第一三共が、開発中のエピジェネテティックス領域の低分子医薬品で、遺伝子の発現を抑制するヒストンメチル化酵素の EZH1とEZH2阻害を阻害する二重阻害剤バレメトスタットの、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)に対する第 2相VALENTINE-PTCL01 試験の有効性および安全性データを第66回米国血液学会(ASH)年次総会で初めて公表した。
バレメトスタットは、EZH1 及び EZH2 を阻害することで、不活性化された腫瘍抑制遺伝子などを再 活性化することにより、癌細胞の増殖が阻害されるとされている。EZH1とEZH2の両方を 阻害する方が、一方のみよりも血液癌の増殖阻害効果が高いことが前臨床で示唆されている。
R/R成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)治療薬として日本で承認されている。今回は、非盲検、単群、グローバル、第2相VALENTINE-PTCL01試験 (DS3201-A-U202; NCT04703192)で、バレメトスタットで治療されたR/R PTCL患者の主要結果の報告である。
海外製薬産業 ニュース解説
2023/12/09
2023/12/08
FDA、鎌状赤血球症患者の治療に初の遺伝子治療CASGEVYとLYFGENIAの2品目承認
FDAは、12歳以上の患者を対象にした鎌状赤血球症(SCD)の治療のための初の細胞ベースの遺伝子治療となる、2 つのマイルストン治療法、Vertex Pharms.のCASGEVYと Bluebird Bio のLYFGENIA をそれぞれ承認した。
これらの治療法のうちの1つCASGEVYは、ベクターの代わりに、一種の新ゲノム編集技術を利用した初の FDA承認の治療法であり、遺伝子治療の分野における革新的な進歩を示している。
2023/11/22
ベーリンガーインゲルハイム, 細菌による癌治療開発企業T3 Pharmaを買収、癌免疫療法に参入
ベーリンガーインゲルハイムは、スイスバーゼルに拠点を置く株式非公開のユニークな細菌による癌治療法を開発しているバイオ企業T3 Pharmaceuticals AG(T3 Pharma)を最大4億5,000 万CHF(1CHF=168JPY)で買収し、癌免疫療法のポートフォリオを拡大すると発表した。
T3 Pharma社は、バーゼル大学の Biozentrum から独立して2015年に設立され、固形癌を治療する細菌ベースの免疫腫瘍療法を開発するバイオ企業で、生細菌を使用して免疫調節機能を提供する独自の治療技術基盤を構築し、ペイロードとして細菌の生産する複数の生理活性タンパク質を、選択的に癌細胞や癌細胞の微小環境に送達するシステムを開発した。同社は、細菌の III 型分泌システム(T3SS)を再利用することにより独自のタンパク質送達技術基盤を構築し、腫瘍と腫瘍微小環境へ目的の治療用タンパク質の送達を実現した。同社の主力製品の T3P-Y058739 は現在、第 I 相臨床試験で評価中である。
T3 Pharma社は、バーゼル大学の Biozentrum から独立して2015年に設立され、固形癌を治療する細菌ベースの免疫腫瘍療法を開発するバイオ企業で、生細菌を使用して免疫調節機能を提供する独自の治療技術基盤を構築し、ペイロードとして細菌の生産する複数の生理活性タンパク質を、選択的に癌細胞や癌細胞の微小環境に送達するシステムを開発した。同社は、細菌の III 型分泌システム(T3SS)を再利用することにより独自のタンパク質送達技術基盤を構築し、腫瘍と腫瘍微小環境へ目的の治療用タンパク質の送達を実現した。同社の主力製品の T3P-Y058739 は現在、第 I 相臨床試験で評価中である。
2023/11/17
FDA、AKT 阻害剤 TRUQAP(カピバセルチブ)+フェソロデックス を進行性 HR 陽性乳癌の治療を承認
アストラゼネカのTRUQAP(一般名:カピバセルチブ)が、フェソロデックス(一般名:フルベストラント)との併用で、ホルモン受容体(HR)陽性、HER2 陰性で、1 つ以上の バイオマーカーが変異(PIK3CA, AKT1 または PTEN)している局所進行性又は転移性乳癌の成人患者の治療薬として FDA から優先審査で承認された。
