新薬発売になると予想されている。ソバルディ(一般名ソホスブビル、sofosbuvir)はC型肝炎ウイルスの複製に必要なRNAポリメラーゼを阻害する核酸アナログ製剤で、インターフェロンやリバビリンの併用を必要としない「インターフェロン・フリー」を初めて実現した。

1日1錠12週間服用するソバルディの費用は8万4000ドル(900万円)となり、高額の価格設定に批判が集まっていたが、ハーボニはさらに高い9万4500ドル(1,000 万円)とされた。ギリアド経営陣はJ&JのOLYSIO(一般名シメプレビル)、メルクのボセプレビル、Vertexのテラプレビル(国内製品名「テラビック」、田辺三菱)といったプロテアーゼ阻害剤の併用が不要になるので100万円を上乗せしても、患者にとってのメリットは大きいとしている。

参考:日本では2014年9月23日に、遺伝子1型C 型慢性肝炎治療薬としてレジパスビル・ソホスブビル配合剤の承認申請を行った。