FDA による承認は、今年初めに NEJM 誌に掲載された第 3 相 CAPItello-291 試験結果に基づいている。組み入れ基準適合患者は、転移状態で少なくとも 1 回の内分泌ベースのレジメンで病勢が進行したか、アジュバント療法完了後 12 カ月以内に再発を経験した患者である。
この試験では、TRUQAP と フェソロデックスとの併用により、PI3K/AKT 経路のバイオマーカー の変異を有する癌患者において、フェソロデックス単独と比較して病勢進行または死亡のリスクを 50%減少させた [ハザード比(HR)=0.50;95%CI;0.38~0.65;p=<0.001; 無増悪生存期間(PFS)の中央値 7.3 カ月 vs. 3.1 カ月]。承認は PI3K/AKT 経路の変異に限定された。
FDA による承認は、今年初めに NEJM 誌に掲載された第 3 相 CAPItello-291 試験結果に基づいている。組み入れ基準適合患者は、転移状態で少なくとも 1 回の内分泌ベースのレジメンで病勢が進行したか、アジュバント療法完了後 12 カ月以内に再発を経験した患者である。
この試験では、TRUQAP と フェソロデックスとの併用により、PI3K/AKT 経路のバイオマーカー の変異を有する癌患者において、フェソロデックス単独と比較して病勢進行または死亡のリスクを 50%減少させた [ハザード比(HR)=0.50;95%CI;0.38~0.65;p=<0.001; 無増悪生存期間(PFS)の中央値 7.3 カ月 vs. 3.1 カ月]。承認は PI3K/AKT 経路の変異に限定された。
経口アンドロゲン受容体阻害薬による生化学的再発リスクが高い非転移性ホルモン 感受性前立腺がん(nmHSPC)の治療
アステラス製薬がファイザーと共同で開発・商業化を進めている経口 アンドロゲン受容体阻害剤 XTANDI(一般名:エンザルタミド)について、FDA が迅速審査プログラム[優先審査(priority)指定、Fast Track 指定及び Real-time Oncology Review(RTOR)の下で、生化学的再発(Biochemical Recurrence:BCR)のリスクの高い非転移性去勢感受性前立腺癌(nmCSPC)、又は非転移性ホルモン 感受性前立腺癌(nmHSPC)の効能を承認した。
EMBARK 試験験において、エンザルタミド 併用群(エンザルタミド+リュープロレリン)は、プラセボ群(プラセボ+リュープロレリン)と比較して、病勢進行または死亡のリスクを低減し、統計学的に有意な改善を認め、主要評価項目である無転移生存期間(MFS)を達成した。また、エンザルタミド単剤群は、エンザルタミド併用群と同様に、プラセボ 群と比較して、病勢進行または死亡のリスクを低減し、統計学的に有意な改善を認め、主要副次評価項目の MFS を達成した。MFS は、無作為化から客観的指標である中央評価での画像診断における増悪または死亡のいずれか早い方までの期間と定義される。
EMBARK 試験験において、エンザルタミド 併用群(エンザルタミド+リュープロレリン)は、プラセボ群(プラセボ+リュープロレリン)と比較して、病勢進行または死亡のリスクを低減し、統計学的に有意な改善を認め、主要評価項目である無転移生存期間(MFS)を達成した。また、エンザルタミド単剤群は、エンザルタミド併用群と同様に、プラセボ 群と比較して、病勢進行または死亡のリスクを低減し、統計学的に有意な改善を認め、主要副次評価項目の MFS を達成した。MFS は、無作為化から客観的指標である中央評価での画像診断における増悪または死亡のいずれか早い方までの期間と定義される。
2023/11/06
IZERVAY, 地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性第 3 相 GATHER2 試験結果米国眼科学会で発表
アステラス製薬と子会社 Iveric Bio, Inc.(Iveric)は、地図状萎縮 (Geographic Atrophy:GA)を伴う加齢黄斑変性(Age-related Macular Degeneration:AMD)治療薬で補体因子C5 阻害剤 IZERVAY [avacincaptad pegol(ACP)]硝子体内注射液の第 3 相 GATHER 2 試験結果を米国 San Francisco で開催された 2023 年米国眼科学会(AAO)年次総会で口頭発表した。
IZERVAYは、GA を伴う AMD 治療剤として、FDA から 2023 年 8 月 4日に承認を取得しており、EMA では販売承認申請の審査中である。
本試験では、GA を伴う AMD 患者を対象にした ACP の毎月 1 回(QM)投与および隔月 1 回(Q2M)投与のいずれにおいても、偽処置対照群と比較して 2 年間の投与期間中に GA の進行速度を継続的に低下させることが明らかになった。また、ACP による GA 治療効果は投与後 6 カ月から観察され、2 年間経時的に増大し続け、2 年間の QM および Q2M 投与による治療効果は 1 年間の治療効果と比べて 2 倍以上であった。
IZERVAYは、GA を伴う AMD 治療剤として、FDA から 2023 年 8 月 4日に承認を取得しており、EMA では販売承認申請の審査中である。
本試験では、GA を伴う AMD 患者を対象にした ACP の毎月 1 回(QM)投与および隔月 1 回(Q2M)投与のいずれにおいても、偽処置対照群と比較して 2 年間の投与期間中に GA の進行速度を継続的に低下させることが明らかになった。また、ACP による GA 治療効果は投与後 6 カ月から観察され、2 年間経時的に増大し続け、2 年間の QM および Q2M 投与による治療効果は 1 年間の治療効果と比べて 2 倍以上であった。
2023/11/01
アストラゼネカ, 細胞並びに遺伝子治療の強化に向け Cellectis と提携契約と投資契約を締結
アストラゼネカは、オンコロジー、免疫学、希少疾患など、アンメットメディカルニーズの高い分野における次世代治療法の開発を加速するため、臨床段階のバイオ企業 Cellectis と提携および株式投資契約を締結したと発表した。契約条件に基づいて、アストラゼネカは、Cellectis 独自の遺伝子編集技術と製造能力を活用して、新しい細胞および遺伝子治療製品をデザインし、この分野で成長を続けるアストラゼネカ の製品群を強化する。契約の一環として、25 の遺伝子標的をアストラゼネカが独占的に確保し、そこから最大 10 の候補製品を開発に向けて探索評価を試みることができる。アストラゼネカは、細胞および遺伝子治療における独自の専門知識を基盤に、より多くの癌患者に細胞治療を提供し、希少疾患に対する遺伝子医療を進歩させるという自社目標の一環として、これまでに複数のパートナーシップでの提携と株式投資を通じてその能力を強化してきた。
2023/10/23
Dato-DXd 第 3 相 TROPION-Breast01 試験, HR+HER2 低値/陰性乳癌患者の PFS 大幅延長
第一三共とアストラゼネカが共同開発中の抗TROP2 ADCダトポタマブ デルクステカン (Dato-DXd)が、試験担当医師が選択した化学療法と比較するPivotal 第3 相TROPION-Breast01試験において、手術不能または転移性 ホルモン受容体(HR)陽性、HER2 低値または陰性で、内分泌ベースの治療と少なくとも 1 レジメンの全身療法の前治療歴の有る乳癌患者に対して、統計的に有意、かつ臨床的に意味のある無増悪生存期間(PFS)の改善を示した。これらのデータは、欧州臨床腫瘍学会(#ESMO23)総会 Presidential Symposium 3 で発表された(LBA11)。臨床開発中の抗 TROP2 ADC である。Dato-DXdは、第一三共独自の DXd ADC 技術を使用してデザインされ、第一三共の オンコロジーパイプラインにある 6 つの ADC 候補のうちの 1 つで、アストラゼネカの ADC 科学基盤でも最も先進的プログラムの 1 つである。Dato-DXd は、札幌医科大と共同開発したヒト化抗 TROP2 IgG1 mAb で構成されており、テトラぺペプチドベースの切断可能なリンカーを介してトポイソメラーゼ I 阻害剤 ペイロード(exatecan 誘導体、DXd)に結合している。
包括的な開発プログラム が世界的に進行中であり、非小細胞肺癌、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)、HR 陽性、HER2 低値または陰性乳癌を含む複数の腫瘍における Dato-DXd の有効性と安全性を評価する 12 本以上の臨床試験が進行している。また、新規の併用療法でも評価されている。
包括的な開発プログラム が世界的に進行中であり、非小細胞肺癌、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)、HR 陽性、HER2 低値または陰性乳癌を含む複数の腫瘍における Dato-DXd の有効性と安全性を評価する 12 本以上の臨床試験が進行している。また、新規の併用療法でも評価されている。
2023/10/18
エンハーツ、HER2 変異陽性進行性非小細胞肺癌患者への初の抗 HER2 療法として EC 承認
EU において、第一三共とアストラゼネカ のエンハーツ (一般名:トラスツズマブ デルクステカン) の単剤療法が、白金製剤ベースの化学療法後に全身治療が必要で、かつ HER2 (ERBB2)変異を有する進行性非小細胞肺癌(NSCLC)の成人患者に対し、免疫療法の治療歴の有無に関りなく承認された。
今回の承認は、ヒト用医薬品委員会(CHMP)の承認勧告に基づいて2021 年 1 月の条件付初回承認の一部変更承認である。第 2 相 DESTINY-Lung02 試験において エンハーツは、盲検下独立中央審査による評価により、前治療歴の有る進行性又は転移性 HER2 変異 NSCLC 患者に対して 49.0%(95%CI:39.0-59.1)の確定奏効率(ORR)を示した(完全奏効率1%、部分奏効率48%)。奏効期間中央値は 16.8 カ月(95% CI:6.4 - 推定不能)であった。
EU 承認により、HER2 変異陽性 NSCLC に対するマイルストン支払いとして、アストラゼネカから第一三共に 7,500 万$が支払われる予定。
今回の承認は、ヒト用医薬品委員会(CHMP)の承認勧告に基づいて2021 年 1 月の条件付初回承認の一部変更承認である。第 2 相 DESTINY-Lung02 試験において エンハーツは、盲検下独立中央審査による評価により、前治療歴の有る進行性又は転移性 HER2 変異 NSCLC 患者に対して 49.0%(95%CI:39.0-59.1)の確定奏効率(ORR)を示した(完全奏効率1%、部分奏効率48%)。奏効期間中央値は 16.8 カ月(95% CI:6.4 - 推定不能)であった。
EU 承認により、HER2 変異陽性 NSCLC に対するマイルストン支払いとして、アストラゼネカから第一三共に 7,500 万$が支払われる予定。
2023/10/16
EMA/CHMP, 閉経後の中等度~重度のホットフラッシュに対する fezolinetant 承認勧告採択
EMA の CHMP が 10 月 9 日~12 日開催の 10 月度定例会議で、アステラス製薬(株)が開発中の経口の非ホルモン治療薬fezolinetant(EU 製品名 VEOZA)1 日 1 回(QD) 45 mg について、閉経に伴う中等度から重度の血管運動神経症状 [ホットフラッシュ(顔のほてり・のぼせ等)や寝汗:Vasomotor Symptoms(VMS)]に対する販売承認勧告を採択した。これにより、EC は 10 月 12 日から 67 日以内に最終的な承認可否を判断する予定。
fezolinetant は、KNDy(kisspeptin/neurokinin B/dynorphin)neuron に結合する neurokinin B(NKB)をブロックし、脳の体温調節中枢(視床下部)のバランスの回復を助け、閉経に伴う中等度から重度の VMS の頻度と重症度を軽減する。閉経に伴う中等度から重度の VMS の頻度と重症度を軽減する first-in-class の非ホルモン治療薬となる。
fezolinetant は、KNDy(kisspeptin/neurokinin B/dynorphin)neuron に結合する neurokinin B(NKB)をブロックし、脳の体温調節中枢(視床下部)のバランスの回復を助け、閉経に伴う中等度から重度の VMS の頻度と重症度を軽減する。閉経に伴う中等度から重度の VMS の頻度と重症度を軽減する first-in-class の非ホルモン治療薬となる。
2023/10/13
アトピー性皮膚炎に best-in-class の可能性の amlitelimab の最新第 2b 相データ, EADV 発表
サノフィは、開発中の OX40 阻害剤 amlitelimab が、第 2b 相 STREAM-AD 試験において、外用薬で疾患を適切に管理できない成人、または外用薬が治療法として推奨できない、中等症~重症のアトピー性皮膚炎の成人患者の症状を大幅に改善することを示すポジティブな結果が得られたと発表した。
Amlitelimabは、主要な免疫制御因子である OX40 ligand に結合する完全ヒト T 細胞非枯渇性モノクローナル抗体で、重度のアトピー性皮膚炎や喘息を含め、中等度の免疫介在性疾患や炎症性疾患を含む幅広い免疫介在性疾患および炎症性疾患に対する first-in-class の治療法になる可能性がある。OX40 ligand を標的とすることで、炎症誘発性 T 細胞と制御性 T 細胞の間のバランスを回復することを目指している。
Amlitelimabは、主要な免疫制御因子である OX40 ligand に結合する完全ヒト T 細胞非枯渇性モノクローナル抗体で、重度のアトピー性皮膚炎や喘息を含め、中等度の免疫介在性疾患や炎症性疾患を含む幅広い免疫介在性疾患および炎症性疾患に対する first-in-class の治療法になる可能性がある。OX40 ligand を標的とすることで、炎症誘発性 T 細胞と制御性 T 細胞の間のバランスを回復することを目指している。
2023/10/08
BMS, KRASG12C 阻害剤 KRAZATI(アダグラシブ)を有する Mirati 買収, 癌領域を強化・多様化
ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)と Mirati Therapeutics, Inc.(Mirati)は、最終的な買収合併契約を締結したと発表した。本契約に基づいて、BMSはMiratiを1株当たり現金58.00$で買収することで同意した。総資本価値は 48 億$相当になる。本買収により、BMS は、重要な肺癌治療薬 KRAZATI を同社の製品 ポートフォリオに追加することができる。同社は、自社のオンコロジーパイプラインを補完し、単剤開発および併用戦略の強力な候補となるいくつかの有望な臨床開発品へのアクセスが可能になる。
Mirati の ポートフォリオ:
Mirati の ポートフォリオ:
1) KRAZATI(アダグラシブ);全身療法歴のある、KRASG12C 変異陽性局所進行性または転移性非小細胞肺癌(NSCLC)の成人患者の治療薬として FDA から加速承認を取得している。
2) MRTX1719;MRTX1719 は、全ての癌の約 10%を占めるMTAP 欠失腫瘍を標的としている。NSCLC、胆管癌、黒色腫を含む MTAP 欠失を伴う複数の腫瘍タイプにわたって有望な初期の有効性データを示している。
3) MRTX1133 ;膵臓癌、NSCLC、結腸直腸癌などに関与する KRASG12D 変異を標的としている。
4)MRTX0902;臨床開発中の SOS1 阻害剤、KRAZATI を含む MAPK/RAS 経路を標的とする他の薬剤との併用の可能性がある。
2) MRTX1719;MRTX1719 は、全ての癌の約 10%を占めるMTAP 欠失腫瘍を標的としている。NSCLC、胆管癌、黒色腫を含む MTAP 欠失を伴う複数の腫瘍タイプにわたって有望な初期の有効性データを示している。
3) MRTX1133 ;膵臓癌、NSCLC、結腸直腸癌などに関与する KRASG12D 変異を標的としている。
4)MRTX0902;臨床開発中の SOS1 阻害剤、KRAZATI を含む MAPK/RAS 経路を標的とする他の薬剤との併用の可能性がある。
2023/10/05
FDA、ファイザー の ヒュミラ (アダリムマブ)に対する バイオシミラー ABRILADA に互換性指定付与
FDA は、ファイザーのABRILADA (adalimumab-afzb)をヒュミラ (アダリムマブ)とinterchangeable(互換性)の バイオシミラーに指定する sBLA を承認した。互換性指定は、関節リウマチ(RA)、若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、尋常性乾癬、化膿性汗腺炎、およびぶどう膜炎の特定の患者を含む、ABRILADA の承認された全ての効能に適用される。処方医療提供者の介入なしに、薬局で互換性 バイオシミラーを参照製品と置き換えることができる。互換性の指定は、参照製品と バイオシミラーを交互に使用する患者が参照製品のみで治療されている患者と同じ臨床結果が得られることを実証する追加のデータ要件を満たした 場合 にのみ付与される。互換性指定の根拠は、第3相REFLECTIONS B538-12 試験データによって裏付けられた。
2023/09/29
Structure Therapeutics、経口 GLP-1 受容体作動薬 GSBR-1290 良好な第 1b 相試験結果発表
代謝性疾患および心肺疾患に対する新しい経口低分子治療薬を開発している臨床段階のバイオ医薬品企業 Structure Therapeutics Inc. (Structure)は、高選択性経口 GLP -1 受容体作動薬 GSBR-1290 を健康な過体重または肥満の個人に投与する、第 1b 相複数漸増用量(MAD)試験の肯定的な結果を発表した。28 日間の投与試験で、GSBR-1290 は 1 日 1 回投与 (QD)により大幅な体重減少と、有望な安全性と忍容性プロファイルを実証した。
第 1b 相 MAD 試験では、24 人の健康な過体重または肥満者を対象に、GSBR-1290 の安全性と忍容性の評価に焦点を当てた。被験者は、目標用量の 30mg、60mg、または 90mg の 3 用量コホートについて、GSBR-1290 またはプラセボ に 3:1 で無作為に割り付けられた。GSBR-1290 は、ベースラインに比較して最大 4.9 kg、プラセボ 調整後最大 4.9%の平均体重を減少させた。
第 1b 相 MAD 試験では、24 人の健康な過体重または肥満者を対象に、GSBR-1290 の安全性と忍容性の評価に焦点を当てた。被験者は、目標用量の 30mg、60mg、または 90mg の 3 用量コホートについて、GSBR-1290 またはプラセボ に 3:1 で無作為に割り付けられた。GSBR-1290 は、ベースラインに比較して最大 4.9 kg、プラセボ 調整後最大 4.9%の平均体重を減少させた。
2023/09/27
小野薬品、米 Adimab 社と癌領域における新規抗体薬の創製に関する創薬提携契約を締結
小野薬品工業(株)(小野薬品)は、完全ヒトモノクローナル抗体(mAb)および二重特異性抗体の探索・最適化におけるグローバル・リーダーである Adimab, LLC(Adimab)(Lebanon, New Hampshire)と、癌領域における革新的な抗体医薬品を創製するために、創薬提携契約を締結したと発表した。
本契約締結に基づいて、Adimab は小野薬品が指定する複数の標的に対する新規治療用抗体を探索し、二重特異性抗体医薬品候補を創製する。小野薬品は非臨床および臨床段階で Adimab が創製した二重特異性抗体医薬品候補の評価および開発を行う。
Adimabは、治療用医薬品抗体の創製および遺伝子工学技術のリーディング企業である。この技術には、酵母や B 細胞(マウスおよびヒト)の合成 Libraries からのナイーブな抗体の探索、抗体エンジニアリングと最適化、多重特異性抗体の創製、および二重特異性抗体を創製する目的で非独占的にライセンス供与された CD3 抗体ポートフォリオなどが含まれている。2009 年以降、Adimab は 105 社以上の製薬企業やバイオ企業と提携し、475 件以上の治療用抗体創製プロジェクトを手掛けており、60 件以上のプロジェクトが臨床段階に移行し、1件のプロジェクトが承認された。
本契約締結に基づいて、Adimab は小野薬品が指定する複数の標的に対する新規治療用抗体を探索し、二重特異性抗体医薬品候補を創製する。小野薬品は非臨床および臨床段階で Adimab が創製した二重特異性抗体医薬品候補の評価および開発を行う。
Adimabは、治療用医薬品抗体の創製および遺伝子工学技術のリーディング企業である。この技術には、酵母や B 細胞(マウスおよびヒト)の合成 Libraries からのナイーブな抗体の探索、抗体エンジニアリングと最適化、多重特異性抗体の創製、および二重特異性抗体を創製する目的で非独占的にライセンス供与された CD3 抗体ポートフォリオなどが含まれている。2009 年以降、Adimab は 105 社以上の製薬企業やバイオ企業と提携し、475 件以上の治療用抗体創製プロジェクトを手掛けており、60 件以上のプロジェクトが臨床段階に移行し、1件のプロジェクトが承認された。
2023/09/25
放射性 リガンド療法 LUTATHERA、進行性胃腸膵神経内分泌腫瘍(GEP-NET)の PFS を改善
ノバルティス は、放射線 リガンド 療法(RLT)の LUTATHERA を用いた第 3 相 NETTER-2 試験で、消化管膵神経内分泌腫瘍(GEP-NET)患者に対して主要評価項目を達成したと発表した。高用量の長時間作用型 octreotide 単剤との比較で、新たに診断された SSTR 陽性、グレード 2 および 3 のGEP-NET 患者の無増悪生存期間(PFS)の有意な改善を示した。
RLT は、放射性原子の力を利用して進行癌に適用することにより、理論的には体内の任意の場所の標的細胞に放射線を照射することができる。ノバルティス は、RLT 生産拠点の ネットワーク全体にわたり、世界的な専門知識や専用 サプライチェーンと製造能力を確立し、米国ニュージャージー 州Millburn、スペインZaragoza、イタリアIvreaで RLT 生産能力を拡大、米国インディアナ 州 Indianapolis に新しい放射性リガンド 製造施設を建設中である。
RLT は、放射性原子の力を利用して進行癌に適用することにより、理論的には体内の任意の場所の標的細胞に放射線を照射することができる。ノバルティス は、RLT 生産拠点の ネットワーク全体にわたり、世界的な専門知識や専用 サプライチェーンと製造能力を確立し、米国ニュージャージー 州Millburn、スペインZaragoza、イタリアIvreaで RLT 生産能力を拡大、米国インディアナ 州 Indianapolis に新しい放射性リガンド 製造施設を建設中である。
2023/09/22
datopotamab deruxtecan(Dato-DXd/DS-1062)、HR+HER2low/−転移異性乳癌第 3 相試験結果
第一三共とアストラゼネカは、ホルモン 受容体(HR)陽性、かつ HER2 低発現または陰性の手術不能または転移性乳癌患者への 2 次/3 次療法を対象にした、datopotamab deruxtecan [Dato-DXd/DS-1062、抗TROP2 抗体薬物複合体(ADC)]の第3相臨床試験(TROPION-Breast01)結果の概要を発表した。
本試験の複合主要評価項目の 1 つである無増悪生存期間(PFS)において、本剤投与群は、化学療法投与群に対して統計学的に有意に、かつ臨床上意義のある改善を示した。もう1 つの主要評価項目である全生存期間(OS)については、初回中間解析時点では十分な追跡期間に達していなかったため、引き続き評価が継続される。
datopotamab deruxtecanは、癌細胞の細胞膜上に高発現する抗原 TROP2 と特異的に結合するヒト化モノクローナル抗体(札幌医科大学との共同研究)に、当社独自の リンカーを介して、トポイソメラーゼ I 阻害剤(DXd)を結合させた薬剤で、抗体 1 分子につき約 4 個の DXd が結合している。薬物を癌細胞内に直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えるよう設計されている。
2023/09/12
2seventy bio と JW Therapeutics 提携、T 細胞ベースの免疫療法・自己免疫療法 R&D 加速
癌免疫細胞療法のリーダーの 1 社 2seventy bio, Inc. (2seventy)と、上海に拠点を置き、細胞免疫療法の開発、製造、商業化に注力している独立系の革新的バイオ企業 JW Therapeutics (JW)は、戦略的提携を拡大する方針を発表した。
今回の戦略的提携の拡大は、2022 年に確立されたパートナーシップに基づいており、もともと大中華圏で T 細胞ベースの免疫療法製品をより迅速に探索するために設計された、同社の橋渡し研究および臨床細胞療法の開発技術基盤に基づいて構築されている。具体的には、両社は2seventy の パイプラインから最大 2 つの候補を追加する。1 つは T 細胞受容体(TCR)技術を用いた固形癌に対する効能、もう 1 つは CAR T 細胞療法を用いた自己免疫疾患の効能を目指す。
今回の戦略的提携の拡大は、2022 年に確立されたパートナーシップに基づいており、もともと大中華圏で T 細胞ベースの免疫療法製品をより迅速に探索するために設計された、同社の橋渡し研究および臨床細胞療法の開発技術基盤に基づいて構築されている。具体的には、両社は2seventy の パイプラインから最大 2 つの候補を追加する。1 つは T 細胞受容体(TCR)技術を用いた固形癌に対する効能、もう 1 つは CAR T 細胞療法を用いた自己免疫疾患の効能を目指す。
CureVac、GSK と提携、季節性 インフルエンザに対する有望な mRNA ワクチン を第 2 相に進める
mRNA に基づいた新しいクラスの革新的医薬品を開発するグローバルバイ オ医薬品企業 CureVac N.V. (CureVac)は、GSK と共同で実施された第 1/2 相併用試験の進行 中の第 1 相試験 Part の中間解析データをベースに、臨床開発を継続するための有望なワクチン 候補を選択したと発表した。
第 1 相試験 Partでは、WHO 推奨の 4 種の インフルエンザ株全てに対応するmRNA 季節性インフルエンザワクチン 候補の包括的なシリーズを比較した。選択された ワクチン候補は試験の第 2 相 Part に進められ、2023 年第 4 四半期に最初の参加者に投与される予定で、65~85 歳の高齢者迄対象が拡大される。
第 1 相試験 Partでは、WHO 推奨の 4 種の インフルエンザ株全てに対応するmRNA 季節性インフルエンザワクチン 候補の包括的なシリーズを比較した。選択された ワクチン候補は試験の第 2 相 Part に進められ、2023 年第 4 四半期に最初の参加者に投与される予定で、65~85 歳の高齢者迄対象が拡大される。
2023/08/25
大鵬薬品と Phost’ in Therapeutics、GnT-V 阻害剤 PhOx430 に関するオプション契約を締結
Phost’ in Therapeutics SAS(Phost’in)は、フランスの Montpellier を拠点とし、アカデミアからのスピンオフ企業である。大鵬薬品工業(株)(大鵬薬品)と Phost’inは、Phost’inが開発を進めている GnTV(Nacetylglucosaminyltransferase-V )を標的とした低分子化合物PhOx430 に対して、大鵬薬品がオプション行使権を取得するオプション契約を締結した。
PhOx430 は、免疫反応の抑制、癌の増殖、さらには線維化組織の形成に関与するN 結合型 glycosyl 化酵素 GnT-V を標的とするfirst-in-class の N-結合型 glycosyl 化阻害剤であり、現在、欧州において、進行性固形癌患者を対象にした第 1/2 相 PhAST 試験で評価されている。PhOx430 は、特許を取得している化学 library と最先端のスクリーニング技術を組み合わせ、癌やその他の重篤な免疫炎症性疾患の治療薬として、選択的な N-結合型 glycosyl 化阻害剤を創出するユニークな Phost'ScreenTM技術基盤で創製された最初のプログラムである。
PhOx430 は、免疫反応の抑制、癌の増殖、さらには線維化組織の形成に関与するN 結合型 glycosyl 化酵素 GnT-V を標的とするfirst-in-class の N-結合型 glycosyl 化阻害剤であり、現在、欧州において、進行性固形癌患者を対象にした第 1/2 相 PhAST 試験で評価されている。PhOx430 は、特許を取得している化学 library と最先端のスクリーニング技術を組み合わせ、癌やその他の重篤な免疫炎症性疾患の治療薬として、選択的な N-結合型 glycosyl 化阻害剤を創出するユニークな Phost'ScreenTM技術基盤で創製された最初のプログラムである。
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